『第38回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 前検日編

配信日:2月22日

 いよいよ今年のGI戦線の幕開け。第38回読売新聞社杯「全日本選抜競輪(GI)」が、高知競輪場を舞台に2月23日に4日間シリーズがスタートする。昨年のグランプリを圧巻の走りで制した脇本雄太をはじめ、S級S班9人すべてが顔をそろえて初日から手に汗握るバトルが展開されることは間違いない。激戦のその先には年末の大一番「KEIRINグランプリ2023(GP)」のキップをいの一番に手にすることができる。果たして優勝は誰の手に。前検日の22日は、500バンクで感触を確かめる選手も多く、明日からの戦いに備えて入念な調整を行った。
 シリーズ開催中の毎日、先着500人に高知銘菓をプレゼント、また予想会、北海道物産展&旨いもんグルメブースなど。2月23日の初日はラパルフェのお笑いステージ、サンドイッチパーラーによるスペシャルライブ、恐竜ステージも予定されています。なお、高知競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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北井佑季選手
北井佑季選手
 この全日本選抜がGIデビューとなる北井佑季(写真)が、オープニングに登場。前回の前橋FIでは逃げ切りで今年初優勝を遂げて、今シリーズに弾みをつけた。
 「予備からの繰り上がりですけど、初めてGIを走れるので楽しみです。1レースの1番車は期待されているあらわれだと思うので、その期待に応えられる走りをしたい。基本的な自分の走り(先行主体)をもちつつ、レースの流れを見ながら対応していきたい。ふだん通り、いつもと同じような練習をしてきました」
 その北井とのセットで岩本俊介は、一次予選から番手回り。およそ1カ月ぶりの実戦となるだけに状態が気がかりだ。
 「(初日から番手回りで)ちょっと予想外の番組でした。北井君の番手は(昨年の)京王閣記念の二次予選以来で2回目ですね。その時は自分は1着でしたけど、うまく決められなかった。今度こそ決めたいですね。(前回の豊橋を欠場しているが)行く直前にせきが出てしまったので、大事を取って休みました。少し休んでから2週間くらいは練習できたので、体調的には問題ないと思います」

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佐々木悠葵選手
佐々木悠葵選手
 前々回の松山FIが656着と一息だった佐々木悠葵(写真)は、前回の豊橋FIが113着。初日特選、準決と無傷の連勝で手ごたえをつかんだようだ。
 「松山は寝違えたりもあって、体の使い方がわからなかった。ただ、豊橋は少し良くなったので出場しました。いまはしっかり練習ができているし大丈夫。いい状態で臨めると思います。でも、(初日は)徹底先行の町田(太我)君がいて、自在の坂本(貴史)さんがいるんで難しいレースになると思います」
 町田太我は前回の静岡記念で2勝をマーク。フレーム変更が吉と出て、GIの今シリーズも期待は膨らむ。
 「前回の静岡は良かったころに使っていたフレームに戻したら、感じ良く踏めたと思います。終わってからは普通に練習してこられたので、調子自体は前回と変わらずだと思います。高知は成績もいいですし、走りやすいですね。先行が有利なイメージなので、自分のレースができるように頑張りたい」

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菊池岳仁選手
菊池岳仁選手
 奈良記念の初日に落車に見舞われた菊池岳仁(写真)は、そこから20日近く空いたローテーション。岸和田FIを欠場して、立て直してきた。
 「(落車の怪我は)ちょっと打撲とかがキツかったので、大事をとりました。そこから練習はやってきた。走ってみてですけど、問題ないかなと思います。去年(2月GIIIで)もここで走っているので、なんとなくその時の感覚があります」
 前回の奈良記念では3連対。動きも悪くなかった嘉永泰斗だが、今シリーズから新車を投入して、荒波のGIシリーズに備える。
 「前回の奈良記念はセッティングを修正して、前々回よりも良かった。けど、帰ってからの練習でセッティングをいじってみたら、しっくりこなかった。それで新しいフレームに換えます。去年GIで結果を出せていたころと同じ仕様ですね」

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山田久徳選手
山田久徳選手
 前回の小松島FIでも準決は中井俊亮に前を託した山田久徳(写真)は、近況をこう振り返り、小松島でも連係した東口善朋との初日を見据える。
 「前回の小松島は風が強かったけど、そのなかで悪くなかった。(近況の近畿勢のなかで自分も)チャンスが増えてきていると思うし、そのチャンスをつかめるように練習をしてきた。(高知は)良かったり、悪かったりですけど、あんまりイメージは良くないですかね」
 19年当所のFIでV奪取している鈴木裕は、近況は5場所連続で決勝に進出と成績も安定している。
 「調子自体は、今年に入って上向いてきていますね。(初日は)目標がいるかなって思ってはいましたけど、いないならしっかり自分で戦いたい。高知バンクは久々ですけど優勝したこともありますし、相性はいいと思う」

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渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 渡邉雄太(写真)は、前回の地元、静岡記念を1229着。決勝はシンガリも郡司浩平、深谷知広のワンツーに大きく貢献した。
 「(前回は)自分のやりたいことができた。決勝はあの緊張感で走れて、いい経験になりました。静岡記念もしっかり気合を入れていったんで、(今回は)その延長かなと。高知はFIだけど、(19年に)優勝しているんで悪くはないと思います」
 前回の前橋FIでは連勝で優出しながらも、決勝で落車に見舞われた菅田壱道の状態はどうか。
 「今年に入って2回も落車してしまいましたけど、幸いなことにフレーム自体は無事だった。怪我自体もたいしたことはなくて、擦過傷もすぐに治ったのでケアをしながら整えてこられたと思います。でも、久々のGIなので、走ってみないとわからない部分もあると思う」

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瓜生崇智選手
瓜生崇智選手
 前回の静岡記念を1471着の瓜生崇智(写真)は、2つの勝ち星以上に、準決で郡司浩平後位を巡り守澤太志に競り込んだことが大きかったようだ。
 「(昨年12月に)落車してろっ骨を痛めて、そのあと1月があっ旋停止だった。体を整えながらでやったのが、前回の結果ですね。自分のなかでは準決はすごく課題が見つかった。2勝できているけど、それ以上に守澤さんに胸を借りてジカでいかせてもらったことですね。言葉では表しづらいけど、自分なりに勉強することがたくさんあった」
 稲川翔は、前回の松戸FIを3連勝。今年2度目の優勝をラインに感謝しながら、口を開く。
 「前回の松戸は前も頑張ってくれましたし、自分もやることやって勝てたので悪くなかったですね。終わってからはさらに上積みできるようにと思って、やれることをしっかりとやってきた。結果を出せるように頑張りたい」

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吉田有希選手
吉田有希選手
 高知バンクが初めてとなる吉田有希(写真)は、GIでの舞台に胸を躍らせる。前回の立川FIが途中欠場だが、心配はなさそうだ。
 「(高知は)来る機会がなかったのでワクワクしています。(同じ500バンクの)大宮とかがすごく好きなので、それと似た感じならいいですね。状態も冬場にしてはいいですね」
 宿口陽一は前回の豊橋FIを優勝。昨年11月の京王閣記念以来のVで波に乗り大一番を迎える。
 「去年は走る前からメンタルで負けているレースもあって、全然ダメで結果を残せなかった。けど、去年の最終戦だった伊東の最終日にいい走りができた。気持ち的にも吹っ切れて、今年はここまでいい感じで走れていると思います。(吉田)有希君とは大宮記念で3日間もお世話になりましたし、相性はいいと思う。初日と決勝は3番手回りでしたけど、2日目は番手を回ってワンツーでした」

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山中貴雄選手
山中貴雄選手
 およそ1カ月半ぶりの実戦となった前回の小倉FIが115着。レース勘をつかだ犬伏湧也が、GIでどんな走りを見せてくれるのか楽しみだ。
 「休んでいた期間にしっかりと練習ができた。それで(小倉の)レースでも、自分が思っているようなことができたかなと。ただ、決勝は踏み合いになって対応し切れないところがあった。高知はS級でも何度か走っていて、成績はいい方かなと思います」
 地元、高知からただ一人の参戦となった山中貴雄(写真)は、通算の勝ち星が299。地元の大舞台でメモリアルを達成したいところだろう。
 「年が明けて何回か連続で体調を崩してしまった。それでどうかなっていうのがあった。けど、直前で良くなってきた感じがありますね。(地元のGIっていうことで)今月に入ってすごく緊張していたけど、それもほぐれてきました」

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松井宏佑選手
松井宏佑選手
 成績も安定して、勝ち星を順調に積み重ねている近況に松井宏佑(写真)が、こう振り返り、GIを意識する。
 「(昨年ナショナルチームを退いて)競輪一本に絞って、それで気持ちもうまく切り替えられた。郡司(浩平)さんとも一緒に練習する機会が増えて良くなっていると思います。(昨年は)GIでしっかり結果が残せなかった。今年一発目のGIで、少しでも目立てるように」
 前回の奈良記念から2週間以上空いた和田健太郎は、セッティング面での上積みがありそうだ。
 「前回の奈良記念は日ごとにセッティングを考えながら走っていて、帰ってからもう一度煮詰めてきた感じですね。やっと方向性が定まってポジションも出せました。ここ最近は松井君とかなり連係していますし、いいレースをしてくれるので信頼して任せます」

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新田祐大選手
新田祐大選手
 決勝では近畿勢の結束力に5着に沈んだ新田祐大(写真)だが、準決ではアクシデントがありながら驚がくのまくりを披露した。14年以来、久々となる当所で持ち前のパワーを爆発させたい。
 「(前回は)難しいレースもあったけど、なんとか決勝まで勝ち上がることができた。決勝は阿部(拓真)君が頑張ってくれたけど、結果につながらなかったので悔しかった。全日本選抜は去年も成績が良かったし、悪いイメージはない。(高知は)軽かったイメージはあるけど、すごい久々なんで。冬場の雰囲気はわからないので、(指定練習で)乗ってみてからですね」
 松浦悠士は前々回の豊橋記念、前回の静岡記念から上昇カーブを描いているようで、GI仕様の走りが期待できる。
 「(調子は)だんだん上がってきていると思います。(試行錯誤したセッティングは)とりあえずは元に戻す形で落ち着いています。年明けの発熱でやりたい練習ができなくて、計画的にはできなかった。けど、状態的には変に悪いとかはない。状態を上げることを意識してきたので、(前々回、前回の)豊橋、静岡よりは上積みがあるかなと」
 直近の5場所で4Vと乗れている眞杉匠に、初日特選は関東3車のラインができあがった。
 「練習の感じもいいし、流れもいいと思う。その流れで今回も走れたらと思います。(今年最初のGIで)いいスタート切れるように、優勝を目指したいですね」

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古性優作選手
古性優作選手
 昨年はグランプリを制した勢いを持ち込むように全日本選抜を制した古性優作(写真)は、連覇をできるだけのデキにもありそうだ。
 「今年一発目のGIですし、しっかり優勝をしてグランプリに乗りたいですね。(前回の)奈良記念では本当にお客さんに迷惑を掛けたので、気を引き締めて頑張りたい。しっかりとトレーニングができているんで状態は悪くない」
 深谷知広は、前回の地元、静岡記念を2212着。決勝は渡邉雄太の番手から、ラインの郡司浩平とのワンツーでシリーズを終えた。
 「(前回のあとは)しっかりと休みと練習を分けてやってきました。(前回もそうだけど)まだ自分が番手を回ることで、(ラインに)厚みが出せるかはわからないけど。そこは精進していきたい。高知はすごく走りやすいイメージです。(初日は)メンバー的にもそうですし、神奈川が2人いるので自分が前が自然かと思います」
 郡司浩平は、前回の静岡で昨年10月の熊本記念以来の優勝。グランプリを含めて決勝ではなかなか結果がついてこなかっただけに、この優勝が弾みになる。
 「決勝で結果が出てなかったところで、前回(静岡)でこうやって優勝っていう形でいい流れで入れた。その辺りは、いい状態で臨めるのかなと。(500バンクは1月の記念で)大宮で走れたので、そのイメージもありますし。また違う500バンクだけど、走りやすいのかなと」

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脇本雄太選手
脇本雄太選手
 グランプリを含めて昨年の競輪祭からの連勝を11まで伸ばしていた脇本雄太(写真)だったが、前回の奈良記念初日で練習がストップ。さらに持病に腰痛が悪化して、途中欠場に追いこまれた。
 「(前回を腰痛症で途中欠場して)前々回の豊橋の準決から痛み自体はあった。なんとか乗り切れるかなと思ったんですけど、奈良の初日の段階で限界を迎えてしまった。これ以上走り続けるのは、自分なりに厳しいなと。(ここまでは)腰の治療に専念して1週間休んで、徐々にリハビリをしてっていう感じです。練習はわりと普通にできたけど、満足がいくかと言えばそうではないですね。グランプリチャンピオンユニフォームをまとっている以上、責任をもって今節はしっかりと走りぬきたい。最初のGIだけあって優勝したい気持ちもあるんで、そこに向けてしっかりと頑張りたい」
 三谷竜生は、前回の地元、奈良記念を4連勝の完全V。状態の良さが目を引いた。
 「(前回の完全Vは)体調も、調子も良かった。(地元の奈良に向けてというよりも)いつも通りのなかで気持ちを上げていって、調子が良くなった感じですね。前回もしっかりと結果が出せたので、今回も結果が出せるように頑張りたい。(初日に連係する脇本は)強いし、付いていって抜けるか抜けないかの勝負になると思うので、しっかり抜けるように」
 新S級S班として内容のある走りをしている新山響平だが、結果がついてこないこともあり、もどかしさを感じている。
 「結果が出せなくて手応えもないので、悔しい状況が続いてますね。(S班になって)去年よりも着にこだわろうと思って、考えて走っているんですけどそれがうまくつながってない。いい結果が出せていないです。年末のグランプリが終わってからは、ここに向けて練習のメニューを組んできた。記念は疲れがあったりもしたんですけど、今回は疲れもしっかり取れて万全の状態できた。それがどう出るか楽しみです」