『第9回東西王座戦(GII)レポート』 前検日編
 
配信日:2月18日


 明日(19日)から岡山県玉野市の玉野競輪場で第9回東西王座戦(G2)が始まる。今年最初のビッグレースで、S級S班のメンバーが一同に集結するのも今回が初めて。東西に分かれた独自の勝ち上がりシステムで見ごたえのある3日間になることは必至だ。
 本場ではイベントも盛りだくさん。明日は吉井秀仁氏による予想会(3、6、9R発売中)、地元選手VS赤澤佳美の東西王座戦作戦会議(5R発売中)や選手会&ガールズケイリンのトークショー(10R発売中)を開催。また開催中は毎日、つかみ取り抽選会やケイリンナンバーゲーム、赤澤佳美氏による未経験者・初心者向けHow to KEIRIN教室などが予定されています。明日から始まる東西王座戦を玉野競輪場でお楽しみください。





<4R>
三宅達也選手
三宅達也選手
   4者そろった中四国勢が三宅達也―桑原大志、廣川泰昭―三ツ石康洋で別線勝負を選択。地元の三宅達也(写真)は「別線はイヤだけど、番組上仕方ないよね」と割り切って自力で挑む。
 「この先も日程が詰まってるし、奈良記念が終わってからはゆっくり休養をとってきました。そのあとは1日だけ練習して調整してきました。正直、感じはあまり良くなかったですね。でも、奈良から帰ってきたばっかりだからね。あまり気にはしていません」
 中四国勢を相手にするのは五十嵐力だ。前回の奈良記念では298欠着で途中欠場。不振の理由を説明する。
 「あっせん停止になった1月に自転車のセッティングを色々と変え過ぎてしまった。奈良は乗っていて違和感があったし全然ダメだった。今回は少し戻してきたけど、まだ完璧ではないですね。開催中に見直しながら走っていく感じです。でも、体調は全く問題はないから大丈夫です。玉野は初めてなんで、指定練習で乗って確かめてみます」


<5R>
三宅伸選手
三宅伸選手
   F1開催のシリーズリーダーは地元の三宅伸(写真)だ。5年連続の東西王座戦出場はならなかったが、気落ちもなければ前検日からリラックスムード。あとに続く石丸寛や岩津裕に良い流れでバトンを渡す。
 「奈良記念決勝の落車は打撲だけ、中3日だったので自転車を直したくらいだね。ただ最終日の落車だし、まずは走ってみないと。前座は三宅達に盛り上げてもらいます(笑)。彼が頑張ってくれればね。僕は達ちゃん次第です」
 深谷知広も初のビッグレースの雰囲気を心待ちにする。
 「今回は勉強しに来ました。周りはトップばかりだし、その走りを見て色々勉強したい。向日町記念のあとは豊橋が開催続きでバンクが使えなかったけど、ウエイトとロードで練習してきました。今は練習とか調整法とか色々試している最中。今回は疲れを抜いてユルユルの状態で来てるので、それがどう出るかですね」
 三浦稔希は深谷との初連係に「楽しみです」と笑顔を見せる。
 「深谷君とは初めてですね。最近は落車が続いてたけど、前回久々に落車なく走れたし、良い状態に戻りつつある。色んな意味で楽しみですね」


<6R>
浅井康太選手
浅井康太選手
   東西王座戦は6レースからで、西から予選がはじまる。中部勢は自力型がそろい並びが注目されたが、話し合いの末4車でまとまることになり、永井清史―浅井康太―小嶋敬二の順で有賀高士が4番手を固める並びとなった。先頭を任された永井清史は奈良記念から中3日での参戦となるが、「前回はあまり先行してないんでそんなに疲れはないですよ」と、体調に不安はない。
 「奈良は調子は良かったけど、333ってのもあって展開がダメでしたね。中3日だから調整程度の練習しかしてないけど、調子は変わってないですよ。玉野は久しぶりでイメージは忘れましたね。今回は良いレースをして、ダービーにつなげたい」
 番手回りの浅井康太(写真)は「ラインが長いし番手回りなんで責任を感じますね」と、やや緊張気味。
 「向日町が終わってからは私用があったけど、そのあとは普通に練習してきました。番手回りは立川記念以来ですね」
 別線の九州勢も松岡貴久―吉本卓仁―小野俊之の2段駆け態勢で挑む。先導役の松岡貴久は1月小倉を優勝、続く一宮を準Vと乗れている。
 「F1戦だから大したことは言えないんですけどね。でも練習方法は変わっていないけど、最近は結果を出したいと欲が出てきたし、気持ちの面が変わったので。今回はG2だし、大きいところで結果を残したいですね」
 吉本卓仁は12月豊橋で落車してから成績が今ひとつ。体調に不安を残す。
 「別府では違和感があったけど、修正できたと思ったんですけどね。自分では影響がないつもりだけど、レースでは感じが良くないですね。体が硬くなっていて、乗車フォームがグッと沈まない感じ。前回の平が終わってから体調を崩してしまったし状態は良くないですね」


<7R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   東の予選は一発目から伏見俊昭と平原康多が激突する。直前の静岡記念でも決勝を外すなど、やや物足りない印象を受ける伏見俊昭(写真)だが、この後はダービーも控えており、そろそろ流れを変えたいところだ。
 「グランプリを終えて、1月は一旦リセットして、1年を戦う体と気持ちを作らないとと思ってた。スロースタートになったけど、ここからですね。前2場所は体と気持ちがかみ合ってなかったけど、静岡では足のアタリが出てきたし、そろそろダービーに向けて手ごたえをつかみたい」
 平原康多は単騎での戦いとなってしまった。
 「向日町記念のあと体調を崩したけど、もうだいぶ戻ったと思います。天気が悪くて思ったように練習はできなかったけど、最後はしっかり仕上げられたと思う。玉野は2回目。前回は落車失格と良い思い出がないけど、今回良い思い出ができるように頑張ります」
 菅田壱道にとってルーキーチャンピオンを制した玉野競輪場は思い出のバンクだ。
 「鎖骨骨折はヤンググランプリの時にはほぼ治ってたし、今は走っても違和感はなくなった。川崎F1のあとは9~13日まで沖縄で篠原(忍)さんと合宿。街道とモガキを中心にやってきました。ここは相性が良いので楽しみです」
 直前の静岡記念を優勝、今年は着外1回と渡邉晴智が調子を戻している。
 「今は3.57でも良いかなと思いつつあります。直前は雨が多かったけど、自分なりにできたし、ダービーに向けて良い感じで乗り込んできてる」


<8R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
   6レースと同様に、このレースも中部勢が4車そろった。対戦する石丸寛之(写真)は「自動番組の割には中部がそろってるし、強い人ばっかりですね(笑)」と漏らす。
 「(前回の)静岡(記念の決勝)はまくれなかったけど、一瞬の出だしは良かったんで調子は悪くないと思う。あのレースは新田(康仁)さんが強かったし仕方ない。今回は地元なんで頑張ります」
 中部は柴崎淳―山田裕仁―山口幸二―坂上忠克の一枚岩で挑む。先頭の柴崎淳は「立川記念の次の日から中国でナショナルの合宿があったんで、次の松坂では少し疲れがありましたね。松阪が終わってからはいつも通りに練習ができました。感じは良かったですね」
 市田佳寿浩はスジの目標がなく、自分でレースを組み立てる。
 「奈良が終わってからは、地元が雪で1日も地面を乗る練習ができなかった。室内でローラーとウエイトで調整程度にやってきただけ。でも、疲れはないし、お客さんの期待に応えられるレースをします」


<9R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
   武田豊樹(写真)は地元のF1戦でまさかの準決勝敗退。
 「熊本記念で優勝したし、自分では気づかなかったけど、グランプリを走った疲れが年頭はあったんだと思います」と状態を自己分析する。それでもここまでの20日近い配分間隔で練習は十分。
 「いつもどおりの練習だけど、思ったとおりにできた」。ここからダービーへ向けて一気に加速する。
 神山雄一郎は記念連続優出と年頭からまずまずのスタートを切った。
 「向日町の時に体調を崩して全然ダメだった。その後も忙しかったので、大事を取って奈良記念を欠場しました。練習では3日くらい前に感覚をつかめてきましたよ。ただ玉野は久しぶりなんですよ。どこに何があるかも分からない」
 北日本はただ一人。成田和也にとっては、厳しい予選第1走となった。
 「直前は雪がすごくて思ったような練習はできなかった。そんな中でもやれることはやってきた。落ち着いてやれましたね。すごく良い感じはしないけど、前回(向日町記念)よりは良い気がする。玉野は去年記念を走ったけど、走りやすいと思いましたね」


<10R>

伊原克彦選手
伊原克彦選手

坂本亮馬選手
坂本亮馬選手

   伊原克彦(写真)は直近の和歌山記念、松戸と大きい数字が目立つ。しかし、村上義弘、博幸兄弟に前を任された明日は自身の体調は関係なく、いつも以上に力が入る。
 「ヤンググランプリが終わってから一息入ってしまいましたね。調子はずっと悪くないし、(成績が悪いのは)気持ちの問題ですね。でも、そろそろ成績を上げていかないといけないし、気持ちを切り替えていきます。玉野はルーキーチャンピオン以来。明日は前を任せてもらったんで頑張ります」
 村上義弘は伊原とは3度目の連係となる。
 「今まで2回あって2回とも競られたけど、1着を取らせてもらったこともあるので。伊原は最近、成績が悪いけど、しっかりとレースを作ってくれるんでね。奈良記念が終わってからは日程が空いてないし、ゆっくりしてました」
 対戦するのは坂本亮馬(写真)だ。昨年11月の競輪祭ではG1初優参で3着表彰台、12月岐阜記念では2度目の記念Vを達成。強気で勢いのある若武者が、今年は更にG戦線を賑わすか。
 「前回京王閣の前からずっと風邪を引いていて全く練習ができていなかったし、決勝には乗れたけど自信はなかったですね。でも、今回は調整程度だけど練習ができたので、前回よりは状態は良いですね。絶好調とまではいかないけど、十分戦える状態です」


<11R>

海老根恵太選手
海老根恵太選手

山崎芳仁選手
山崎芳仁選手

   昨年の東王座覇者は海老根恵太(写真)。そこから寬仁親王牌、グランプリを制してMVPに輝いた。今大会も連覇に期待がかかるが、本人の表情は浮かない。
 「表彰式や祝勝会、色々あって練習ができてない。2、3日乗れたけど、調子は何とも言えないですね。最低でも決勝とは思ってるので何とか頑張りたい」
 山崎芳仁(写真)も今年は地元が雪の当たり年らしく、満足な練習ができなかったようだ。
 「雪で乗れなかったですね。地べたを乗れたのは2、3日くらい。ちょっと今年は雪が多いなあ…。でも、そんな時ほど走ってみたら軽いってこともあるんで分からないですね」
 さらに山崎は今回から縦パイプの立った新車に挑戦する。
 「練習でも乗ったことないし、目指している走りを追及したらこうなった。感触も走ってみないと」。体調、フレームと色んな面で注目のシリーズとなる。
 佐藤友和は前回の京王閣F1で819着。準決勝こそ勝ち星を挙げたが、初日、最終日の走りを見る限り状態が気になるところだ。
 「前回は良くなかったし、体が重かったですね。ナショナルの合宿で練習できたと思って、地元に戻ったりその後は練習できてなかったのが原因かな。今回は1週間しかなかったけど、練習はやれたので前回よりは良いと思う。今年一発目の大きなレースだし、良い競走、良い結果を出したいですね」
 大宮記念で落車の影響か、前回の松阪F1では決勝進出を逃した矢口啓一郎。それでも今回は密かな自信をのぞかせる。
 「落車したあとはダメだったし、練習も身になってなかったですね。松阪が終わってからしっかり練習できたし、練習でもタイムが出た。競輪はまた別だけど、タイムは自分の調子を計るバロメーターですから。ここに向けてある程度間に合ったかなって感じです」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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