配信 2003年11月22日



若生武則の第19回全日本選抜競輪レポート(2日目編)
今日は四国勢の活躍がとても素晴しかった一日でしたね。さすが地元のビック開催です。気合の入り具合がまったく違ったのでしょうか。 

こんにちは、けいりんマガジンの若生です。
今日は昨日と天候ががらっと変って、気温は下がり、風も穏やかになり、選手たちも走りやすかったようです。しかし、レース内容は、ヒートアップしてきました。グランプリが掛かっている選手たちの勝ちあがりに掛ける意気込みは半端なものではありません。勝ちあがれず己の手でグランプリの切符を獲得できず、運を天に任す選手達の落胆ぶりや、勝ちあがり、この全日本選抜のタイトルを獲得することによって出場できる選手達の強引に自分に運を向ける強さを感じることの出来た一日でした。

明日はよりいっそう選手達の激しい走りが観戦できるはず。必ず、ご覧くださいね、出来れば高知競輪場で、でなければお近くの競輪場やサテライト、テレビなどで。魂の走りが見られるはずですから。
→二次予選は
→ダッグアウトから
→私的3日目の展望
■二次予選は
<7R>
新田康仁の後ろで小橋正義と渡辺一貴で競りが最終バックまで決着がつかず、やっと小橋が取りきったところを吉岡稔真が一気に捲り、1着。2着は番手の加倉正義。3着に幸田光博。グランプリが掛かっている小橋は8着と勝ちあがれず、賞金争いの中で、最終日までグランプリの出場権はもつれそうな雰囲気が一気に漂った。
<8R>
荒井崇博と小嶋敬二の先行争いの間隙を衝いた児玉広志がゴール前追い込んで1着。2着には先行争いを制した小嶋、3着には神山雄一郎の番手の高橋光宏が直線追い込んで入線。
 
  <9R>
佐々木則幸が山内卓也を一気に叩いて先行、最終3コーナーで長塚智広が捲ってきたところを、佐々木の番手の小倉竜二がブロック。ゴール前、粘る佐々木を小倉が差して1着。2着に佐々木。3着に山内の番手の一丸安貴が入線。
<10R>
海老根恵太が渡邉晴智、後閑信一、星島太を率いて、最終ホーム前から先行。人気の山田裕仁は7番手に置かれ、捲って出たが捲れず、ゴール前伸びた3番手の後閑が1着、2着に渡邉、3着に逃げ粘った海老根。
 
  <11R優秀>
村上義弘が残り一周前から一気に先行。そのままかと思われたのだが、村上の3番手の堤洋が最終的に追い込んで1着。2着には最終バックでは後方だった澤田義和が伸びて入線。3着には伏見俊昭。村上の番手の山口富生は4着だった。
<12Rスタールビー賞>
松岡彰洋の先行一車のレースのはずだったが、松岡は最終ホーム仕過ぎまで動かず、発進したのは、前受けしていた佐藤慎太郎だった。あっさり捲られるのこと思ったのだが、佐藤は強靭な粘り足で松岡の捲りを封じ、2着。佐藤番手の有坂直樹がゴール前差して1着。3着には最終4コーナーで内をついた新藤敦が入線。
 
 


■ダッグアウトから
<1R>

捲った兒玉慎一郎
「風が押してくれました。郡(英治)くんがついてくれたしね。今日もですけど、昨日も脚は軽かったですよ」昨日の強風の中、脚が軽かったと言ったのは兒玉だけ、それだけ好調の証なのだろう。<写真:兒玉選手>

兒玉の番手についた郡英治「ここに来るまで中3日といっても、子どもの検診やら七五三やらで練習不足だったし、前検日も雨だったんでね…。前が強くて、僕が弱かっただけです」


<2R>

2日目から補充の井上昌己は果敢に先行策
風は吹いてますね、向かい風でした。今日は欲を言えば2着には来たかったですね。昨日は何もしなかったんで、いい休養になりました」<写真:井上選手>

前反祐一郎は「ここは外伸びませんね、『あれっ? あれ?』って感じで。だから内が伸びるんでしょうね。特にバンクの好き嫌いはないんですけど、500は周回が少ないんで損した気分になりますね(笑)。昨日は慣れないことしちゃったから、あの後ずっと寝てました(笑)」


<3R>
■テツオコンビのワンツーが決まった
番手についた増田鉄男は「(渡部)哲男のおかげです。風は昨日に比べて、道中は気にならんかったです。抜きに行った時ドーンッときたくらいですね」<写真:増田選手>

捲った渡部哲男は「調子は悪くないと思いますよ。…昨日はどんなに調子良くても残らなかったと思います…」

<4R>
カマす濱田浩司の番手についた1着の川口秀人
「もう後ろが全く見えなかったから、この展開で誰かに抜かれたら濱田に悪いと思って、思いっきり行ったら、皆まだ30メートルラインのところにおったんですね。思いきり抜きに行き過ぎて、カッコワルッ(笑)」


<5R>
逃げ切った稲垣裕之
「落ち着いて走れたのもありますけど、(小さな声でこそっと)ちょっと余裕もありました( にやり)。これがG1初勝利です」
<写真:稲垣選手>

金古将人は「調子は昨日よりもいいですね。本当は思いっきり行きたいんですけどね…」

<6R>
金子貴志の先行を捲り追い込んだ石丸裕之
「金子と昔からタイプが同じなんで、あいつの考えることはわかるんですよね。…昨日は勝ちたかったですね。でも、昨日と風が全然ちがいますよ」<写真:石丸選手>

金子貴志は「兵藤(一也)が来たのはわかったけど、イン切られたら終わりじゃないですけど、(加藤)慎平のレースもあったし、行くしかないじゃないですか」

<7R>
1着の吉岡稔真
「やっぱり、ろっ骨が痛いんで無意識にかばっちゃうんですよね、反対側の方ばっかり力入っちゃって、朝起きるとろっ骨が痛むし…。痛みがとれればいいんですけどね。まぁ、なんとかして、明日もがんばります」

<8R>
荒井崇博と主導権争いをした小嶋敬二
小嶋は「荒井のアホがね、後ろばっかり見ているからね」
<写真:小嶋選手>
対する荒井も「小嶋さんあんなに強かったんですね。ただのでぶじゃなかったんですね」
小嶋「アジアチャンピオンなめるなよ! 元だけどね」

<9R>
昨日に引き続き、先行の佐々木則幸
「後ろ見えなかったんですけど、オグ(小倉竜二)がしっかりブロックしてくれたみたいですね。後ろがしっかりしてれば、行きやすいですよね。今日は、うまいこと、オグに抜かれないように行ったつもりだったんですけど、高知記念のようにはいかんかったですわ(笑)」


<10R>

海老根恵太ラインの3番手にから抜け出し1着の後閑信一
「海老根は強いですね。久しぶりですよ、特別の準決勝なんて」
<写真:後閑選手>

渡邉晴智も「海老根くん強いです」と海老根を大絶賛!

その海老根は「余裕があるつもりだったんですけど、いっぱいいっぱいでした」と言いつつも、初の特別準決勝進出に笑顔をみせた。


<11R>
2着の澤田義和
「調子は悪くないですね。高城(信雄)についてこうと思ったんですけど、高城が止まったから、ついてったらあかんわ思って」
<写真:澤田選手>

高城信雄は「全然タイミング合いませんでした。でも、村上(義弘)さんと叩き合いたくないし、そこらへん難しいですね…」

先行した村上義弘は「かかり悪いですね。自分のスピードに乗ってない…」

<12R>
先行した佐藤慎太郎
「先行したのなんて3年ぶりですよ。今日は飛びつこうと思ったんですけどね。松岡(彰洋)さんは一気に来るだろうと思ってたんだけど、見たら後ろ見てたし。有坂(直樹)さんに怒られるよりはと思って行きました。有坂さんにどうしますって聞いても先行の作戦しか言ってくれないんですもん。『カマせ』とか『かぶせてから行け』とか。もう、敢闘門で吐きそうでしたよ。もう、脚パンパン。先行選手ってすげぇ」と疲れた表情。マークした有坂直樹は「慎太郎強いよ~。誰も来なかったら『飛びつきます』って言ってたから、『いいんじゃない』って言ってたんですよ。それで、踏んだから、飛びつくのかなって思ったら、キュキュキュって合わせて行っちゃてさ。強いわ」<写真:佐藤選手>

佐藤は、同県の伏見俊昭に「先行の佐藤さん! 明日、お前と一緒になっても行かない。だってお前の方が行きっぷりいいもん」といじめられ、記者には明日から新聞の戦法変えときますねと言われ「やめてくださいよ~。もう、先行はしません!」と必死になる場面も(笑)。

松岡彰洋は「考えが甘かったです。顔見せとレース中の風向きがちがったんです。追い風のところめがけて踏んでいったら、向かい風で…。でもバックで出られるかなって思ったんだけど…
 
■私的3日目の展望
8R特選
稲村成浩-兵藤一也、高城信雄-前田拓也、石丸寛之-室井竜二、梶應弘樹、土屋裕二-新田康仁。
積極的な高城が逃げる展開になるだろう。後は誰がどこから仕掛けるのかが気になる。しかし、土屋の後ろに新田がついいているので積極的に動くのであればここも。私的には、石丸から入りたい。
9R特選
濱口高彰-萩原操、太田真一-神山雄一郎-山田幸司、渡部哲男-山原利秀-川口秀人、星島太。
渡部哲男が積極的に仕掛けるはず。そこを太田が捲るか、濱口が番手に跳びついてくるかだろう。ここは地元の山原に私は頑張ってもらいたいと思ってるのだが。
10R準決勝
吉岡稔真、渡邉晴智、堤洋-小倉竜二、有坂直樹、松岡彰洋-一丸安貴、高木隆弘、澤田義和。
松岡の先行一車のようで、仕掛けが遅ければ吉岡も堤も先行してしまうような気がする。私が気になるのは澤田と吉岡。展開がどうというより入ってくるような気が…というレベルなのだが。
11R準決勝
小嶋敬二-山口富生、幸田光博、伏見俊昭-佐藤慎太郎-佐々木龍也、佐々木則幸-小川圭
二、後閑信一。
先行は佐々木則幸だろう。そこを小嶋が捲るか、伏見が捲るか。ただ、佐々木が遅いと伏見は積極的に出るだろう。私は、二日目強かった佐藤の伸び脚に期待したい。
12R準決勝
小野俊之-児玉広志、海老根恵太-鈴木誠-新藤敦-高橋光宏、村上義弘-大井啓世、加倉
正義。
小野が強気にいけば、先行の番手で粘るはず。村上の後ろは大井と加倉でもつれそうで、積極的に出ることが出来るのだろうか。小野が海老根の番手で粘れば村上が来そうな気配。私的には村上と今回、とても気合が入っている児玉との絡みで考えたい。
 



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