『令和6年能登半島地震復興支援競輪 第39回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 初日編

配信日:2月9日

 24年のGI戦線がスタート。岐阜競輪場で令和6年能登半島地震復興支援競輪・第39回読売新聞社杯「全日本選抜競輪(GI)」が、2月9日に幕を開けた。初日のメイン、特選では深谷知広、新田祐大、稲川翔が1着。2日目の「スタールビー賞」に進んだS級S班は、深谷と清水裕友の2人だけ。あとの7人は二次予選まわりを余儀なくされて、新S級S班にとっては厳しいGIの船出となった。2月10日のシリーズ2日目には、初日特選を勝ち上がった9人による「スタールビー賞」が行われる。V戦線を見据える意味でも見逃せない。
 GIシリーズは開催中の毎日、1000人に岐阜競輪オリジナルパッケージの「カニチップ」を先着でプレゼント。ケータリングカーによる「食の全日本選抜」、KEIRIN4D体験などが予定されています。また、2月10日の2日目には、「ANZEN漫才」のお笑いライブ、「岐阜信長公おもてなし集団響縁」の甲冑体験、「名輪会」のトークショーなども行われます。岐阜競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

第39回読売新聞社杯全日本選抜競輪開会式
第39回読売新聞社杯全日本選抜競輪開会式
昨年の覇者、古性優作選手から優勝杯の返還
昨年の覇者、古性優作選手から優勝杯の返還
20回連続出場で表彰を受ける岩津裕介選手
20回連続出場で表彰を受ける岩津裕介選手
敢闘宣言をする山口拳矢選手
敢闘宣言をする山口拳矢選手
特別選抜予選10Rゴール
特別選抜予選10Rゴール
10R1着、深谷知広選手
10R1着、深谷知広選手
特別選抜予選11Rゴール
特別選抜予選11Rゴール
11R1着、新田祐大選手
11R1着、新田祐大選手
特別選抜予選12Rゴール
特別選抜予選12Rゴール
12R1着、稲川翔選手
12R1着、稲川翔選手

<1R>

小林泰正選手
小林泰正選手
 谷口遼平が切った上を、渡邉一成は赤板2コーナーで押さえて先頭に立つ。小林泰正(写真)が打鐘で叩きに行くが、渡邉がペースを上げて先行策。浮いた小林は中団に降りて、ラインのアシストもあり5番手に入る。香川雄介が連結を外して、谷口が4番手をキープして最終周回へ。小林が2コーナー手前から発進して北日本勢に迫ると、山崎芳仁が合わせて番手から踏み込む。番手まくりの山崎に踏み勝った小林が、今年最初のGIのオープニングを制した。
 「今日(初日)は正直、悔しいですね。先行主体に考えていたので。(渡邉が)半端ないダッシュで、あのまま踏んでいっても踏み合いになったと思う。脚をためて後ろを確認してから行った。もうちょっと早く行ければ良かったんですけど。ラインで決まる競走がしたかった。(近況の成績が上がってきているのは)単純に去年、眞杉(匠)がGIを優勝して同期が獲って悔しい気持ちがあった。練習量が増えたのが、成績が上がってきている要因だと思います」
 最終ホーム付近では内に香川の影を感じていた雨谷一樹だが、小林のまくりに流れ込んで2着。
 「S取りくらいしかできなかったですけど、小林君が強かった。踏み出しはキツかったですね。(最終)ホームで迎え入れた時にバックを踏んだので、そのあとの加速がキツかったです。必死でしたね。本当に小林君が強くなっていっている。状態的には悪くないと思います」

<2R>

松本貴治選手
松本貴治選手
 前受けの松本貴治(写真)は、赤板1コーナーで吉田拓矢の上昇を阻んで突っ張る。浮いた吉田が下げたタイミングで、福永大智が仕掛ける。打鐘過ぎに福永が主導権を奪い山田久徳まで出切る。しかしながら、松本は3番手に飛び付いて柴崎淳と併走で最終ホームを通過する。逃げる福永後位の山田が車間を空けて、3番手は松本が取り切る。立て直した吉田がまくりを打ち、3コーナー過ぎに松本が合わせて踏み込む。2センターで吉田に押し込まれた阿竹智史が落車して、柏野智典、吉澤純平、阿竹智史が巻き込まれる。直線で伸びた松本が1着。
 「(吉田が)切ったら、その上を(福永に)行かれるだろうなって(吉田を突っ張った)。福永がそんなに勢い良くなかったんで、3番手で引けずにあの位置になってしまった。3番手じゃなくて、しっかりと引き切って態勢を整えて早めに行けば後ろの2人も…。それが自分だけになってしまった。体調は良くない」
 福永が駆けて山田久徳には好展開も、真後ろのポジションを松本が奪い、直線は両者の追い込み勝負。山田が1輪、交わされた。
 「(松本が)突っ張って踏み合ったんで、(自分たちには)行きやすくなった。その分、(柴崎)淳さんがからまれる形になった。一瞬、僕のところかと思った。(先行した福永は最終)バック過ぎくらいまでは残る感じだった。そのあとに松本が仕掛けてきて、タレてきた。自分は付いている分には悪くない」

<3R>

皿屋豊選手
皿屋豊選手
 赤板2コーナーで押さえて出た皿屋豊(写真)がペースを握る。一本棒の8番手の根田空史は、打鐘手前から巻き返して出る。踏み上げながらうまく南関勢を受けた皿屋が、3番手を確保する。車間を詰める勢いでまくった皿屋は、小原太樹の猛ブロックをこらえてゴール前で逃げる根田をとらえた。
 「(自分で押さえたあと根田が)来なければ駆けてもいいなって思いながらでした。正直、ペースで行ければって思ったんですけど、(打鐘過ぎ2)センターで(根田が)真横にいたので焦りました。あとはタイミング見ていければと思って。(最終)2コーナー、バックで流していたので行っちゃえって感じでした。ブロックをいただいて、アクシデントもあったんですけど。もっときれいにまくり切れればラインで決まったかなって」
 小原と接触した川口公太朗が、最終4コーナー手前で落車。アクシデントを避けながら6番手から大外を踏んだ坂本貴史が2着。
 「(周回中は)一番嫌な並びだったんですけど、内、外を気にしながら根田さんが来たら一緒にいって3番手を取ってもって思ったんですけど。皿屋さんの横までいければ良かった。ただ、変に締まってバックを踏むのが嫌だった。落車もあったのでなんとも言えないですけど、アップから集中できていた」

<4R>

末木浩二選手
末木浩二選手
 中団から伊藤颯馬に合わせて踏んだ渡邉雄太を、前受けの三谷竜生が突っ張る。伊藤はタイミングを取り、赤板2コーナーから仕掛ける。伊藤が主導権を握り、三谷が3番手に飛び付く。後方の渡邉が打鐘4コーナーから反撃に出て、先行策の伊藤も最終ホームからさらに踏み上げる。渡邉の加速に山賀雅仁は遅れて、そこを単騎の末木浩二(写真)がまくる。井上昌己が渡邉を止めて、短くなった前団を末木がのみ込んだ。
 「うまく判断できたし良かったと思います。このメンバーでの1着はすごい自信になります。渡邉雄太選手がまくっていったところをうまく目標にして、いい感じで吸い込まれながらいけた。思ったよりも余裕があって冷静にいけた。調子はいい」
 近畿ライン3番手の椎木尾拓哉は、最終バックでは山賀にかぶっていたものの、3コーナーから末木のまくりを追いかけて2着。
 「(周回中は)並び的に一番嫌な感じだったけど、(三谷が)一度突っ張ってくれた。あとは(三谷)竜生がどうするのかだった。引くのか、そのまま(3番手で)粘るのか。伊藤君もうまいピッチで駆けていた。そのあとは最終バックを過ぎていたんで、外を踏ませてもらいました」

<5R>

坂井洋選手
坂井洋選手
 坂井洋(写真)が伊藤旭を押さえて、そこを北日本コンビが飛び出す。小松崎大地が打鐘で主導権を握り、坂井は3番手に収まる。そのまま小松崎の先行でレースは流れて、一本棒の隊列で最終周回。坂井が2コーナー手前から踏み込んで、和田圭のけん制を乗り越える。後ろの高橋築はからまれるが、小松崎をまくり切った坂井が1着。
 「前々にしっかり、仕掛けられれば仕掛けて、ダメなら位置を取ってと思っていました。正直、もう少し早く行きたかったんですけど。タイミングが難しかったですね。斜行、蛇行であおられて、無理やり行った感じです。出切ってからは、自分がもつようにペースに入れた。自信はなかったんですけど、1着が取れているので感じは悪くないと思います」
 高橋が和田にさばかれて、関東ライン3番手の諸橋愛は、和田の内をするりと抜けて2着に追い込んだ。
 「なんとかっていう感じですね。ジャン過ぎのところでずっとあおられていて、あれで脚が削られましたね。(最後のコース取りは)空いたので良かったです。(和田に弾かれた高橋が)耐えられていたら(自分は)3着ないし、着外の可能性もあったと思う」

<6R>

和田真久留選手
和田真久留選手
 松本秀之介に突っ張られた岩本俊介は、落ち着いて赤板1センターで3番手に入る。そこを7番手の町田太我が仕掛けて、前団に襲い掛かる。松本も合わせて抵抗するが、打鐘4コーナーで町田が叩き切る。3番手が松本と橋本強でもつれ、6番手の岩本が最終バック手前から踏み上げる。好スピードでまくり切った岩本を、和田真久留(写真)が差し切った。
 「松本君が切らせないように踏んだんで、それが岩本さんにはいい感じになりましたね。(岩本がまくって)小倉(竜二)さんが(ブロックに)来るなら僕のところかなって思ったので、岩本さんに差し込みながらのイメージだった。ここまできたら(岩本と)ワンツーを決められると思ったんで良かった。(感じも)思ったよりも良かった」
 南関ワンツー。まくりで仕留めた岩本俊介が、ホッと一息ついて口を開く。
 「突っ張りも想定していたんで、あとはうまく(中団に)入れるかでした。松本と町田がジャンくらいでいいスピードで踏み合っていた。それで出番が来たなって。(踏み出しは)思ったよりは良かった。(脚の調子も)ここ最近ではめずらしくマシかなって感じがします」

<7R>

森田優弥選手
森田優弥選手
 野田源一が切って出るが、取鳥雄吾はすんなり下げずに内に包まれる。そこを単騎の岡崎智哉が出て、打鐘で先頭に立つ。森田優弥(写真)が叩いて、岡崎はインで粘り鈴木竜士と番手の取り合い。取鳥も3番手を竹内智彦と併走で最終ホームを迎える。後続が併走の渋滞になったまま、森田はペースで駆ける。2コーナーで岡崎が番手を奪い、後ろには取鳥が続く。まくった野田は不発。直線で別線の追撃をしのいだ森田が押し切った。
 「すんなりの展開で先行しようと思っていたので、意外な展開になりました。でも、しっかり(先行)できて良かったです。(打鐘付近からは)もう自分のもつ距離だったので前に出てと思っていた。もつれていたのはラッキーでした。展開に恵まれました」
 単騎の岡崎智哉は、別線の動向を見極めて上での番手勝負。鈴木から森田の後ろを取り切った。
 「流れのなかで、なんとかできるようにって考えていました。自分の脚力的にあそこ(打鐘付近で外併走の位置)で勝負しても、森田君に行かれてしまうんで。野田さんは駆けないだろうし、(叩きに行ったのは)まだ余力はあったので。(森田ラインを出させて)切れ目まで引いたらチャンスはなくなってしまう。このメンバーで2着に入れているんで悪くないですね」

<8R>

荒井崇博選手
荒井崇博選手
 中団の北津留翼に一度併せ込んだ菊池岳仁は、赤板1コーナーから再び踏み上げて主導権を握る。北日本勢が中団に収まり、7番手になった北津留は最終ホーム手前からスパート。逃げる菊池もペースを上げるが、スピードの差は明らかだ。宿口陽一のけん制を外を踏んだ北津留が乗り越える。続いた荒井崇博(写真)が、まくり切った北津留を余裕をもって追い込んだ。
 「(北津留は)2パターンでした。前を取ってからか、(中団の)あの位置からフタをされてどう対応するのか。もう(北津留)翼が全部、強かった。(最終)3コーナーのところはやめなかったし、あと抜けるか抜けないかは運次第。自分は意外と楽だったけど、翼は消耗していたんでしょうね」
 ロングまくりで荒井と人気に応えた北津留翼は、汗をぬぐい、いつもの笑みを浮かべる。
 「(菊池に)フタをされたけど、意外とすぐに行ってくれた。それで自分の行くタイミングができたんで良かった。(宿口に)止められたかと思ったけど、なんとかですね。(宿口のけん制でスピードが)1回死んだけど、距離も短かったんでもう1回いけた。あれで(宿口に)前に踏まれてたら終わってました。荒井さんが強かった」

<9R>

北井佑季選手
北井佑季選手
 赤板過ぎに外の窓場千加頼にいったんは前に出られた北井佑季(写真)だが、コーナーに入り内から盛り返して主導権は渡さない。浮いた窓場が下げて、北井はペースを落として打鐘を迎える。3番手は佐々木悠葵と岡村潤の併走になり、佐々木豪は6番手。最終ホームから再度、踏み上げた北井は、快調にペースを刻む。3番手を踏み勝った佐々木悠、佐々木豪のまくりを退けて、番手の和田健太郎も振り切った北井が1着。
 「(別線は)たぶん誘導のルールを使ってうまく切りに来るのかなって思っていた。細切れだったので絶対(突っ張り先行)ってわけではなかったですけど。切り方を見ながらっていう感じでした。(突っ張ってからは)うまく来るところを見ながらペースで駆けられたと思います。どの位置にカマして来る選手がいるのかっていうのを。道中がスローペースだったので、脚を使わずに逃げ切れたと思います」
 近況、勝ち星量産の和田健太郎でさえ、北井をとらえることはできなかった。
 「(北井の強さは)どうなっているんでしょうね。自分は自信が最初からなかったですけど。残り3周からっていうのは考えていなかったです。早めに押さえに来るとは思っていましたけど。(最終)ホームで確認したら(岡村が)併走になっていた。それで最低限、空けないようにって。(北井は)最後までペースが落ちなかった。あと半周くらい行けるんじゃないですかね」

<10R>

深谷知広選手
深谷知広選手
 前受けの脇本雄太が嘉永泰斗を突っ張って、そこをすかさず松井宏佑が仕掛ける。赤板2コーナーで先頭に立った松井がペースを緩めて、そこを嘉永が踏み込む。山田庸平は追い切れず、4番手に嘉永が入り、脇本は1車下げての5番手で最終ホームを通過する。バック手前からまくった嘉永だが、渡部幸訓の横まで。駆ける松井の後ろで車間を空けた深谷知広(写真)は、直線入り口で松井を交わして抜け出した。松井を利して勝ち星をつかんだものの、反省を忘れない。
 「ワッキー(脇本)が(嘉永を突っ張って)踏んだ時点で、想定よりいい流れになりました。松井も落ち着いて追いかけてくれて、いい先行だったので(ラインで決まらなかったのは)自分の判断が良くなかったのかと思います。嘉永が踏み込んできていて、そこは止まる感じがあった。ただ、ワッキーも(山口)拳矢もいますし、そこの判断力があとでレースを見直して反省したい。前が強かったので、それに乗っかっただけです。(脚の感じは)悪くないと思います」
 最終3コーナー過ぎに脇本のスピードが鈍る。南修二は俊敏に追い込んで2着に届いた。
 「嘉永が来たんで、(脇本は)そこをどう対処するかでした。(仕掛けた脇本が)出切れるなら付いていって、不発ならなんとか1着を目指してと。自分の脚の方は問題ないです」
 近畿3番手の東口善朋は、最終4コーナーから中のコースを選択。直線では狭いスペースを紙一重で抜けて3着。
 「脇本君が位置を取る競走をしてくれたんで、僕らにもチャンスができた。あとはコースだけを見極めてと思ってました。(最後の直線はスピードが)止まらなかったし、勇気を振り絞っていきました。雰囲気も脚も悪くないので、自分に期待したい」

<11R>

新田祐大選手
新田祐大選手
 赤板1コーナーで眞杉匠が切って出て、新田祐大(写真)は3番手に引く。古性優作は5番手で、7番手でタイミングを取った犬伏湧也は、打鐘手前から巻き返す。抜群の加速に3番手の山田英明も離れながら食らいついて3車で出切る。犬伏ラインを追いかける古性を、眞杉が最終2コーナーでさばく。浮いた古性はもう一度踏み込むが厳しい。後方の新田はバックからまくる。犬伏を利して清水が追い込んだが、ゴール前で新田がわずかにとらえた。
 「眞杉君が出て、スピードが上がってからの犬伏君のカマシだったので、(眞杉が)あの位置は死守してくるだろうと。そうすれば合ったタイミングで、自分のポイントがくると思っていました。山田さんが遅れていて、古性君がいったのでタイミングはズレてしまいましたけど。眞杉君が古性君をブロックして、平原(康多)さんが内に行った。清水君が出ていく感じだったので3着くらいかなって思ったんですけど。最後は1着まで届くと思わなかったです。反応してくれていますし、悪くないと思います」
 微差の2着も清水裕友は強烈な犬伏の仕掛けにも助けられて、2日目はスタールビー賞に進んだ。
 「(犬伏のカマシは)強烈でした。初手はあれで良かったです。あとは犬伏君がカマせるかどうかだったので。(ラインの)3人で出切って、(古性が)中団に追い上げにきていたので、(最終)バックでのまくりはないかなって。最後は大外の新田さんの勢いがすごかった」
 山田英明にとっては、ズレてくる踏み出しのタイミングを取るのが過酷なライン3番手。それでも山田らしい、あきらめない走りで清水に食い下がった。
 「犬伏君と清水君の走り方に任せていました。見ての通りシビレました。最低限ですね。いっぱいでしたけどちぎれなくて良かったです」

<12R>

稲川翔選手
稲川翔選手
 近畿勢が前団に構えたことで、展開はガラリ一変した。寺崎浩平が、新山響平を突っ張り、4番手に松浦悠士、郡司浩平が5番手。一度は下げかけた新山は、打鐘3コーナーから再度アタック。寺崎も出させず、松浦、郡司の展開に思われたが、2人とも包まれて出られない。新山が後退して、寺崎が主導権を死守。4番手で松浦と佐藤慎太郎、5番手で郡司と成田和也の併走になり、最終バックを迎える。番手の稲川翔(写真)は、後続を引きつけて直線で追い込んだ。
 「(スタートは)正直、取れるとは思わなかった。1個でも前の方が、寺崎ものびのびと走れると。(あの展開で別線が)どんどん来ると思ってた。松浦も郡司も来なかったのが予想外だった。それで僕が逆に焦ってしまった。あそこまでいって(寺崎の頑張りを)ムダにしたくなかったので、せめて後ろの(村上)博幸さんとって。振り返ってみたら、違う形にしておけば良かったっていうのはある。けど、結果、ああいう形になった」
 近畿3番手の村上博幸は、寺崎と稲川の間を伸びて2着。
 「自分は後ろに松浦がいたのがわかったんで、しっかりと内を締めることを考えていた。寺崎も2周いっているんでキツかったと思う。あとは(稲川)翔が考えて走ってくれると。気持ちに余裕はなかったけど、絶対に3番手の仕事をしようと。そのなかでの2着は、いまの自分にとってはうれしい。自転車の感覚は戻ってないけど、脚は軽かった。アップの時は回転が出てないかなと思ったけど軽かったですね」
 最終3コーナーに突入しても郡司にコースが開かない。やむを得ず2センターから外に持ち出した松谷秀幸が3着に届いた。
 「いつも通り(郡司)浩平が行けるか、行けないかだと。浩平は悩んで内に行って、(詰まって仕掛けられず)本人が一番悔しいだろうと思います。とりあえず浩平って思ってたけど、(最終)3コーナーに入ってあれ以上待っても(勝負権が)ないから外を行きました。無我夢中でわからなかったし、いけるところまでっていう感じでした」