『第10回東西王座戦(GII)レポート』 2日目編
配信日:2月5日
豊橋競輪場で行われている第10回東西王座戦(G2)は2日目を迎えた。本日は東西ともに予選の2走目。熾烈なポイント争奪戦が繰り広げられた。2走目を終え、東西ともにベストナインが決定。武田豊樹は順当に勝ち上がり東王座の2連覇に王手をかけた。
最終日もイベントが盛りだくさん。まずは早朝指定練習見学、未確定車券抽選会、伊藤克信の「総天然色豊競予想劇場」など、たくさんの催しが予定されております。また、6日(日)最終日は「空~Qou~」ダンスステージ、いっこく堂による腹話術、手筒花火が行われます。こちらもどうぞお楽しみに。
<3R>
伊藤信選手
S級シリーズも熱戦が展開された。3レースは逃げた屋良朝春の3番手を取った
伊藤信(写真)
がまくって1着。準決勝1番乗りを決めた。
「屋良君は(カマシを)狙ってる感じでしたよね。3番手に入ってから脚に余裕があったけど、レース中はずっと重たかったですね。行けても行けなくても早めに仕掛けようと思ってました。踏み出しは苦しかったけど、後半は伸びたんでまくり切れましたね。調子は前回より全然良いです」
マークした
渡辺十夢
が2着に流れ込んだ。
「2コーナーから風が入ってくるから、前に踏んでおかないといけないんでキツかったですね」
ラインの
金田健一郎
まで連れ込み、近畿で上位を独占した。
「2センターで(伊藤が)止まった感じだったんで、どうしようかと思ったけど4コーナーからまた伸びていったね。自分は付いて行っただけなんで。伊藤君は落ち着いてたよ」
<4R>
成田健児選手
逃げた阿竹智史と、まくった
藤田竜矢
で力勝負に。最後は藤田が直線で捕えて抜け出し、1着を手にした。
「三谷(政史)君に持ってこられて、今度は岩津(裕介)君に来られてダブルだったからさすがに止まりましたね。何とか3着までにと思って踏んだら山おろしで4コーナーから伸びました。地脚はあるんで。でも、幸田(光博)さんが落車してしまったんで迷惑かけてしまいましたね。調子に関しては疲れが抜けないし、気持ちも今ひとつですね。切り替えて頑張ります」
成田健児(写真)
が連日にわたり、鋭い差し脚を見せて2着に入った。
「風で前が止まったところを、自分が最後に踏む展開になってるんで。ここは直線も長いし。でも、脚は溜まってたし、久々に最後まで踏めてますね」
まくられたものの、
阿竹智史
も粘りを発揮して3着に踏み止まった。
「調子自体は悪くないけど、今日は岩津さんに残してもらったおかげです。でも、昨日よりは今日の方が軽く感じました」
<5R>
渡邊秀明選手
5レースは巧く中団を取った
鈴木裕
がまくって快勝。予選に続く2連勝で決勝進出を果たした。
「全然、落ち着いてなかったですよ。前が駆けてしまったし、車間が予想以上に空いてしまいましたね。中団に入ったけど、後ろから金子(貴志)さんが来てしまうんで行ったらまくれた感じでした。風がなければ逆にまくれなかったかもしれないし。でも、調子は良いかも」
渡邊秀明(写真)
は懸命に鈴木をマークして2着。息を切らせながら検車場に戻ってきた。
「鈴木君さまさまですよ。いやあ、それにしてもキツかった。自分が先行してるみたい。今日はスタートで自分が前を取る予定だったし迷惑をかけてしまった。仕事ができなかったし、明日は恩返しできるように」
地元の
金子貴志
は7番手。外々を回されたが、辛うじて3着に届いた。
「調子は悪くないんですけど、前が車間が空いてたし見てしまいましたね」
<6R>
佐藤友和選手
王座戦の敗者戦は東西混合。6レースは金澤竜二が根田空史を叩き切って主導権を奪う展開に。バックで稲川翔が迫ると
佐藤友和(写真)
がこれを止め、番手まくりを放って勝利した。
「根田君は踏んでたし、出切れないと思って諦めかけたけど、(金澤が)良く行ってくれたし強かったですね。今日は皆がやるべきことをやって、結果が出たんでよかった」
佐藤慎太郎
は前を交わせず。
「金澤はよく出切ってくれたね。行けないかと思った。まあ俺はこんな感じです」
金澤竜二
は「合わされたかと思たけど、出切れたんで調子は悪くないと思います」と納得の様子。
<7R>
長塚智広選手
7レースは成田和也の自力まくりに
長塚智広(写真)
が俊敏にスイッチし、直線で追い込んだ。
「今日は上原(龍)が行ってくれたおかげ。バックで止まったんで、結果的に成田君にスイッチする形になりましたね。自分は風を切ってない分、脚に余裕がありました。作戦通りに行ったけど、成田君が強かったですね」
藤木裕
が後方からまくって2着に入る。
「スタートで誰も出なかったし自分が前に。ああなったらどこかの3番手を取りに行かないとと思ってたんですけど。風が強いから皆前が止まってる感じだったけど、自分もあまり車が出なかったですね。でも、明日につながるんで、また頑張ります」
<8R>
兵藤一也選手
ここからは東西王座の予選2走目。東予選の8レースは神山拓弥がイン粘りに出た。先行した鈴木謙太郎の番手がもつれたところを
海老根恵太
がまくり、文句なしの2連勝で決勝進出を果たした。
「神山君が粘ると思ったし、そうなったんで落ち着いていけました。でも、それにしてもバンクが重たいですね。謙太郎もキツかったと思いますよ。2連勝なんて自分でも珍しいと思います」
兵藤一也(写真)
がキッチリ海老根をマークし、2着で決勝進出。
「2センターで一瞬『あれっ』て思ったけど、そこからまた海老根さんは踏んで行ったんで強かったですね。自分は付いていて信頼してたんで」
イン粘りを敢行した
神山拓弥
は最後に飯嶋則之に交わされて4着。わずか1ポイント差で決勝を逃した。
「北勢に出切られたらもうおしまいだし、あれしかないと思ったんで。取り切ったのはよかったけど、風が強かったのもあって脚は一杯。海老根さんが来たから合わせようと思ったけど一杯で無理。4コーナーから山おろしで行かれてしまいました」
<9R>
小川勇介選手
9レースは落車のアクシデントが発生した。ジャン過ぎ4コーナーで柴崎俊光が外に持ち出すと、松岡貴久は柴崎と接触して小嶋敬二を巻き込んで転倒(小嶋は再乗し、7着で9点を加算して決勝へ)。この事故で吉田敏洋が柴崎の前に出て前後が入れ替わり、先行する展開となった。さらに、2センターでは大塚健一郎が落車する予想もしない展開に。結局はゴチャ付いたところを、落ち着いて
小川勇介(写真)
がまくって1着。2年連続の優出に成功した。
「貴久が落車してしまったし素直には喜べないですね。大塚さんのブロックを受けたけど、乗り越えられたんでよかった。初日に中途半端なレースをしてしまったんで、今日は自分のレースをしようと思ってました。昨日の分を取り返そうとかなりプレッシャーだったけど、何とか勝ててよかったですね。昨日よりも踏んだ感じは良かったです」
坂本健太郎
が落車を間一髪避けて2着に。合計32ポイントで嬉しい決勝進出。
「ホームで2人コケたけど何とか小倉さんの前に出れた。けど、今度は2センターで大塚さんが目の前からいきなりいなくなって。危なかったです」
逃げた
吉田敏洋
も3着で決勝へ。
「松岡が初手から競りにきたけど、引いて追い上げたり小細工するよりはその位置で勝負しようと思ってました。あの展開ならインまくりしても良いし、そういう心の準備もしてました。柴崎には何も言ってなかったけど、外に持ち出したときにバリバリって聞こえたんで、とっさに内に避けたら前に出てしまった。そこからどうやって柴崎に付け直そうか考えたけど、駆けてしまった方がいいと思ったんで。決勝に乗れたし、地元ダービーに繋がりますね」
<10R>
平原康多選手
10レースは初日と並びを入れ替えた
武田豊樹
―平原康多に神山雄一郎と芦澤大輔が加勢。後攻めから押さえた武田がペース駆けに持ち込んで押し切り連勝。「ラインの結束力の勝利。3、4番手までライン固めてくれていたからね。程よい緊張感を持って、いいレースができた」と内容、結果共に満足気な様子で振り返る。
平原康多(写真)
は番手絶好ながら、前を抜けずに渋い表情を浮かべる。
「2走目は番手で勉強させて貰いました。気持ち良く先行して貰ったので、まずは車間を空けたりと仕事に専念。抜けなかったのは自分の力が足りなかっただけです」
新田祐大のまくりに乗っての3着で、ポイント加算に成功した
渡邉一成
が決勝戦に進出。
「前が頑張ってくれると信じ、それに任せていた。スピードを借りて、良く突っ込めました」と語る。
<11R>
村上博幸選手
坂本亮馬選手
11レースは村上兄弟率いる近畿勢が先行勝負。落車のアクシデントもあったが、
村上義弘
が末良く逃げ切った。
「ラインをしっかり連れて前に踏んでいく事だけを考えて組み立てた。近畿から2人も落車してしまったから、手放しでは喜べない。決勝も持てる力を出すことを考える」
村上博幸(写真)
は伸び不足を嘆く。
「余裕はあるんだけど、もう少し伸びが欲しい。後ろが落車してから、内を締めることを第一にして走った。前が掛かっていたし強かった」
坂本亮馬(写真)
は懸命に前団に迫り何とか3着で決勝戦に進出。「落車を見てちょっと硬くなってしまったかな。それが無ければ、また違ったかもしれないのに」とレースを振り返る。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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