『被災地支援競輪第1回ウィナーズカップ(GII)レポート』 最終日編

配信日:3月20日
 平成28年熊本地震被災地支援競輪「第1回ウィナーズカップ(GII)」は3月20日に最終日を迎え、4日間にわたる全日程を終了した。今年度から新設されたGIIシリーズ。独特の選考方法から機動型が多くそろい、普段に増してスピードバトルが繰り広げられた。サバイバルレースを勝ち上がったベストナインによる決勝は、郡司浩平が鮮やかなまくりを決めてビッグ初制覇。初代王者に輝いた。

意気込みを語る7選手
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最初の栄冠は誰の手に
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ウィナーズカップ決勝 レース経過
 号砲が鳴ると別線の様子をうかがいながら、平原康多が誘導を追いかける。平原-武田豊樹-木暮安由の関東勢が前団に構えて、単騎の原田研太朗、稲垣裕之-稲川翔-東口善朋、郡司浩平-中村浩士で周回を重ねる。
 青板の2センターから8番手の郡司が上昇を始めて赤板過ぎに出るが、稲垣がすかさずその上を踏む。稲垣は平原の動きを確認しながら、2コーナー過ぎに郡司を押さえて出て先行態勢、打鐘を迎える。稲川-東口の追走で、南関勢が中団、平原は6番手。原田は一本棒の最後方に置かれる。逃げる稲垣が軽快に飛ばして最終回へ。
 6番手の平原が1センター過ぎにまくりを打つと、4番手の郡司も合わせてまくる。稲川は止められず、郡司が逃げる稲垣を3コーナーでとらえて中村が続く。合わされた平原はバック手前で南関勢に付け直すが、2センターで稲川に絡まれる。直線、南関両者の一騎打ちは、追い込む中村を8分の1輪振り切った郡司の優勝。3着に平原が入る。


ゴール
ゴール
胴上げ
胴上げ
表彰式
表彰式
ガールズケイリンコレクション レース経過
 スタートを制した梶田舞が前で構えて、石井寛子、児玉碧衣、高木真備、荒牧聖未、石井貴子となり、奥井迪が最後方で周回を重ねる。
 赤板を通過して7番手から奥井が動き出すと、前との車間を空けながら高木が奥井をけん制。荒牧、石井貴が2コーナーでインを進出する。高木、奥井の動きを見て、打鐘手前で児玉が3番手から踏んで主導権を奪う。先行態勢の児玉に高木、奥井が襲い掛かって、3者の激しい主導権争いで最終回へ。前受けから飛び付いた梶田の内を、石井貴が踏んで児玉後位に入る。奥井、高木を合わせ切った児玉が逃げる。石井貴が続き、3番手を石井寛と高木(外)で併走。その後ろに梶田でバックを迎える。2センターから梶田が外を踏み、3番手の石井寛はインを突いて直線へ。
 2番手で絶好の石井貴が、ゴール前で逃げる児玉を交わして1着。2着に児玉が粘り込み、石井寛が3着。人気の梶田は届かず4着。

ゴール
ゴール
胴上げ
胴上げ
表彰式
表彰式
<1R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 金子哲大と松岡篤哉が先行型のプライドをかけて激突。残り2周半から激しい踏み合う。打鐘で松岡を突っ張り切った金子を今度は箱田優樹が一気に叩いて出る。後方から再度、仕掛けた松岡は不発。その後ろから自力に転じた吉田敏洋(写真)が豪快にまくって圧勝した。
 「予想していた展開だったんですけどね。かなり早くから始まりました。松岡君が頑張ってくれましたね。ホームからもう1回、よく行ってくれました。そのおかげで何とか勝つことができました。車の出は良くなかったし、本当にきつかったです」
 長島大介は打鐘過ぎの4コーナーで箱田マークの伊藤大志を外に弾いた時に踏み遅れてしまう。しかし、最終バック前から懸命に外を踏み上げて2着に入った。
 「もうちょっと金子君を援護できれば良かったんですけどね。(伊藤を)持っていった時に踏みながらあたらないとダメでした。前に入られてしまったし、甘かったです。次は失敗しないように。この経験を生かしたいですね」

<2R>
土屋壮登選手
土屋壮登選手
 土屋壮登(写真)が2015年の共同通信社杯以来、ビッグ通算2勝目を挙げた。後ろ攻めを選択した野口大誠が赤板から上昇し、打鐘前に先頭に躍り出て主導権を握る。正攻法に構えた土屋が、九州ラインの動きに合わせて踏んで中団を確保。土屋は8番手の川村晃司を警戒しながら、前団と間合いを取って2コーナーから一気のスパート。すると、合わせて中川誠一郎が番手まくりを放ったが、土屋が力でねじ伏せ1着。埼玉ワンツーを決めた。
 「緊張しましたね。良い展開になったし、最終ホームで詰まったけど、このクラスはやっぱり強いから詰まるはずないって思って罠なんじゃないかって(苦笑)。でも、あそこから行ったら川村さんを引き出してしまう形になると思って落ち着きました。勝ててよかったです」
 続いた池田勇人は勝った土屋を称賛する。
 「ホームで詰まって大バックを踏んだからキツかったけど、(土屋が)踏んだ瞬間行っちゃうなって思いましたよ。本当に離れそうになった。ビックリしました。強かった」
 S班の中川誠一郎は早めに抜け出すも5着に沈み、悔しさを噛み締める。
 「頑張ってくれたけど全然ダメですね。走りながら戻していくしかない」

<3R>
坂本貴史選手
坂本貴史選手
 赤板過ぎに坂本貴史(写真)が先に前を切ったところを、嶋津拓弥が叩いて打鐘が入る。嶋津が懸命に逃げるなか、坂本が2コーナーからスパート。小原太樹は車間を空けながらブロックを試みたが、坂本がスピードよくまくって勝利した。
 「南関の番手が小原君、3番手が山賀(雅仁)だったからどうなるかと思ったけど。前の北津留(翼)さんが後ろをチラチラ見てたので、突っ張られるかとも思ったけど、(嶋津が)押さえにくるのが遅かったから、脚を使ってでも1回先に前を切って、そこからしっかり中団を取りました。ブロックがキツかったけど、何とか行けました。初日、2日目は出し切ることができたけど、昨日がクソみたなレースでお客さんに迷惑をかけてしまいました。最近はミスが少なくなってきたのに、昨日は久しぶりに失敗して。ワッキー(脇本雄太)をさばいていればワンツーが決まったと思うのに。でも、最終日は(高松)宮(記念)杯の権利がかかってたので、勝ててよかったです」
 堅実マーカーの内藤宣彦がしっかり続いて2着で北ワンツー。一方、南関勢は山賀雅仁が3着に入るのが精一杯。
 「突っ張り合いの難しいレースでしたね。小原君も判断が難しかったと思う。(嶋津を)かばいたくなる気持ちも分かるので。決勝だったら別だけどね。俺もああいう展開で失敗して、ラインが総崩れになったことが何度もあるから。なかなか難しいよね。僕は前が頑張ってくれたから外を踏んだだけです」

<4R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
 渡邉雄太が赤板過ぎから先制。飯野祐太が3番手、6番手に柴崎淳、取鳥雄吾が8番手の態勢で打鐘を通過する。徐々にペースを上げる渡邉に対し、取鳥が4コーナーから反撃。海老根恵太(写真)が1コーナーで取鳥を大きく外に振ると、その隙に飯野祐太が内をすくう。バックからの飯野との踏み合いを制した海老根が先頭でゴールを駆け抜けた。
 「雄太があんなに頑張ってくれたのに、申しわけない気持ちです。取鳥君がけっこういい勢いで来たので、止めようと思って外に振った時にすくわれてしまった。ライン2車だからしょうがない。難しいですね。もう前に踏むしかなかったです」
 取鳥雄吾は海老根のブロックで失速。シンガリ負けに終わった。
 「打鐘ぐらいからもがき合っても良かったけど、それだとレースを壊すだけだと思って。自分が持つタイミングで仕掛けようと。いいスピードで行けたと思ったんですが、海老根さんの横で止まりました。雄太とは同級生で同じ先行型なので勝ちたかったんですけどね。今回はけっこう大きな着を叩いてしまったので、また一から出直します」

<5R>
鈴木庸之選手
鈴木庸之選手
 鈴木庸之(写真)が初日に続きまくりを披露し、シリーズ2勝目をゲット。タテヨコを踏み分け強敵を撃破し、点数以上の存在感を示した。
 後ろ攻めから上昇した鈴木は、松坂洋平率いる南関勢を受けて3番手狙い、続いてきた中井俊亮を弾いて中団をキープした。結果的に中井が叩いて松坂をまくり切る展開となったが、鈴木がこれを追っていくと、直線で中井をとらえてG線へ1番乗り。
 「前でもよかったけど、後ろ攻めの方が面白いかなって。昨日も後ろから一旦押さえたけど脚に来てなかったし、もう1回踏める自信はありました。(中井を)もっときれいにさばければよかったですけどね。ここに来る前に山梨で合宿したりと結構追い込んだので、その成果が出ました」
 鈴木を追走した志村龍己はゴール前で迫るも2着まで。それでも最終バック手前で松岡貴久を一発ブロックで仕留め、鈴木を援護した動きは光っていた。
 「来たのが見えたのであそこはとりあえず止めようと思って。上手く行きましたね。でも、最後は差したと思ったから悔しいです」
 包囲網を突破した中井俊亮であったが、4コーナー手前で力尽き、最後は交わされ3着に。
 「松坂さんがけっこう踏んでいたので様子を見てからって思ってたら当たられちゃいましたね。何とかしのげたけど、それで脚にきてしまったので最後はもういっぱいでした」

<6R>
三谷竜生選手
三谷竜生選手
 細切れ戦らしく、レースは激しく入り乱れた。赤板で鈴木竜士が押さえて先頭に立つと、三谷竜生(写真)が合わせて踏んで中団を取った。打鐘過ぎに根田空史が叩いて出ると、山田幸司が離れて番手に鈴木がはまる展開に。すると、すかさず三谷がアタックすると、3コーナーで根田を抜き去り、先頭でゴールを駆け抜けた。
 「初手であの位置(前から2番目のライン)だったし、押さえにくるのが遅かったから、合わせて先に動いていきました。本当なら斬らせて斬らせて自分がいこうと思ってたけど、タイミング的に遅かったから。でも、流れのなかで上手く走れたと思います。今回は調子が良かったから、最終日に1着が取れてよかったです」
 最終ホームから仕掛けた河端朋之は三谷に合わされたものの、これを追って2着に入る。
 「前受けから引いてから根田君のところで止まったけど、それ以上は引きたくなかった。そこから根田君に行ってもらってだったので。そこからは三谷君があの位置(中団)だったので、先に仕掛けないとと思ってホームからいきました。『マーク』が付いちゃったけど(苦笑)。少しずつ走り方が分かってきたし、今回は色々と勉強になりました。原田(研太朗)君の番手を回れたし。上のレースを走って課題がどんどん見えてきましたね。今後はこれを克服して上を目指したい。来月は世界選があるので、競技の方を頑張ってまた競輪に戻ってきます」

<7R>
石井秀治選手
石井秀治選手
 石井秀治(写真)が通算400勝のメモリアル勝利を飾った。レースは金子哲大が打鐘前から先行。4番手からまくった単騎の伊藤信は不発。その後ろで様子を見ていた石井が痛烈なまくり追い込みで突き抜けた。
 「深谷君を後方に置いて、自分が逃げるか、中団を取らないと勝負にならないですから。伊藤信君の動きを見て、その内か外かを見極めて真ん中を踏ませてもらいました。今回は首が痛くて不安はあったんですけど、日に日に良くなりました。おかげさまで400勝を達成できました。今後も車券に貢献できるように頑張ります」
 先行した金子哲大は末を欠いて4着。それでもシリーズを通して果敢に攻めた。
 「展開は理想的だったんですけどね。いつ来るか、いつ来るかって思いながら踏んでいて、最終バックではもういっぱいでした。4日間、みんな強くて厳しかったです」

<8R>
新田祐大選手
新田祐大選手
 今節は決勝を逃してしまった新田祐大(写真)であったが、最終日に自慢のスピードを発揮してシリーズ2勝目を挙げた。
 赤板で上昇した河村雅章が打鐘前に誘導員を下ろして先頭に立つと、古性優作が続いた3番手を確保し、新田はズルズル下げていく。新田との外併走を嫌った竹内雄作が一気に巻き返すと、古性が小嶋敬二を退かして追っていき、さらに後閑信一が河村を捨てて前に踏んでいく。最終バックを通過し、この3車で1着勝負かと思われたが、新田が目の覚めるようなスピードで鮮やかに突き抜けた。
 「思ったような展開にならなかったし、ああいうレースはしたくなかった。最後も届くとは思っていませんでしたから。(今回はワールドカップでの落車の影響が)だいぶありましたね。それでも自分のなかでは戦える状態まで仕上げてきたつもりだったけど、結果を出せなかったし、課題が残ってしまいました」 
 竹内優作は2着に粘ったが、組み立てを反省し、悔しさを噛み締める。
 「思っていた展開とちょっと違うくらいだったけど、気持ちの弱い部分が出てしまって。昨日のリプレイかなって思ってしまったのもあって見てしまいました。小嶋さんに申し訳ないですね」
 3着を確保した後閑信一であったが、こちらも悔しそうにレースを振り返る。
 「新田君もすごかったけど、竹内君を何とか差したかったですね。踏み直しがすごかった。戦う以上は年齢とかは気にしていませんし、まだまだって思っているので。やっぱり相手が若くて強くても負けるのは悔しい。でも、この気持ちがあれば、まだまだ強くなれると信じているので」

<9R>
児玉碧衣選手
児玉碧衣選手
 後ろ攻めの奥井迪が上昇していくと、高木真備、児玉碧衣が合わせて踏んで壮絶な先手争いに。内側の児玉が最終的に主導権を奪うと、これ続いた石井貴子が追い込んでガールズケイリンコレクション、2度目の優勝を手にした。
 「外枠なので後ろになると思ってましたし、その分、無理をせずに取れた位置から落ち着いて行こうと思ってました。初手で奥井選手が後ろにいて、上がっていくのに合わせて高木選手も踏んだので、たぶん2センターからホームにかけてゴチャゴチャするなと思ってので、落ち着いていこうと。考え過ぎず、緊張もせずに誰よりも落ち着いていこうと思ってました。脚をためて4コーナーまで行ければ大丈夫と信じていきました。昨年は春のガルコレは落車で、そのあとは7着であまり良い思い出がなかったので、何がダメだったのか反省して。流れに逆らって無理なレースをしていたなと反省して、今回挑戦しました」
 児玉碧衣(写真)は惜しくも準優勝も、力を出し切り、魅せるレースを披露。内容ある競走に納得の様子を浮かべる。
 「奥井さんが動いて、高木さんも付いてくると思ったので先に前に出て合わせていこうと。ホームの向かい風がキツかったし、下りを使われると思ったけど、自分のダッシュで合わせ切れたので。内容的には満足ではないけど悪くなかったと思います。次の5月までに修正して、さらに強くなって結果を出せるように練習してきます」
 石井貴子に続く展開から、石井寛子が3着に入る。
 「あと1車前だったらよかったですね。悔しいです。今日は1番前を取って飛び付きを考えてたけど。隣に高木さんがいてまくりに行くのが難しかったですね。でも、今日走って練習が間違っていなかったと思えたし、自分のやりたい内々のレースをして3着にからめたので」

<10R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 吉田拓矢が赤板から2周先行。もつれた中団争いは山田英明が制して、脇本雄太(写真)は7番手まで下げる。快調に飛ばした吉田を杉森輝大は車間を空けてガード。山田がバック前からまくり上げるが、さらにその外をまくり追い込んだ脇本が1着をさらった。
 「中団は取るつもりだったんですけど、危なかったので、バックを踏んで下げました。ホームで行っても合わされると思って最後まで待ちました。あそこまで待てば何とかなりますね。キツかったです」
 吉田の番手で絶好展開となった杉森輝大は脇本の強襲に屈して2着に敗れた。
 「吉田君が頑張ってくれました。車間を空けて、山田君を止めればワンツーが決まるかなって思ったんですけどね。脇本君は見えてなかったです。難しいですね」
 中団確保からまくった山田英明は3着まで。
 「最低でも中団はしっかり取ろうと思ってました。杉森君も車間を空けていて厳しかったんですが、しっかりタテに踏んでいけたと思います」

<11R>
山田庸平選手
山田庸平選手
 実力者がそろうなか、山田庸平(写真)が大穴を演出した。後ろ攻めを選択した山中秀将が渡邉一成を警戒しながら上昇していったが、緩めて中団を取りにいく。すると、渡邉は内をすくって山中と争った。両者で意識し合っていると、正攻法に構えていた山田久徳が誘導員を下ろして主導権を握った。山田久が逃げるなか、3番手から松浦悠士が、さらにその外を山中が迫って力勝負となったが、最後尾の山田庸平が2センターから最内のコースを踏んで前団を一気のごぼう抜き。
 「全部見えてました(笑)。誰かが内に行けば外を踏む準備もしていたし、みんなが外だったので自分は内へ。後ろになったけど脚をためて突っ込もうと。理想とする園田(匠)さんみたいなレースが今回はできたと思うし、課題は見つかったけどそこは納得しています。今年は地元でビッグ(共同通信社杯)があるのでそこを走れるようにもっと頑張ります」
 山田久徳は絶妙なペース駆けから2着に粘り込んだ。
 「押さえに来るのが遅かったし(山中が)後ろを見ていたので突っ張りました。あとは松浦君だけ見ながら合わせて踏みました。最後、内を空けてしまったのは失敗ですね」
 松浦追走から、三宅伸が直線しぶとく伸びて3着に入る。
 「今回は3回も確定板に乗ってしまってお客さんに迷惑かけたかな(笑)。今日は2着かなって思ってたら(3、4着で)写真判定だったんですね。まあ、よく突っ込んだほうですよ」

<12R>
中村浩士選手
中村浩士選手
平原康多選手
平原康多選手
 今年から新設されたGIIシリーズ。第1回ウィナーズカップは郡司浩平が中団まくりを決めてビッグ初制覇。初代王者として、歴史の最初の1ページに名を刻んだ。
 「初手は後ろだったから、1回前に出てからと思ったけど、あんなにすんなり中団が取れるとは。そこからは平原(康多)さんにかぶらないように先にいきました。4日間のなかで1番車が出たし、あとは稲川(翔)さんのとこを上手く乗り切ればと。まだグランプリが決まったわけではないけど、1歩1歩と見えてきたと思います。まだ今年は始まったばかりなので、1戦1戦を大事に。川崎記念、ダービーの優勝を目指してやっていこうと思います」
 中村浩士(写真)が続いて南関ワンツー。優勝こそ逃したものの、最高の形で締めくくった。
 「郡司がこれを行くのかというスピードで行ってくれました。自分は追走でいっぱいでした。郡司があれだけ自分のレースを全うしてくれたので、僕は感謝の気持ちでいっぱいです」
 平原康多(写真)は中団を明け渡して6番手に。さらに、郡司に先まくりを決められ悔しい3着。
 「前を取らされた時点でああなるとは思ったけど、トータルで自分の力が弱かった。対処できなかったし、何もできなかった。悔しいけど、これが今の自分の力。後ろの2人に迷惑をかけてしまいました。これ以上言うと言い訳になるので…」
 前を任せた武田豊樹も、今回は反省の残るレースとなった。
 「負けは負けですから。また勝負できるチャンスを自分で作っていくしかない。たくさん反省点があるし自分にも。あの位置からでも踏めるコースがあったと思うし。期待に応えられなかったのは反省です」
 稲垣裕之は力の限り逃げたが、郡司にまくられ力負け。完敗を認める。
 「(平原、郡司の)2人で中団をもつれさせて、ペースで行ければと思ってたけど、平原君の威圧感があって踏まされました。それでも平原君を7番手に置いて、あとは(稲川)翔が何とかしてくれるかと思ってたけど。僕もいつでも先行する準備は普段からしているし、どのポジションからでも行く準備はできているけど。郡司君が強かったですね。今日は今日で悔しいけど、もっと先行力をつけて、次に備えたいと思います」
 番手を回った稲川翔は郡司を止められず、「稲垣さんが良いペースで駆けてくれたけど、対処できなかった。(落車したが)怪我は大丈夫です」と、言葉少なに検車場をあとにした。
 単騎の原田研太朗は最後尾に置かれ何もできず。
 「中団が取れたらよかったけど、あれでは厳しいですね。平原さんにどっしり構えられてしまったし、僕の作戦ミス。位置取りができないとこの先はキツい」
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