『第32回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)レポート』 3日目編

配信日:10月21日

 弥彦競輪場で開催されている「第32回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」は、10月21日に3日目が行われた。ファイナルのキップをかけて、準決では手に汗握るバトルが繰り広げられた。古性優作、和田健太郎がそれぞれ無傷の3連勝で優出。関東勢からは、地元の諸橋愛がただ一人、執念の決勝進出を果たした。いよいよシリーズも大詰め、10月22日の最終日は、今年3冠目を完全Vで目論む古性をはじめ、好メンバーによる決勝が行われる。
 今シリーズは最終日も、様々なイベントでみなさまのご来場お待ちしております。「Mr.シャチホコ」の爆笑ものまねライブ、プロ和太鼓集団の「鼓童」によるパフォーマンスショー、「競輪とオートレースの補助事業」の紹介ブース、オリジナルタオルを先着1000人にプレゼント、こども縁日などが予定されています。弥彦競輪場では、みなさまのご来場お待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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小原太樹選手
小原太樹選手
 前団に構えた南関勢は、青野将大が嘉永泰斗の上昇を阻んで突っ張る。青野がそのままペースをつくり、4番手で小原佑太と嘉永の併走で打鐘を迎える。中団のもつれをしり目に徐々に踏み上げた青野に、最終ホーム手前から嘉永が襲い掛かる。番手の小原太樹(写真)は、嘉永とスピードを合わせて再三のブロック。嘉永もこらえるが、2センターで後退。自力に転じた山崎芳仁もまくり追い込むが前が遠く、小原太がきっちりと抜け出した。
 「(青野は)師匠も付いてるし鈴木(裕)さんもいるんで、ガンガン行っちゃいますていう感じだった。青野もペースがうまかったし、あとは自分が嘉永君を止められればと。ただ、嘉永君はあのクラスで戦っている選手だから強かったですね。デシ(青野)の頑張りに尽きます。鈴木さんにはいつもお世話になっているんですけど、今日(3日目)は(デシの後ろを)主張させてもらいました。ラインのおかげです」
 嘉永マークの小岩大介は、嘉永の動きをギリギリまで見極める。嘉永が力尽きると、最終2センターから踏んで2着。
 「(嘉永は)中団で勝負して、いつもの調子だったらあそこからまくれたんだと思います。嘉永も脚があるんで、当たられても行けるかなと。ただ、小原(太)君も上手だった。最後はもう内に行かないと(自分の着が)ないなって。自分は脚がたまってたんでキツくなかった」

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松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
 阿竹智史、稲川翔の順番で切って、赤板2コーナー過ぎにすんなりと深谷知広が押さえて先頭に立つ。8番手になった菊池岳仁がすかさず巻き返すが、深谷もペースを上げて逃げる。深谷、菊池の踏み合いも、最終2コーナー手前で菊池はいっぱい。3番手の稲川はバックでも仕掛けない。2センターから踏み込んだ稲川をけん制しながら追い込んだ松谷秀幸(写真)が1着。
 「稲川君に切らせて、そのあと行って深谷君は落ち着いていましたね。(打鐘の)4コーナーくらいからグググッて踏んでいって、そのあと菊池君が来たんですけど、もっていったら稲川君が入ってくると。それでそのままにしておきました。あとは真後ろが稲川君だから仕掛けてきたら踏み込もうと。深谷君が完ぺきなレースをしてくれたおかげで恵まれました」
 稲川後位の4番手にいた東口善朋は、稲川が踏んだコースとは反対の深谷と松谷の間を踏んで2着。
 「しっかり位置を取ってくれた(稲川)翔のおかげ。最後は僕のコースも空けてくれたし助かりました。深谷君がうまく駆けていたんで、(最終)バックでも掛かっていく感じがあった。あそこまで届くとは思わなかったです。僕自身はもうひとつ体がピリッとしなくて、今開催は難しい形になりました」

<8R>

岩津裕介選手
岩津裕介選手
 後方から上昇した太田海也が赤板でダッシュを利かせると、前受けの松井宏佑も合わせて踏み込む。太田が出切り岩津裕介(写真)が続くが、渡部哲男が遅れて3番手に松井が飛び付く。4番手で根田空史と渡部が併走で打鐘。8番手から巻き返した小林泰正に反応して、太田がペースを上げて駆ける。合わされて3番手に降りた小林を松井がさばく。逃げる太田の番手で流れが向いた岩津が、別線との間合いを計って追い込んだ。
 「(周回中は)中団からで、(太田が)先行できたら理想的でしたけど。フタとかされてゴチャゴチャして、松井君に先行されたらしんどいなって。それでシンプルに(後ろから組み立てた)。あとは(太田のダッシュに)集中していました。残り1周くらいで(渡部)哲男さんが(後ろに)いないのがわかって、これはマズいなと。(太田)海也の先行だったら、(ラインが)3人いたらまずは決まるかなっていうのがあったんですけど。松井君も早めに外を踏むんで難しかったですね」
 前受けから3番手奪取の松井宏佑は、巻き返した同期の小林とのポジション争いも制して2着。
 「太田君の動きを見ながらでした。太田君はダッシュがあるんで、踏み遅れないようにと。合ったところで勝負と思ってたんで、渡部さんにはすみませんって感じでした。太田君が出切ってからは、流している感じもあった。小林君も脚があるんで仕掛けてきた。僕は(3番手を)取られないようにと思ってたんで、取り切れて良かった。ただ、前との車間の取り方とかは、まだヘタクソですね」

<10R>

古性優作選手
古性優作選手
 北日本勢が前団に構えて、1番車の古性優作(写真)は抜かりなく4番手を確保する。赤板過ぎに誘導を交わした新山響平に、松本貴治が後方から迫る。引きつけた新山は、冷静に2コーナーから踏み上げる。合わされ佐藤慎太郎にけん制された松本は、3番手付近の外で我慢して最終周回。成田和也にさばかれた松本は後退。4番手が単独になった古性は、3コーナーから踏み込む。まくり気味に追い込んだ古性が、北日本勢をとらえて3連勝のゴール。
 「(周回中の4番手は)理想通りの場所が取れた。新山君がすごいピッチで走ってたんでシビレました。(浮いた松本が)1車になってたんで、引いていくか、難しい判断でした。引いたところを単騎勢に行かれても嫌だった。力を出し切ったとは言えないですね。理想を言ったらもっと早めに仕掛けていきたかった」
 単騎の岩本俊介のまくりにかぶった南修二は、慌てることなく岩本をいなして古性に流れ込んだ。
 「(古性に)全部任せていた感じです。とりあえず僕は追走に集中したいなと。あとは(古性)優作が絶対に仕掛けるので、連結を外さないように。(外に岩本俊介がいて)そこはうまく回避できた。(感じは)いいですし、ひところよりも、だいぶ戦えるのかなって思います」
 新山はいつものスタイルで突っ張り先行策。番手から追い込んだ佐藤慎太郎は、大阪の2人には屈したが3着。5月日本選手権、6月高松宮記念杯に次いで、今年3度目のGIファイナル入りを遂げた。
 「(新山)響平はいいペースでいってた。(最終)3コーナーで後ろを確認した時に、古性の仕掛けが見えなかった。響平と一緒に(決勝に)乗れるかと思ったけど、古性、南が強かった。(古性が来たのは)直線だったし、けん制できなかった。そこは古性の判断の良さがあった。響平も掛かってたんで、相手が古性じゃなければ(決勝に)乗れていたと思う。勝ち上がりは巡り合わせもあるんでね。(自分の感じは)いいと思います」

<11R>

和田健太郎選手
和田健太郎選手
 郡司浩平が切ったところを、眞杉匠が押さえて主導権。三谷竜生が5番手に追い上げて打鐘を迎える。3コーナーから三谷が踏み込むが、眞杉も踏み上げる。三谷は郡司から3番手を奪い、4番手に郡司が収まる。8番手の渡邉一成は、最終ホーム手前から反撃に出る。渡邉のスピードが良く、バックで逃げる眞杉をとらえる。諸橋愛は番手に切り替え、守澤太志を張る。その後ろで郡司、三谷がからんで、空いたコースを和田健太郎(写真)が突く。直線で守澤に接触した和田だったが、1人だけ違う“脚色”で突き抜けた。
 「(三谷が追い上げて来て、そこが)勝負どころでした。あそこを取り切っていれば(郡司)浩平はまくれたんじゃないかと思う。けど、落車もしそうになっていて、僕はそこを迎え入れた。浩平が仕掛けてくれなければチャンスはないし、浩平の行かないコースを行こうと思った。デキがいいわけではないけど、ここまできて悪いというとほかの選手に失礼。ただ、その実感はないので、さらに実感があればいいんですけど」
 眞杉が先行策に出て風を切る。しかしながら、最終バックで渡邉にのみ込まれ、諸橋愛は番手にスイッチ。守澤に一度は前に出られたが、意地でさばいて直線でも伸びた。
 「(渡邉は)止められなかったですね。気づいたら横に来ていた。(最終)ホームくらいなら出させてもいいかと思ったけど、バックで横に並んでいたので切り替えることを頭に入れた。前回よりはいいですね。(声援もあり)地元で力が出るおかげもある。今年はここに照準を合わせてきて、(全参加選手)108人のなかで一番準備した感じで挑んだ。それで結果が出るか、出ないかですけど、いい方に出た」
 最終バックは9番手。単騎の河端朋之は、3コーナーからまくり追い込んで3着。GIデビューから10年が経ち、ようやく初めての大舞台のキップをつかみ取った。
 「今日(3日目)はどのラインよりもプレッシャーがなく、脚をためてのびのびと走れた。(初のGI決勝で)やっと乗れたというところ。(決勝に)上がれたからには頑張りたい。今日は下手に付いていくよりは、最後のラインに付いていければでした。けど、(渡邉)一成さんのところで付いていけないのが失敗。そこで3番手に付いて、まくれたら1着までいけたかも。臨機応変な対応はできなかった。踏んだ距離が短くて、そこのスピードは出せた」

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小松崎大地選手
小松崎大地選手
 雨谷一樹が打鐘で切って出て、そこを犬伏湧也が仕掛ける。雨谷もダッシュを利かせて抵抗するが、犬伏が主導権を奪って最終周回へ。松浦悠士は雨谷にからまれ、その後ろには寺崎浩平。平原康多は車間が空いた5番手。3車の北日本勢は、後方に置かれる。寺崎が2コーナーからまくって出て、後方の小松崎大地(写真)も仕掛ける。松浦は番手死守も脚力を消耗。寺崎を合わせた犬伏を、まくった小松崎がゴール前でとらえて1着。寬仁親王牌4度目の優出を果たした。
 「(スタートけん制になったが)勝つパターンが、すごく少ないと思ってたので、そこはこだわりました。だいたい考えていた通りにはなったので、あとは持ち味を発揮するだけだった。(犬伏後位でからんだ)雨谷君の動きも想定してましたし、やらないなら自分がやってただろうと。全員が消耗戦になったので、あとは気持ちの勝負だと思いました」
 渡部幸訓は、付けた小松崎を4分の1輪差まで詰めてのゴール。GI初ファイナルをつかんだ。
 「自分は赤板過ぎから、前団がどうなっているのかわからなかった。あとは(小松崎)大地さんの動き出しに離れないようにっていうことにだけ集中した。大地さんの掛かりは良かったんですけど、前団がかなり遠く見えた。自分は届くかどうか半信半疑で付いていた。ただ、大地さんがずっとゴール前まで伸びてくれたので、自分もそれに離れず付いていけばチャンスあるかなと。(GIは)初決勝です。ラインの力はもちろんなんですけども。ようやく乗れたんでうれしいですね」
 ダッシュ強烈な雨谷を叩き切った犬伏湧也は、寺崎のまくりも封じて3着に粘り込んだ。2車のラインでも臆することなく、持ち前のパワーを存分に発揮。
 「ちょっと打鐘のところで激しい切り合いになったので、そこで体力消耗した。出切ってからは(別線に)来られないようなスピードを維持しながらゴール前まで粘れたらいいなと。(今シリーズは手応えは)後ろに差されているので、なんとも言えないところはある。けど、最低限の着で決勝に上がれているんで、そこはプラスにとらえてもいいかなと思います」