『第23回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)レポート』 初日編

配信日:7月18日
 第23回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(G1)が今日18日から開幕した。オープニングレースからG1に相応しいハイレベルな戦いの連続だった。明日は「ローズカップ」をメーンに、二次予選A、Bの計6個レースで準決勝への勝ち上がりを争う。
 明日2日目も場内イベントは盛りだくさん。中村アンさん、三又又三さんのトークショーをはじめ、 Negiccoライブステージ、ガールズケイリンの藤原亜衣里選手、上原七衣選手のトークショー&撮影会などが予定されています。ぜひ、弥彦競輪場でお楽しみください。
諸橋 愛 選手による敢闘宣言
諸橋 愛 選手による敢闘宣言
柏原芳恵 ライブステージ
柏原芳恵 ライブステージ

ガールズケイリン選手トークショー&撮影会
ガールズケイリン選手トークショー&撮影会
日替わりゲストを招いてトークショー
日替わりゲストを招いてトークショー

日本競輪選手会理事長杯 ゴール
日本競輪選手会理事長杯 ゴール
日本競輪選手会理事長杯 表彰式
日本競輪選手会理事長杯 表彰式
<1R>
園田匠選手
園田匠選手
 オープニングレースを制したのは吉本卓仁だ。先制した河端朋之の3番手を確保すると最終2コーナーから鮮やかにまくって快勝した。
 「初手でいい位置が取れたのが大きかったですね。周りの動きを見ながら落ち着いて走れました。前が緩んだところで仕掛けられたし、三宅さんのところは乗り越えられると思いました。状態はいいですね。2次予選からが勝負です」
 園田匠(写真)は三宅にからまれながらも懸命に吉本を追って2着をキープした。
 「内を締めていたときに口が空いてしまった。でも、しっかり付け直せたし、練習の成果は出たと思います。最後は抜きたかったけど(吉本)卓仁が強かった」

<2R>
合志正臣選手
合志正臣選手
 後方に置かれた西日本勢だったが、ホームから中途半端に木暮安由が動いたことでチャンス到来。松川高大がまくり切ると、番手の合志正臣(写真)が鋭く抜け出した。
 「恵まれました。松川も行く気だったけど、ちょうど木暮が行ってくれて助かった。抜けてるけど、松川もキツいところを行ってるんでね。(調子は)よくはないですね」
 結果ワンツーの松川高大だが、レース内容を反省する。
 「人をアテにしたのがまずかった。行かなきゃと思ったときに木暮さんが行ってくれたんで。調子というより、もう少し上手く走らないと明日から厳しい。しっかり頑張ります」
 木暮安由は狭いコースを突っ込んで何とか3着に食い込んだ。
 「動きが中途半端でしたね。松川を引き出す感じになってしまった。最後は意地で行ったけど、いつもなら落ちてるでしょ。そこをプラスに考えます」

<3R>
野田源一選手
野田源一選手
 藤田竜矢が打鐘過ぎから先行。3番手の絶好ポジションをキープした野田源一(写真)が最終2コーナーからの先まくりで混戦を断ち切った。
 「中村(一将)さんを後ろに置いて先に仕掛けようと思っていた。3番手を取れたのが大きかったですね。かぶる前に踏んでいけたし、感じも良かったです。去年、ここを走ったときは散々な成績だったし、結果が出てうれしい」
 藤田の逃げを利した宗景祐樹が2着に食い込んだ。
 「藤田君が打鐘から行ってくれましたからね。けっこうかかっていたし、久しぶりに番手で苦しかった。野田君のスピードも良かった。最後は4番(守澤太志)にすくわれて余裕がなかった。とりあえず勝ち上がれて良かったです。藤田君のおかげですね」

<4R>
大西祐選手
大西祐選手
 打鐘の4コーナーから大西祐が一気に巻き返すと、バックで神奈川コンビを豪快に飲み込む。この動きにしっかり続いた渡部哲男が好展開を逃さず快勝した。
 「中団から緩んだところを行こうって作戦だったけど、大西も脚に自信があったみたいですね。僕はタイミングが取れなくてちょっと離れました。G1の勝ち上がりで1着は記憶にない。よかったですね」
 四国3番手を回った室井健一が2着に突っ込んだ。
 「9番手は怖いけど、大西が練習みたいな感じで行ってくれたから。今日はまだ体がサラだから余裕があった。明日はエライかもしれないですね」
 大西祐(写真)は3着で2次予選Bに回ることになったが、ラインで上位独占の結果に満足げ。
 「昨日、大口を叩いてたしよかった。条件がそろってたし、欲を言えば2着だけどワンツースリーが決まったので。今日は後ろに貢献できたし、すごい冷静に走れました」

<5R>
飯嶋則之選手
飯嶋則之選手
 後ろ攻めの郡司浩平が中団の近畿勢にフタをして打鐘前からスパート。飯嶋則之(写真)が番手で好援護しながら鋭く追い込んだ。
 「郡司君のおかげ。一応、動いたけど郡司君がタレていないから勝手に角(令央奈)君が止まった感じですね。俺はツキバテしました」
 ライン3番手を回った齊藤努がしぶとく2着に流れ込んだ。
 「前2人のおかげ。今年に入ってから成績を見ての通り悪いけど、それは全て自分の責任ですから。でも、今日は思った以上に踏めていたので楽しみですね」
 郡司浩平は力強い先行策でラインを上位独占に導いた。
 「後ろ攻めになったし、近畿にフタをして出させないようにしようと。出てしまえば何とかなると思ってました。飯嶋さんが後ろですごいやってくれているのは見えていました。踏む距離が長くて最後はいっぱいでしたね。でも、バンクは軽かったし、脚の状態はいいです」

<6R>
小松崎大地選手
小松崎大地選手
 福井コンビの動きを受けた小松崎大地がホームから早めの巻き返し。うまく坂本亮馬をけん制しながら、小松崎に続いた菊地圭尚が1カ月ぶりの実戦を白星で飾った。
 「するべきことをしただけ。あとは大地について行けば結果が出るかなと思ってた。正直、1カ月空いた不安はあるけど、今日は大地を信頼して。走った感じもよかったです」
 まくった小松崎大地(写真)は2着に粘った。
 「意外と落ち着いて走れましたね。でも圭尚さんのおかげです。思い切り振ってくれたんで。感じは悪くないと思います」
 伊原克彦の番手から北日本2車を追った渡辺航平が3着に入った。
 「奇跡やな(笑)。言い訳にはしたくなかったけど、地元記念の準備とかで練習時間が取れないなかだったから。僕にもっと余裕があればね。今日は後輩のおかげ。まさか勝ち上がれるとは思わなかったです」

<7R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
 三谷竜生が打鐘過ぎに吉田茂生を叩いて主導権。後方で態勢を整えた石丸寛之(写真)が最終2コーナーから豪快にまくって圧勝した。
 「飯野君があのまま行ったら厳しかったかもしれないけど、3番手に降りてくれたので。あれでスピードが落ちて自分にとってはいい展開になった。落車があってびっくりしたけど、余裕はありました。飯野を越えた辺りでもう大丈夫かなと。ここに向けて納得のいく練習ができたし、結果を出せてよかったです」
 まくられた三谷竜生だが、後続のもつれにも助けられて2着に踏ん張った。
 「もう少し踏み合いになると思ったけど、すんなり出れたので、自分のペースで踏みました。あとはどれだけ残れるか。きつかったけど2着に残れてよかった。とりあえず勝ち上がれたので明日もしっかり頑張ります」

<8R>
柏野智典選手
柏野智典選手
 ホームからドンピシャのタイミングで松岡篤哉が叩くと芦澤大輔のまくりは山口富生の外で止まる。山口が番手から抜け出すが、8番手からバックまくりを打った黒田淳が大外を一気。続いた柏野智典(写真)が鋭く伸びた。
 「(黒田は)3コーナーで合った感じがしたので、どこに切り込もうかと思ったけど、2センターから飲み込む感じがあったので出番はあるなと思ってた。最近は3車、4車前が見れるようになったし、その辺がだいぶ楽になった。黒田とは相性がいいですね。僕は追い込みだから、ひとつでも上で走りたかったので勝ててよかったです」
 まくった黒田淳はG1初出場で1次予選を突破した。
 「ホームで松岡さんにスイッチしようか悩んだけど見てしまった。そこは反省点ですね。芦澤さんとタイミングが合って、そこを乗り越えられるかが勝負だったけど、乗り越えられたので悪くない。僕はG1初なんで力を出し切るだけ。柏野さんに迷惑かけないでよかったです」
 3着の山口富生だが、松岡が落車してしまい表情は硬い。
 「(坂本貴史が)駆けてるところを強引に行ったし、篤哉が強かった。芦澤は振ったら止まったけど、その外を来た2人は仕方ない。後ろから食われなくてよかったです。ただ落車があったんで素直には喜べないですね」

<9R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 北津留翼と高橋陽介が打鐘から踏み合って前団がもつれたところを吉田敏洋が一気のカマシ。これに乗った志智俊夫が直線でシャープに伸びた。
 「吉田君はかなりきつかったと思うけど、いいタイミングでいってくれた。離れないで付いていけてよかった。吉田君のおかげですね」
 2着入線の荒井崇博は内側追い抜きで失格。逃げた吉田敏洋(写真)が繰り上がった。
 「後ろに荒井さんを付けている北津留君が何かしてくれるだろうし、それに期待していた。いいタイミングで仕掛けられたけど、風が急に強くなってきつかったですね。1、2コーナーが向う感じで、そこからスピードに乗せられなかった。最後はバタバタでした」
 北津留翼に突っ張られた高橋陽介は態勢を立て直して初日をクリアした。
 「突っ張られないように踏んでいったつもりだったんですけどね。吉田さんのカマシを追って行ければよかったけど、荒井さんに張られて行けなかった。でも、脚には余裕があったし、やっぱり調子はいいですね。内容はいまいちでしたが、ツキがあったと思います。特別で勝ち上がれたのは初めてなのでうれしい」

<10R>
桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
 10、11レースは1、2着が「ローズカップ」に勝ち上がれる特別選抜予選。稲毛健太が斬った上を打鐘から根田空史が叩いて主導権を奪う。番手の桐山敬太郎(写真)は稲毛の3番手まくりをブロックすると、直線抜け出し「ローズカップ」一番乗りを決めた。
 「今日は根田に全部任せてたんで。付いてって自分のできることだけしようと思ってた。もう少し車間を切れればよかったけど、根田の脚にちょっとビビッてました。もう少しサポートしないとですね。初めて特選に乗って、優秀まで。このままいい流れでいきたいですね。やっぱり優秀は気持ちの面ですごくいい。嬉しいです」
 中団確保の井上昌己が松岡健介をとらえて、優秀行きを決めた。
 「もう歳なんでキツいですよ。やり合うと思ったら稲毛が出させたからね。あそこで追い上げられたら完璧だったけど。踏んだ感じ大塚(健一郎)さんが内を来て(大塚が)2着だなと思ってたから、アレッ?て思った。大塚さんはからまれてたんですね。優秀は大きいですね」
 稲毛の仕掛けに乗って上手く桐山後位に続いたかに見えた松岡健介だったが、惜しくも3着で2次予選回りに。
 「どんくさいですね。桐山の内もけっこう空いてたのに、締まりそうで入れなかった。もったいないですね」
 バックから内をすくって直線ではいいコースに入った友定祐己だったが、「何か変でした。スピードが上がってからが気持ちよくなかったので、ギアを変えようと思う」と伸び切れず5着に敗れた。

<11R>
神山拓弥選手
神山拓弥選手
 挑戦者の戸田康平が迷いなく主導権を奪う。脇本雄太を後方に置いて中団をキープした池田勇人が最終2コーナーからひとまくり。乗った神山拓弥(写真)が直線で鋭く差し切った。
 「池田さんとはほぼワンツーが決まっているし、本当に相性がいい。脇本がそろそろ来ると思っていたので、対処できました。そのあとも池田さんに付いていけたし、ワンツーが決まってよかった。ビッグレースの直前は練習を軽めにして調整しているし、その成果が出ています」
 池田勇人は脇本を相手に理想の展開に持ち込んだ。
 「いくつか想定していた展開の中で一番いい形になりました。落ち着いて走れましたね。いつでもいけるように準備していました。前と車間が空きすぎてしまったので、小倉(竜二)さんが番手から出る可能性もあると思った。そこだけが心配でしたね。(神山)拓弥とは相性がいい。勝ち上がれて良かったです」
 注目された脇本の後位の競り合いは赤板で小野俊之が落車。脇本のまくりも不発で関東コンビにスイッチした稲川翔が3着に流れ込んだ。
 「冷静に走っているつもりでも、ちょっといつもより気持ちが入り過ぎてましたね。ホームでも口が空いてしまった」

<12R>
深谷知広選手
深谷知広選手
 「日本競輪選手会理事長杯」は竹内雄作が先行態勢に入るが、打鐘で一度は3番手に入った深谷知広(写真)がホームから叩いて出る。番手の金子貴志は後閑信一にからまれ、深谷は単騎の逃げになったが後続を寄せ付けずそのまま押し切った。
 「今日は重い感じがしたけど、それ以上に調子がよかった。気持ちが乗ってるし、体も動いてますね。前回(小松島記念)とは全く違う」
 深谷を追った竹内の番手を回った浅井康太が2着に食い込んだ。
 「雄作には残れるように駆けろと言ってました。雄作が頑張ってくれたおかげですね。明日は中部でまとまります」
 離れながらも深谷を追った竹内雄作は3着でローズカップに。
 「ハナを切ったからにはあのまま駆けたかったけど…。追いかけたけど、もう一杯一杯です。浅井さんが残してくれたおかげですね」
 深谷後位に飛びつきにいく形になった後閑信一は「神山(雄一郎)さんと決めたかったし、スピードが合ったところで勝負と思ってたので。(状態は)必死で分からない」とレースを振り返った。
 後方で不発に終わった中川誠一郎は「失敗しました。(浮いた金子を)見てしまった。走る前は疲れが残ってるかなと思ったけど、走った感じは何とかなりそう。だから今日は自分で仕掛けたかったのにもったいないです」と悔しがった。
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