『第14回サマーナイトフェスティバル(GII)レポート』 初日編

配信日:7月15日

 「第14回サマーナイトフェスティバル(GII)」が14日に開幕した。ガールズケイリンフェスティバル2018の予選1では、梶田舞、小林優香、山原さくらの3名が勝利。初日のメーン12Rは、単騎の三谷竜生がまくりを決めて快勝し、準決勝に弾みを付けた。2日目はガールズが予選2、サマーナイトフェスティバルは準決勝の3個レースで決勝進出を争う。
 2日目も三味線ロックユニット・KUNI-KENによる演奏や、滝澤正光氏と後閑信一氏による名輪会トークショーなど、様々なイベントが予定されています。ぜひ、松戸競輪場へご来場ください。

敢闘宣言をする和田健太郎選手、石井貴子選手
敢闘宣言をする和田健太郎選手、石井貴子選手
マジシャンSACHI マジックショー
マジシャンSACHI マジックショー
双人変面ショー
双人変面ショー
吉川春奈 モノマネショー
吉川春奈 モノマネショー

<1R>

梶田舞選手
梶田舞選手
 スタートで2番手に位置した梅川風子が打鐘前で児玉碧衣の上昇に合わせて動く。そこを児玉が叩いて先行態勢を取る。児玉の2番手に入った梅川が最終2コーナー前から仕掛けて強引にまくり切る。これに乗った小林莉子に絶好の展開になったが、最終バック6番手の位置から梶田舞(写真)が大外を豪快にまくって1着をさらった。
 「グランプリ以来、ビッグレースは初で、若い子が出てて羨ましいなと思っていました。絶体絶命だと思ったけど、2センターでちょっといけるかもと思った。前回からよくなっているし、自分や応援してくれるファンのために頑張りたい。1着で嬉しいし、2日目に向けても気持ちに余裕が出る」
 絶好の展開だった小林莉子は悔しい表情で気持ちを引き締める。
 「作戦的にはこうなる(児玉と梅川で踏み合う)と思っていました。前で駆けていた2人が強いですね。自分の展開になっただけに、悔しいですね。後ろから伸びてきた梶田さんが強かった。初日によくても2日目が勝負ですね」
 児玉をまくった梅川風子だが、直線で力尽きて3着に敗れた。
 「(児玉を)突っ張るつもりだったけど、その上をいかれてしまったので強いですね。調子は悪くないが、それ以上に碧衣ちゃんが強い」
 人気を集めた児玉碧衣は先行勝負で長い距離を踏んだが、4着まで沈んだ。
 「打鐘前からいくのはキツかった。梅川さんが踏んでて、先行争いにはなると思ったが。(梅川のまくりを)合わせきったと思ったけど…。出脚はよかったけど、後半にキープできていないので修正したい」

<2R>

小林優香選手
小林優香選手
 吉村早耶香が打鐘前から一気に仕掛けて主導権を握る。前受けの石井寛子は2番手に収まり、人気の小林優香(写真)は後方となって最終ホームを通過。1センターで3番手から長澤彩が仕掛けると、石井が合わせてまくる。2コーナーで空いた内をもぐり込んだ小林が、石井を追う形から鋭く追い込んだ。
 「内に入ってバックを踏んでしまった。一瞬の判断で迷ってしまいました。でもあの展開で1着になれたし、自信にはなりました。取手で走った以来のケイリン用フレームなので、ギアはスカスカする部分もあるけど、しっかり踏めていると思う。2日目以降も気を引き締めて走りたい」
 絶好の流れからまくった石井寛子2着に入った。
 「前を取ってからと思っていたので、自分が考えていたことはできました。顔見せの段階から軽く感じていたので、落ち着いて走れた。4コーナーからは夢を見たのか、体が固まったのか車の進みが悪かったです」
 鈴木美教は冷静な立ち回りから3着に食い込んだ。
 「組み立ては悪くなかったと思う。あそこで(小林が)内に来るんだって感じでした。外を踏まされたけど、余裕はありました」

<3R>

山原さくら選手
山原さくら選手
 青板過ぎから動いた山原さくら(写真)は、尾崎睦にフタをした後に、打鐘の2センターで中川諒子を押さえて先行勝負に出る。山原に続いた石井貴子までが前に出切ると、高木真備は中川と外併走が続く。その間も快調に逃げた山原は、バックから外を踏んだ石井も合わせると、そのまま力強く逃げ切った。
 「びっくりですね。3番車だったから前々だと思って、私なりにスタートは頑張りました。自分が前に出とけば、確定板を目指せるかなと思って。諒子さんに引いてもらえたのが、ペースで駆けられた要因ですね。貴子さんとは、4コーナーからの勝負だと思いました。調子はすごくいいですし、決勝に上がれるように頑張ります」
 最終バックで2番手から仕掛けた石井貴子は、山原をとらえられず2着。
 「まくりに行ったけど、まくれなかったですね。山原さんが強かったです。(周回中も)外から来られないようにと思って、自分も少しは脚を使っていたんですけど、山原さんは風を受けていたので。本当に強かったです」
 1周以上の外併走をたえた高木真備が、なんとか3着に入った。
 「前に出切れなかったのは反省点ですね。外にいくか内にいくか迷っていたら外併走になってしまった。(山原は)徐々に上がっていく感じで強かったです。自分自身は外で粘れているので、状態は悪くないですね。まだチャンスはあると思うので頑張りたいです」

<4R>

渡部哲男選手
渡部哲男選手
 赤板で田中晴基を押さえた太田竜馬に伊藤裕貴がすかさず襲いかかる。これを突っ張り切った太田がハイペースで駆ける。中団からまくり上げた田中は不発。番手絶好となった渡部哲男(写真)が粘る太田を鋭く差し切った。
 「太田君のおかげですね。(伊藤に)行かれるかと思ったけど、よく合わせてくれた。2周駆けたんで、しんどかったと思います。自分の感触としてはいまいち。でも、1着を取らせてもらって気持ちは前向きになる。少しずつ戻していきたい」
 逃げた太田竜馬は2着。赤板からレースを支配して、ラインを上位独占に導いた。
 「突っ張ってから余裕はなかったです。でも、感触的には悪くなかったですね。33は成績がいいんで」
 中団確保からまくった田中晴基は不発に終わった。
 「なんとなく考えていた展開にはなったんですけどね。途中、うまく流れてくれなかった。相手が強かっただけで、自分の調子はいいと思います」

<5R>

中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 青板2コーナーから山田久徳が上昇するが、合わせて3番手から踏んだ小原太樹が赤板ホームからピッチを上げる。そこをすかさず取鳥雄吾が踏み上げて打鐘過ぎから先頭に。桐山敬太郎の巻き返しに合わせて松浦悠士が番手まくりを打つが、中川誠一郎(写真)が大外を豪快にまくった。
 「小原君が行くのは7割ぐらい思ってたんで。取鳥君は叩けないんじゃと思って、松浦君が下りてくるのが嫌だったんでタイミングを取ってた。ホームで山田君を見てしまったのがダメですね。あそこで行けてればよかったけど、バック入れて無理やり外を行ったので。脚はいいけど、ちょっと伸びすぎて制御ができてない。セッティングなのか体なのか考えます」
 取鳥後位から番手まくりに出た松浦悠士が2着に。
 「後ろを見たときに桐山さんが見えたので。雄吾も出切るのに脚を使ってたし、今までの感じだともう持たないなと思って番手まくり行かせてもらった。ゴメンと思ったけど、何とか2着でよかった」
 井上昌己は惜しくも中川とワンツーならず。
 「誠一郎が外々行ってるから置いていかれた感じ。ドリフトしてるからキツいんじゃ?と思ったけど、それでもしっかり付いて行かないと。脚がないですね。しっかり練習して来たのになあ」

<6R>

古性優作選手
古性優作選手
 和田真久留にフタをした早坂秀悟は赤板ホームから先頭に立つ。中団を取った古性優作(写真)は和田の巻き返しをけん制しながらまくりに行くが2コーナーで内藤宣彦と接触しそうになる。これでスピードが鈍ったが、バックから佐藤慎太郎の内をすくうトリッキーな動きで直線抜け出した。
 「仕掛ける前に内藤さんと接触しそうになって減速してしまった。あそこ(佐藤の内)を行く気はなかったけど、体が反応した感じです。あの上をまくれたらラインで決まったと思うし脚がない。しっかりとあの上を行かないと。それが理想ですね。あの動きは最悪の場合に取っとかないと。あれでも外を踏めるようになりたい」
 古性に内をすくわれた佐藤慎太郎は2着の結果にも硬い表情。
 「秀悟がいいレースしてただけに情けない。感覚のズレですね。(後ろの動きを)目で見て確認しないとダメ。2日目からは後ろを見て。北の自力が少なかったから秀悟を残したかっただけに悔しいですね」
 3着に入った稲垣裕之だったが「やるべきことはできたと思うけど、古性君の動きにしっかりと対応しなければならなかった」と古性と連結を外したことを反省した。

<7R>

吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 青板の4コーナーから先頭に立った永井清史がそのまま主導権。打鐘から小川真太郎が巻き返すが番手の橋本強は連結を外してしまう。永井マークから単騎で出切った小川を追った吉田敏洋(写真)が直線抜け出し準決勝進出を決めた。
 「永井も苦しそうだったね。前に出るのがもう半周遅い予定だったし、出るのが早かった分、小川の巻き返しも早くなった。僕も判断が難しかったですね。でも永井がスピードに乗せてくれたおかげで小川に切り替えられた。永井のおかげですね。永井の頑張りを無駄にしないように。準決勝も気を引き締めて頑張りたいと思います」
 橋本や長島大介に次々と前に入られ7番手になってしまった近藤隆司だったが、バックから外を回して2着に食い込んだ。
 「残り1周で行けそうな感じはあったけど、見すぎましたね。見すぎてどうしようもない展開だったけど、最後はみんな脚を使ってたので伸びた感じ。2着だけど勝ち上がれたのは素直にうれしい。久々に発走前に(ビッグレース用の)ファンファーレを聞いた。戻って来たなという感じがしてうれしかったです」
 小川真太郎は4着で勝ち上がりを逃した。
 「出れたんでよかったです。あとは重かったし、どこまで粘れるかと思ったけど、吉田さんがみんな連れて来た。仕掛けられたんで動き自体は悪くない。まくれてるんでよかったです」

<8R>

飯野祐太選手
飯野祐太選手
 前受けの岩本俊介を石塚輪太郎が赤板前に押さえてハナに立ち、そのまま主導権を握る。下げた岩本と、上昇した飯野祐太(写真)で中団はもつれる。飯野が車を下げると、今度は和田圭が追い上げて4番手は再び併走。これを嫌って最終ホームで内を1車をすくった岩本だが、澤田義和との併走でコースを失う。後方で態勢を立て直した飯野が最終2コーナーから好回転でまくり切った。
 「山崎(芳仁)さんにセッティングとかを見てもらって、一番よかった時にすべてが戻った感じです。しばらく1着も取ってなかったし、うれしいですね。でも、ラインにはだいぶ迷惑をかけてしまいました。(準決勝も)しっかり力を出し切れるように頑張ります」
 和田圭の切り替えにより、飯野マークとなった齋藤登志信が前の仕掛けに続いて2着に入った。
 「前のおかげですね。3か4着くらいかと思いました。自分もチャンスがあれば行けるところまでくらいの気持ちはあったのでよかったです」
 絶好の番手回りとなった南修二は飯野を止められず3着まで。
 「飯野が見えなくてしくじりましたね。バックくらいでは2人(石塚と)で決まると思ったんですけど。甘くなかったです」

<9R>

竹内雄作選手
竹内雄作選手
 後ろ攻めから動いて誘導後位に入った宿口陽一が赤板前から誘導員を下ろすと、中団外併走から踏み上げた原田研太朗が最終ホームで先頭に。桑原大志をさばいて芦澤辰弘が原田に切り替えたが、ホーム7番手からまくり上げた竹内雄作(写真)が豪快に前団を飲み込んだ。
 「後ろからと思って(スタートで)けん制したけど前になった。ラインで決まってよかったです。自分にもう少し技量があればドカしてまくるなどできたと思う。踏んだ距離は短かったけど悪くない。準決勝はもっと長い距離を踏まないといけないですね」
 志智俊夫がきっちりと続いてワンツーを決めた。
 「頑張ったほうでしょ。組み立てはあれでよかったと思う。よくかかってましたよ。雄作はフォームが1ミリも崩れていなかった。自分はぐちゃぐちゃだったけど」
 3番手で続いた金子貴志は竹内の強さに舌を巻いた。
 「キツかったよ。(竹内の)スピードがすごくてついていくのに必死。最後ももう少し詰めたかったけど踏める感じではなかった。かなりいいタイムが出ているんじゃないですかね。付いて行けてよかった」

<10R>

園田匠選手
園田匠選手
 赤板ホーム前から誘導員を下ろした新山響平はすかさず巻き返してきた川村晃司を出させず主導権を握る。ホーム6番手からまくった松岡貴久は外を後退した川村のあおりで迂回させられ不発。4コーナー番手絶好で中村浩士が回ってきたが、松岡マークからバックで自力に転じた園田匠(写真)が中村、新山と横一線の1着争いを制した。
 「貴久も前のあおりがなければ、行けてたと思う。2着権利はわかっていたので仕掛けないとと思っていた。2着か3着かなと思ったけど、1着は上出来ですよ。前回(7月奈良FI)の準決で悔しい、恥ずかしい思いをしたので、脚より気持ちを修正してきた。サマーナイトは2連続で(決勝に)乗っているし相性がいい。33が3場所連続なのでアドバンテージもある」
 タイヤ差で2着の中村浩士は開口一番「すごい! すごい強い。ヤバいよ」と新山のダッシュを褒めちぎった。
 「新山の緊張感が伝わってきたし決めたかった。かかっていた。ダッシュは根田(空史)君と同等ですよ。タイムが楽しみですね。園田に抜かれたのは残念だが、2日目から気を引き締め直したい」
 新山響平はタイヤ差の3着で勝ち上がりを逃した。
 「(別線に)主導権を取られたくなかった。最後は脚がすごい一杯になりましたね。逃げ切りたかったし、悔しい」

<11R>

清水裕友選手
清水裕友選手
 中団の南潤が赤板前から一気に仕掛ける。前受けから合わせて踏み上げた菅田壱道は3番手に飛び付く。打鐘で南が少し緩めたところを清水裕友(写真)が叩いて主導権。前々に攻めていた菅田は最終ホームで内をすくって3番手の位置を南から奪う。軽快に風を切った清水がそのまま力強く逃げ切った。
 「不安しかなかったし、自分が一番びっくりしてます。中団に入れるかと思ったけど、菅田さんもさすがですね。残り半周はパコパコしてキツかったです。駆けた感触は悪くなかったです。1着なんでもう十分ですよ」
 菅田壱道は勢いある若手の機動型2人を相手に前々に攻めた。3番手からの追い込み勝負で2着に入った。
 「前は取りたくなかったんですけどね。南をさばいて、すぐ仕掛けられればよかったけどバックを入れながら内に入っていったんで。3コーナーで踏んでしまうと、(小倉竜二のブロックを)もらっちゃいますからね。あれが精いっぱい。なんとかしのげました」
 打鐘の2センターで菅田に内をすくわれた村上博幸は懸命のリカバリーで準決勝に辛くも勝ち上がった。
 「ああなってしまっては潤も僕もキツかった。内をすくわれたのは仕方ない。こういう展開もありますから。どんなレースにも対応できるように瞬発系の練習を増やしていたけど、このレースに関しては持久力の貯金で走れました。脚を使っての5番手だけど余裕はありました」

<12R>

三谷竜生選手
三谷竜生選手
 特選は青板前からレースが動く目まぐるしい展開となった。赤板ホームから鈴木竜士が先行態勢に入ると、打鐘前2コーナーから深谷知広が一気の巻き返し。浅井康太が離れるほどのスピードで前団をとらえたが、浅井をドカしながら1コーナーから踏んだ三谷竜生(写真)が追いつきざまに深谷をとらえた。
 「(周りが)ちゃんと力を出し切るレースをしてくれたので僕にもチャンスがあるかなって。浅井さんが遅れてたのでスッと切り替えられたらよかったんですけどね。最後は届くか届かないかくらいだったけど、何とか届いてよかったです。しっかりやることをやって1着が取れてるのでいいと思います」
 平原康多マークの木暮安由が直線外を鋭く伸びた。
 「道中も余裕があったので、要所、要所見きわめられたと思う。自転車も進んでるから、腰痛で前回一本欠場した甲斐がありました」
 三谷と仕掛けのタイミングが合ってしまった平原康多だったが、三谷に続く形で3着に。
 「位置はよかったけど、浅井が遅れてたのにからんでタイミングがずれた。本当は三谷のタイミングで行きたかったけど。無理やりだったし、三谷のとこで合っちゃった。でも出し切れたので」
 深谷知広はナショナルチームで鍛え上げたダッシュ力を遺憾なく発揮した。
 「やってることは出せたと思う。(久々の競輪用自転車は)改善点はあるけど、前よりはいいですね。しっかり回復して2日目も頑張りたい」