『令和6年能登半島復興支援・第8回ウィナーズカップ(GII)レポート』 前検日編

配信日:3月20日

 取手競輪場で令和6年能登半島地震復興支援競輪「第8回ウィナーズカップ(GII)」が、3月21日にスタートする。今年初のGIIとなる今シリーズは、ファンへの貢献度が高い1着回数の多い選手が中心に選考さている。機動タイプが多くそろい、初日の一次予選から手に汗握る熱戦が展開されることは間違いない。3月20日の前検日は、ビッグ初出場の選手も含めて、それぞれが入念な調整を行い、翌日からの熾烈なバトルに備えた。
 ウィナーズカップ開催中の毎日、「高木真備」トークショー、選手会ブースでのグッズ販売、茨城の特産品が当たる未確定車券抽選会、専門解説者によるレース予想会などが予定されています。また、3月21の初日には、茨城のお菓子「茨城めろんの片想い」を先着500人にプレゼント、名輪会のトークショーなどもあります。取手競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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東口善朋選手
東口善朋選手
 前回の玉野FIの決勝ではライン3番手からソツなく伸びた東口善朋(写真)は、別線の山田英明に優勝をさらわれたが準V。動きは上々だった。
 「ずっと変わりなく走れていると思います。(優勝が)なかなか取り切れないけど、走れていると思います。とくべつ変わったことはしてないけど、練習の結果が伴っているのかなと。上積みはないですけど、しっかりと体調を整えてきました」
 前回の玉野記念5368着から2週間以上空いた吉田有希は、地元ビッグに向けて充実のトレーニング。オープニングで地元、関東勢に流れを呼び込みたい。
 「玉野が終わってからスピード練習と地脚をつける練習がみっちりできたし、改善点を見いだせたので楽しみです。昨日(19日)は深谷(知広)さんや坂井(洋)さんがバンクに練習に来ていて、いい刺激を受けた。仕上がりはいいと思います。あとはレースで柔軟に対応できるようにしたいですね」

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和田健太郎選手
和田健太郎選手
 和田健太郎(写真)は、前回の松山記念を3428着。深谷知広、北井佑季と今を時めく南関の機動タイプとの連係で、自身の状態をこうジャッジする。
 「(前回は)前の自力選手が強すぎて感じが悪かった。自分の調子が良くないのもある。まだ物足りない感じもあります。(そのあとは)松戸バンクが使えないので、室内練習が多くなっているけど、(千葉の)250にも入ったりして、それなりにですかね」
 志田龍星とのタッグで一次予選を迎える皿屋豊は、いきなりの番手回りも覚悟していたようで、ましてや相性のいい志田なら“全権委任”だろう。
 「ここ最近は番手回りが増えてきていたので、もしかしたら(初日から番手回りかもしれない)っていうのはありました。志田君とは何度か連係がありますね。いまの志田君はノリにノッているので信頼してですね。たしか去年の高松宮記念杯と青森の共同通信社杯で連係して1着を取らせてもらっています。脚的には番手回りは楽ですけど、難しさもある。車間を空けたり横に振ったりと自力の時よりもやることが増える。付いていくだけならいいんですけど、そういう時の対応力を上げていけるようにしたい」

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松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
 久々のFIとなった松谷秀幸(写真)の前回の小倉は、723着で抜かりなく優出。状態面は悪くなさそうだ。
 「最近はずっと変わらずに走れています。落車が減って、体の調子のいい時と悪い時の差がなくなってきた。ここに向けても風邪とかを引かずに、計画通りにできた。(自転車に関しては)暮くらいからずっと同じセッティングでやってます」
 前々回の向日町FIを661着、前回の玉野FIを727着。近況が乱調気味の島川将貴は。9車立てが復調へのキッカケになるかもしれない。
 「2月の松山からここ3場所は感触がイマイチですね。成績的にもそうなんですけど。原因はつかめていなくて、悪くなってからは良くなるようにと思ってセッティングだったりを微調整しながらやっています。前回の玉野よりも直前に練習した感じは良かった。久々の9車立てなので後方にならないように頑張りたい」

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永澤剛選手
永澤剛選手
 前回の平FIは初日予選、準決を連勝での優出の永澤剛(写真)だったが、決勝で落車の憂き目をみた。そこから2週間以上、空いたものの、トーンは上がってこない。
 「決勝もチャンスがあったけど、落車があったんで“確変”が終わりました。(そのあとに)シューズとかを換えて、フレームも新車を試したけどダメでした。だから(今回は)落車したヤツで戦うしかない。まだ、擦過傷も(完全には)治ってない」
 地元ビッグに当然のことながら気合も入る武田豊樹は、森田優弥の攻めの走りを評価して番手を回る。
 「3月に入ってからは家の用事もいろいろと重なったりして忙しかったんですけど、地元で行われる特別競輪(ビッグ)ですし、自分のなかではここに向けてしっかりとトレーニングをやってきました。ここ最近は毎年、もうひと踏ん張り、ふた踏ん張りって思いながらですね。森田君とは久々の連係ですけど、決まり手を見ても強くなってきたなって感じますね。本当の勝負をわかっている選手ですし、強気に攻める姿勢っていうのも伝わってくる選手なので信頼している」

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南修二選手
南修二選手
 今年最初のGI、全日本選抜でも優出。3連続GI優出とハイレベルな走りを見せている南修二(写真)だが、前回は突如襲われたヒザ痛により最終日を欠場した。
 「突然、ヒザが痛くなって、歩けない状態くらいにまでなったので欠場しました。痛みが引くまで休んで、あとは4日間くらい練習をした。(近況は)自分自身は悪く感じないけど、脚力差を常に感じています」
 前々回の西武園FIで今年初V。前回の向日町FIでも準Vと乗れている渡部幸訓だったが、ヒザ痛による欠場もあって2週間近く空いた。
 「右膝の痛みが出たので休みました。前から痛みが出ることはあって休むことはあったんですけど。去年1年間はウエートトレーニングを休んでいて、全日本選抜が終わってから再開したら痛みが出ましたね。痛みが治まってからは約1周間くらい練習できました」

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取鳥雄吾選手
取鳥雄吾選手
 取鳥雄吾(写真)は、前回の地元、玉野記念を9139着。決勝では眞杉匠と壮絶な叩き合いを演じて、ラインの松浦悠士、岩津裕介のワンツーに貢献した。その後もゆとりのローテーションで、順調にトレーニングを重ねた。
 「(前回の玉野は)しっかりと先頭で走って、自分の力でなんとか決勝には乗れたんで、そこはホッとしました。悔しい面もあるけど、また来年(の地元記念)に向けて頑張りたい。点数だけが上がっている感じがあって、そこはなんでかなっていうのがある。けど、行けるところで行けている。練習もできたし、不安がないようにやってきた」
 前々回の玉野記念の準Vのあとは、前回の別府FIを251着。岩津裕介がまずまずの手ごたえをつかんでいるようだ。
 「調子自体は少しずつ良くはなってきていますね。あとは怪我をしてかばっている部分だったり、もともとのクセだったりもあって、もう少しバランスが取れてくればっていう感じです。そこが良くなってくれば、もう少し踏みたいなっていうのはある。ヨコに動くにしても、コースを探すにしてもどうしてもタテに余裕がないと、それもなかなか難しい」

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松井宏佑選手
松井宏佑選手
 前回の立川FIを3連勝の完全V。決勝は小松崎大地、堀江省吾を不発にして逃げ切った松井宏佑(写真)だが、歯切れは良くない。
 「(前回は)結果が良かったけど、自転車の一体感とか回した感じがちょっといい感じじゃなかった。そのあとに練習をしてきて、だいぶ上向きになった。去年の(落車の)怪我が長引いている。多少は良くなっているけど、前回の直前に胃腸炎とかになった。それが完治して良くなっている」
 自身も復調ムードの和田真久留は、同県の松井との一次予選だけにワンツーを見据えて、こう口を開く。
 「前回の松山は、やっと普通に走れるなってところまでは戻ってきたかなって感じですね。今年は花粉症が例年よりもひどいんですけど、前回から中9日あったので少しは上積みができたと思います。(松井との)ワンツーは結構あると思います。抜いてのワンツーは半々ぐらいですね。(松井)宏佑の仕掛けのタイミングだったり、踏む距離で変わってきますけど。お互いにやっと体が戻ってきたと思うので、今回は2人で決められるようにしたい」

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寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 寺崎浩平(写真)は、前回の地元、福井のFIを112着。3日間すべてバックを奪取して内容も上々だったが、コンディション面には不安を抱えていたようだ。
 「直前に体調を崩していたので、1走してみてどうかなって感じでした。自分の感覚はあんまり良くなかった。調子が最近、落ち気味で新車も使ったりしたけど、感覚良くは乗れていない。(前回のあとは)しっかりと練習もしてきた。いろいろ試しながら、先を見据えてやっている」
 直前に取手で練習したアドバンテージがありそうな伊藤颯馬は、前回から中6日で今シリーズを迎える。
 「3日前にサテライト(水戸)でトークショーがあったので、一昨日、昨日(3月18、19日)と取手のバンクに入って練習をさせてもらいました。取手を走るのは久々なので、直前に練習できて良かったです。バンクのクセはないと思うんですけど風が強かったので、事前に把握できたのは大きいですね。練習はしっかりとできたので、それをレースに生かせるように頑張りたい」

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嘉永泰斗選手
嘉永泰斗選手
 仕上がりがいまひとつだった前回の松山記念が8281着だった嘉永泰斗(写真)。3.92のギアのなかでの前後の組み合わせを変えて、新たな可能性を探っている。
 「(前回は)あんまり良くなかった。展開もあったけど、調整もそこまでやってなかった。その分だと思います。(最終日1着で)終わりは良かった。(そのあとは)練習もしっかりとやりたいことがやれていいと思います。今回から(前のギアを)47にしてみます。それで良くなったらいいなと」
 1月の和歌山記念から取り組んだことが成果として徐々に出てきている山田英明は、前回の玉野FIでV奪取とリズムもいい。
 「(今年の和歌山記念から)もう一度ペダリングだったり乗り方を見直さないと思ってやってきて、少しずつ良くなってきたと思います。良かったころはそういうことを考えなくても自転車は進んでくれたんですけど、いろいろと工夫してやっていかないとなって思っている」

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河野通孝選手
河野通孝選手
 地元からはただ一人、特選に選出された河野通孝(写真)は、前回の小倉FIの2日目に落車に見舞われた。地元のビッグに最善を尽くして、初日特選は北井佑季の番手からスタートを切る。
 「(怪我は)肩鎖関節の脱きゅうだったけど、そこまではひどくなかった。毎日、治療してなんとか間に合ったかなと。落車して2日後に軽く乗り始めて、そこからはずっとやってきた。(地元のビッグに)出られることもうれしいけど、同期の武田(豊樹)さん、同級生の芦澤(大輔)と一緒っていうのはうれしい。特選からなので決勝を目指していきたい」
 北井佑季は、前回の松山記念を2322着。勝ち星は挙げられずも、先行選手としてインパクトを残したシリーズでもあった。
 「(前回は)連日、積極的なレースができているのはいいなって思うけど。(決勝は)最終的には(古性優作に)いかれているので、末脚の部分で課題があるかなと。練習はいつも通りやって、なにも変えてないです」
 大宮、静岡とすでに今年は記念を2V。前々回も全日本選抜も準Vと快調に飛ばしている清水裕友が、慎重なコメントをする。
 「(前回は)感触自体は悪くなかったけど、1、2月よりは落ちているかなと。1、2月が忙しかったんで、その辺の疲れがあるのかなと思います。今回は期間が空いたんでしっかりと練習はできました。調子が良さそうな感じはないけど、走ってみないとわからないですね」

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藤井侑吾選手
藤井侑吾選手
 21年11月の競輪祭以来、2度目のビッグ出場の藤井侑吾(写真)は、初日特選スタート。およそ2年半前とは明らかに変わって、大きく成長をとげているだけに楽しみだ。
 「(前回の)感触は悪くない感じでした。(決勝は)変なところで行ったりして、あれで3着に残っているならいいのかなと。(ビッグは)久々の2回ですね。前回の競輪祭は緊張したけど、(今回も)やっぱり緊張します。中4日だったんで、ケア中心にやってきました」
 脇本雄太は、前回の松山記念を4141着。まくりで2勝を挙げたが、デキとしては完調にはほど遠い様子だ。
 「(前回は)正直、良くなかったけど、それなりに頑張れたかなと。(最終日の10秒7のまくりは)僕のなかでは参考にならない。全然、戻ってない。いつも通り練習はやったつもりです。イマイチ感覚として、つかめないところもあるので時間は掛かるかなと」
 今年の初戦が2月の全日本選抜になった眞杉匠は、続く前回の玉野記念を6128着。上昇カーブを描いてはいるようだ。
 「状態的には上向いている。今回もその時(前回)よりいいです。(1月に練習中に落車した)怪我が治りつつあるんで、毎場所、毎場所、良くなっている」

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松浦悠士選手
松浦悠士選手
 グランプリVからの年明けも高いレベルでパフォーマンスを発揮していた松浦悠士(写真)は、前回の玉野記念を2221着。「1回も絶好調っていう感じはなかった」と、玉野記念を振り返ったが、ラインの結束もあり優勝をつかんだ。
 「(玉野の)決勝は(取鳥)雄吾が頑張ってくれた。(トレーニングで)新しいことをやっているんで、いままでと感覚が違う。その辺も踏まえて(今回は)早めに追い込むのをやめて調整しました。玉野よりはいい感じで入れたけど、練習の感じがあんまり良くない。練習方法がまったく違うんで、それで力が落ちることはない。感覚の問題。自分の体と感覚がマッチしてないので、そこをしっかりと(意識したい)」
 犬伏湧也は、前回の松山記念を2511着。内に包まれて不完全燃焼の二次予選以外は及第点を与える。
 「(前回の二次予選は)自分の技術不足だった。ずっとフタをされたのは予想外でした。(前回は)バンクがそこまで軽くなかったけど、それでもいい着が取れたんで良かった。そのあとも計画的に練習ができました」
 圧巻の走りで初日特選から無傷の3連勝で決勝にコマを進めた松山記念の深谷知広だったが、決勝では不発に終わってシンガリ負け。
 「(前回は)疲れもあるなかで比較的、動けたのかなと。(決勝は)あの形になるかなっていうのがあった。そこの対処が必要になってくる。(そのあとは)疲れを抜く期間だったので、疲れを抜きつつ練習はしっかりとできました」