第17回寛仁親王牌が前橋競輪場で開催される。山崎芳仁、小嶋敬二の2強対決を中心に動いてきたタイトル戦線だが、先の高松宮記念杯で関東勢から4人が決勝戦に進出しており、今回も勢いに乗る地元勢の活躍が期待できる。 |
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勢いに乗る関東勢が上位独占を狙う! |
武田と平原がの牽引役となり、関東勢を盛り上げる |
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武田豊樹が見事に復活を果たした。4月の一宮協賛競輪で完全優勝を飾ると、5月・全日本プロ選手権記念競輪のスーパープロピストレーサー賞を昨年に続いて連覇している。4月・高知記念、5月の平塚記念と宇都宮記念でも順調に優出しており、勝率も5割に届きそうな勢いだ。
そして迎えた高松宮記念杯では、誰もが早めの仕掛けをためらう500バンクで連日の先行策で勝ち上がり、06年のオールスター以来のGI 優出を決めている。決勝戦では最終バックを3番手で通過、あまりにも展開が良過ぎたためか仕掛け遅れて絶好のチャンスを逃してしまったが、今回も積極的に攻めていけば悲願のGI 制覇が現実のものとなるだろう。
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武田豊樹(茨城・88期) |
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平原康多も4月からギアを4回転にチェンジしてますますパワーアップしてきており、初タイトルに手が届く位置にいる。4月・ふるさとダービー弥彦の決勝戦で山崎芳仁、小嶋敬二の2強を相手に主導権を取り切って2着に粘り込んだのは記憶に新しいが、高松宮記念杯の決勝戦でも意表を付いた先行策に出て、自身は9着に沈んだものの、元祖4回転である山崎を苦しめている。
今回は小回りバンクが舞台なので4回転の選手には苦しい展開も予想されるが、平原は高松宮記念杯の二次予選のように4回転でも厳しく中団を取りにいくレースを心がけており、今回も山崎とは違った4回転の走りと強さを見せてくれそうだ。
そして今回も武田と平原がラインを引っ張っていけば、高松宮記念杯に続いての地元・関東勢の大躍進が期待できるだろう。 |
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平原康多(埼玉・87期) |
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小嶋敬二が先行勝負で連覇を目指す! |
ダッシュ鋭い中川誠一郎のカマシが侮れない |
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稲垣裕之は全日本プロ選手権自転車競技大会の1000mタイムトライアルで優勝して日本競輪選手会理事長杯からスタートの権利を獲得したが、競輪の方も好調だ。
今年はFI戦で3度の優勝があり、3場所とも逃げ切りで優勝している。高松宮記念杯でも優出こそならなかったが、義弘と博幸の村上兄弟を連れて3日間逃げまくっており、今回も初日から徹底的に逃げてくるだろう。
その稲垣を目標に高松宮記念杯で気迫溢れた走りを見せてくれたのが村上義弘だ。初日選抜では番手に追い上げてきた本職の大塚健一郎に競り勝ち、捲ってきた紫原政文を巧みに牽制、稲垣をきっちり差し切って1着と地元ファンを大いに沸かせた。本来の持ち味の先行・捲りの威力も戻ってきており、今回も村上と稲垣の京都コンビの入魂の走りに注目したい。 |
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稲垣裕之(京都・86期) |
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九州勢では中川誠一郎がスピードの切れ味を取り戻してきている。高松宮記念杯では二次予選で敗れたが、一次予選と4日目選抜に捲りで2勝を挙げ、3日目特選では先行して池尻浩一と加倉正義の九州ワンツーに貢献している。
組み立てを誤って力を出し切れずに終わるレースも少なくなく、安定した成績を維持できないのが一番の課題となっているが、持ち味のダッシュの鋭さは天下一品で、高速バンクの前橋で得意のカマシが決まれば上位への勝ち上がりが十分に狙える。 |
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中川誠一郎(熊本・85期) |
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荒井崇博の捲りも魅力的だ。高松宮記念杯では準決勝で惜しくも4着と敗れたが、4日目特別優秀では加倉正義としっかり九州ワンツーを決めている。4月・武雄で悲願の地元記念優勝を達成の全プロ記念で落車した影響が残っていたようだが、今回までには立て直してくるだろう。
昨年の大会では準決勝で山崎芳仁を相手に捲って1着と前橋バンクとの相性も良く、今回もスピード抜群の捲りで優出が期待できる。 |
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山崎芳仁は高松宮記念杯では連日の巻き返しがいつもよりやや遅めで、決勝も遠く離れた8番手になってしまい3着に終わっている。準決勝も7番手からの捲りで2着だったが、上がり13秒1の好タイムをマークしており、4回転パワーは相変わらず驚異的だ。
今回は小回りバンクが舞台で、昨年の大会では優出を逃しているが、王者の名に賭けて同じ過ちは繰り返さないはずで、必ずや早め早めの巻き返しを図ってくるだろう。 |
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山崎芳仁(福島・88期) |
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小嶋敬二の巻き返しも必至だ。高松宮記念杯では準決勝で敗れたが、4日目特選では2着に9車身の差をつけて圧
勝しており体調面での不安はまったくない。
昨年の決勝は永井清史という好目標を得ての優勝だったが、山崎とは対照的に常に仕掛けが早めの小嶋は短走路も得意にしており、昨年も連日の先行策で勝ち上がっている。今年39歳を迎える小嶋だが、今回も最終バックを先頭で突っ走る積極的な走りで連覇を狙ってくるだろう。 |
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若手自力型が積極的な仕掛けで大会を盛り上げる |
新田祐大が連日の主導権取りに意欲を燃やす |
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寛仁親王牌は全日本プロ自転車競技大会が事実上の選手選考会になっているので、他のGI より若手自力型の出場が多いのが特徴だ。この大会でGI 初出場という選手も少なくなく、若手にとっては全国区に名を売る登竜門の色合いが濃いため、若手自力型の積極的な走りも見どころのひとつになっている。
先の高松宮記念杯では500バンクということもあって、若手が仕掛けどころを誤って力を出し切れずに終わっているレースが目立っていたが、今回は小回りの前橋バンクが舞台なので若手が思い切りのいい仕掛けで活躍してくれることだろう。
とくに新田祐大は4月の前橋FIで逃げ切って今年4回目の優勝を飾るなど近況は上り調子で、走るたびに強くなるという印象だ。高松宮記念杯では上位への勝ち上がりが期待されていたが、一次予選で内に詰まってまさかの敗退となっている。
その反省も込めて残り3走では、連絡みこそなかったがしっかりと主導権を取り切っており、今回も初日から主導権取りに意欲を見せてくるだろうし、相性の良い前橋バンクで今度こそ上位への勝ち上がりが期待できる。 |
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新田祐大(福島・90期) |
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兵庫・87期の松岡健介は昨年の寛仁親王牌がGI 初出場で、今回が2回目のGI 出走となる。
松岡は05年12月にS級に特昇してからは自在戦をメインに戦っておりバック回数はそれほど多くなかったが、近況のFI戦では先行・逃げ切りで順調に勝ち星を重ねており、見違えるように積極性が増してきている。
昨年の大会では一次予選で敗れはしたものの、3日間主導権を取り切って2度連絡みを果たしており、全国に松岡の名をアピールするのに成功している。今回も1年ぶりの晴れの舞台で好走してくれることだろう。 |
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松岡健介(兵庫・87期) |
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今回がGI 初出場になる91期の石川雅望、篠原忍、柴崎淳らの走りにも注目したい。とくに石川と篠原の群馬コンビは地元戦だけに連日気合いたっぷりの走りを見せてくれるはずだ。 |
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