『第9回サマーナイトフェスティバル(GII)レポート』 初日編

配信日:8月2日
 福島県のいわき平競輪場にて、東日本大震災復興競輪・サマーナイトフェスティバル(G2)が開幕した。恒例となった真夏の祭典。1着権利の特殊な勝ち上がりに、選手たちは普段以上に熱が入った。狭き門を勝ち上がり、ベストナインが決定。8月3日の最終日は決勝戦が争われます。
 なお、本場ではたくさんのイベント、ファンサービスが予定されております。まずは開催を通して先着1,000名様にオリジナルうちわをプレゼント。また、バンク内ビアガーデン、縁日、レース予想会、選手トークショーが行われます。さらに、8月3日(土)最終日は箭内道彦氏をはじめとしたアーティストによる「スペシャルアコースティックライブ!」や、「獣電戦隊キョウリュウジャーショー」が行われます。こちらもどうぞお楽しみに。
開会式で敢闘宣言をする新田選手
開会式で敢闘宣言をする新田選手
大会を盛り上げる市立錦小学校吹奏楽部
大会を盛り上げる市立錦小学校吹奏楽部
場内を沸かすサンバカーニバル
場内を沸かすサンバカーニバル
バンク内でレースを楽しむ
バンク内でレースを楽しむ
ビール片手にレース観戦
ビール片手にレース観戦
<1R>
坂本健太郎選手
坂本健太郎選手
 オープニングは兄弟愛を受けて兄の坂本健太郎(写真)が1着で決勝一番乗り。レースはホームから坂本亮馬がカマして後続をぶっ千切ると、最後は番手の坂本健が早めに追い込んだ。
 「思い切って行ってくれたんで。後ろを見たら3人でぶっ千切ってたんで残せると思ったけどタレてきたんで。1着権利だから、小岩(大介)君と2、3着をやってしまう訳にはいかなかったんで踏ませてもらいました。今回は繰り上がりの出場で、さらに亮馬を引いて流れが来てますね」
 坂本亮馬は6着に敗れるも、力を出し切り満足げ。
 「藤木(裕)さんが押さえてきて、後閑(信一)さんも一回は動いてくるだろうから、そこが勝負所だと思ってました。後閑さんが踏んでいても勝負と思ってたし、千切れるだけ千切っておこうと。たとえ藤木さんが付いてきても仕方ないと思って思い切りいきました。最後はタレましたね」

<2R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
 佐藤友和(写真)が力の違いを見せ付けた。2レースはビッグ初出場の山田義彦が主導権。8番手に置かれた佐藤だったが、間合いをはかってスパートすると、上がり10秒8のハイラップでひとまくりした。
 「位置を取るレースがしたかったけど、8番手になってしまった。でも、脚と調子が良いんでカバーできました。でもミスはなくしていかないといけないね」
 中団3番手を取った中川誠一郎だったが、好展開を生かせず惜しくも2着に。
 「早めに行ってればよかったけど、直線が長いのを考えてたら…。(佐藤を)見てから仕掛けてしまった。思った通りの展開になったけど、(佐藤が)強かったですね」
 南修二もバックで外に持ち出して踏むも3着まで。
 「細切れだったから特に考えてなかったけど、(佐藤に)行かれましたね。自分のレースをしたけど力負けです」

<3R>
池田勇人選手
池田勇人選手
 好調の池田勇人(写真)がまくって快勝した。3レースは松坂洋平のペース駆けとなったが、7番手から池田が力に任せてこれを撃破。長塚智広とワンツーを決めた。
 「藤田さんが斬って、さらに松坂さんが踏んで行ってしまったんでヤバいと思いましたね。仕掛けのタイミングも悪かったし。ワンツーが決まったけど、内容が全然良くない。ラインが3人なんで先行したかったんですけどね」
 小林則之は3番手から反撃するも、思ったほど車が伸びず3着に。
 「(松坂は)駆け方がうまいね。1コーナー、2コーナーと掛かってない感じだったんで、被ってしまうといけないから一か八か出たけど、合ってしまいました」

<4R>
岡田征陽選手
岡田征陽選手
 逃げた松岡篤哉と中団から出た松川高大で折り重なったところを、平原康多がまくりを決める。最後は岡田征陽(写真)が追い込んで1着を手にした。
 「行ってくれた平原君のおかげですね。最後はちょっと抜き過ぎたかなと思うけど、1着権利だからね」
 平原康多は3着で決勝行きならずも、「ライン3人で決まったんで悔いはないです」と話す。「あれはちょっと無理かと思ったけど。楽そうに見えたかもしれないけど脚は一杯でした。レースとして形にはなってるけど、まだまだですね。でも、まくれたのはよかった」

<5R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 脇本雄太の番手に小埜正義が粘る展開に。すると、すかさず山崎芳仁がカマして主導権。叩かれた脇本雄太(写真)だったが、落ち着いて3番手を確保すると、バックまくりを決めて快勝した。
 「山崎さんが来たけど、間に合わないと思ったんで慌てて3番手に入りました。大槻(寛徳)さんが締め込んできたんでキツかったですね。でも何とかいけました」
 山崎芳仁は直線で力尽きて7着に沈む。
 「(小埜が)粘った感じがしたんで、もうそこしかないと思って思い切っていきました。ちょっと直線が長かったですね」

<6R>
成田和也選手
成田和也選手
 逃げた原田研太朗とまくった金子貴志で激しい力勝負となった。両者の攻防は2センター過ぎまでもつれたが、原田の番手を奪った芦澤大輔のけん制で金子が力尽きると、最後は成田和也(写真)が中のコースを鋭く突き抜けた。
 「原田君は掛かってたし、芦澤君がけん制してたんでキツかったと思う。金子さんは当たりながらも行ってしまう感じだったんで見てたけど、あれ以上待つとコースがなくなってしまうんで踏ませてもらいました。顔見せで地元のファンが応援してくれたけど、僕は余裕がなかったですね」
 原田研太朗はゴール前で粘りを発揮するも、成田に交わされ2着に。
 「2分戦ですし、金子さんしか見てなかった。後ろの競りは先行屋として嬉しいですね。2着と1着では差が大きいけど、とりあえず力を出し切れたんでよかった」
 芦澤大輔は4着に敗れ、「まずは番手を取り切るのが仕事ですから。原田君が強かった」と話す。

<7R>
松岡健介選手
松岡健介選手
 自力型3人並んだ近畿勢。先頭の山田久徳がジャンからフカして主導権を握ると、上原龍の反撃に合わせて水谷好宏が番手まくりを敢行。最後は3番手で脚を溜めた松岡健介(写真)が追い込んで1着を手にした。
 「あれだけ(山田が)踏んでくれたら(後ろから)来られないよね。まさかあんなに早く行ってくれるとは思ってなかった。8番(上原龍)が外にはずしてるのが見えて、そこから見えなくなったけど、水谷がうまく出てくれた。僕が万全でない分、前2人のおかげです」
 上原のまくりに乗り、牛山貴広がしぶとく迫るが2着まで。
 「上原君はいつも頑張ってくれるし、今回も行ってくれたんでチャンスが出ましたね。最後はコースが見えたんで1着かと思ったけど。上原君が出切ってくれたら2人でワンツーでしたね」

<8R>
深谷知広選手
深谷知広選手
 川村晃司が完全なるペース駆けで主導権を握る。バックから竹内雄作がまくってきたが、川村に合わされ2センターで万事休す。これで前団で勝負ありと思われたが、竹内の後ろから深谷知広(写真)が車を外に持ち出し、直線で大外を急襲。一瞬にして1着をさらった。
 「昨日よりは体調は良かったですね。前検日、今日(初日)とアップをして修正できたし、上積んでいければ。戦える状態にあると思います。ただ、自力ではなかったんでレース勘がまだちょっと不安ですね」
 川村晃司は惜しくも2着になったものの、敗れて強しを印象付けた。
 「自分のタイミングで仕掛けられたし、踏み直す所はしっかり踏み直していけたんで。それで行かれたんだから仕方ないです」
 松谷秀幸は初のビッグ戦で3着確定板入り。健闘したと言っていいだろう。
 「ジャンで少し踏み過ぎましたね。3番手に入ったけど脚が溜まらなかったし、バックで出られなかった。でも、あの位置は決めていたし、動いて位置を取りに行ったんで納得してます」

<9R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 最終9レースはジャンで先頭に出た村上義弘(写真)が、そのままペース駆けに持ち込み、逃げ切り勝ちを収めた。
 「うまく踏めてましたね。自分の持ち味の一つとして、どんなときでも消極的な走りはしないってことができたし、うまく状況を判断をしながら踏めたと思います。ただ最後は脚が一杯でした。新しいフレームで結果が出たし、脚以上に車が進んでました。これからが楽しみですね」
 中近ラインの3番手を追った合志正臣が直線でしぶとく伸びてきたが、惜しくも2着まで。
 「スタートで初手の位置を決めようと思った。鈴木(謙太郎)君か村上さんのどちらか前受けしない方に行こうと思ってました。理想の流れになったけど、最後にコースを迷ってしまった分、伸びなかったですね」
 鈴木謙太郎はバックからまくり出たが、吉村の横までが精一杯。
 「行こうと思ったときに前がフワッてなって。そこから無理矢理仕掛けたから伸びなかった」
 山賀雅仁は後方不発に終わり、「ダメでも一か八か仕掛ければよかったですね。力不足でした」と悔やむ。
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