『第22回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 2日目編
 
配信日:12月3日
 


スタールビー賞・ダイジェスト

 細切れラインの戦いとなったが、小嶋敬二―合志正臣が前受け。この後ろに海老根恵太―渡辺晴智の南関コンビ。武田豊樹―神山雄一郎―手島慶介、佐藤友和―兵藤一也が後攻めで隊列は落ち着いた。
  赤板を過ぎた1コーナーで後方の佐藤が踏み込んで、一気に誘導を交わし先頭に立つ。武田もすかさず仕掛けるが、三番手に入った小嶋のアウトで一呼吸入れる。しかし、武田は外併走の態勢から最終ホーム手前で再発進。佐藤を叩き切って、先手を奪った。武田―神山と出切って、その三番手は佐藤から切り替えた兵藤が神山を追う形になり、手島は武田の踏み出しにやや車間が空いて兵藤後位に割り込む形。そこから手島は再度神山後位に追い上げるが、脚は一杯。直線に入り、海老根のまくりに合わせて二角発進の小嶋が猛然と前団に迫るもアタマまでは届かず。武田を利した神山が兵藤の中割りをギリギリ凌いで先頭でゴール板を駆け抜けた。

ゴール
表彰式
ゴール
表彰式


 福島県のいわき平競輪場で開催されている第22回全日本選抜競輪は本日が大会2日目。準決フリーパスの「スタールビー賞」をメインに、11Rの優秀競走、二次予選4個レースでも勝ち上がりを賭けた激しいレースが展開された。明日はいよいよ準決勝が行われます。是非、本場まで足をお運びください。


<2R>
浜口選手
浜口高彰選手
   2Rは浜口高彰(写真)が海田和裕のまくりに乗って鋭脚を発揮。初日は志智俊夫と共倒れに終わったが、調子に全く問題はなさそうだ。
  「稲垣(裕之)君がいいペースで駆けていたけど、海田君がいいところまでまくってくれれば、チャンスはあると思っていました。今日は風があったし、内側が重たかったんで、稲垣もきつかったんでしょう」


<5R>
笹川選手
笹川竜治選手
   5Rは伏兵の笹川竜治(写真)が先手ライン追走から直線大外を強襲。3連単で60万円台の大穴配当が飛び出した。 「流れに乗って最後にどれだけ伸びるかという感じでしたが、前の人がいい感じで踏んでくれたし、その力をうまく借りることができました。自分でもびっくりするぐらい伸びましたね」


<6R>
岡部選手
岡部芳仁選手
   6Rでは岡部芳仁(写真)が一次予選敗退のショックを払拭する勝ち星を挙げた。目標の松崎伊佐央が中川誠一郎を叩けない展開となったが、立て直して後方からまくりを決めた。
  「松崎の後ろで頑張るつもりだったけど、出させてもらえない展開になってしまいましたからね。中川がうまく駆けていたので、かなりきつかった。仕掛けたタイミングもあまり良くなかったし、今日は意地の勝利ですね。お客さんの声援も大きくて励みになりました。気持ちの切り替えは済んでいるし、あと2日間気を引き締めて頑張ります」


<7R>
成田選手
成田和也選手
   二次予選一発目の7Rは成田和也(写真)が会心の勝利。先制した村上義弘の後位のインで粘ると、前田新を競り勝ち、粘る村上をゴール寸前で捕らえた。
  「押さえて先行するよりはカマシかまくりを考えていたんですが、作戦を話し合って番手で勝負してもいいかなと思っていました。こういうレースはたまにやっているし、嫌いではありません。自力では上のクラスでなかなか通用しないし、勝ち上がるためには今日のようなレースも必要ですからね。ここまで来たら決勝に乗りたい」
  2着の村上義弘はビッグレースで久々に存在感を示している。
  「風もありましたけど、昨日に比べれば、コンディションが良かったし、軽く感じました。後ろ粘られたのは意外でしたが、井上(昌己)君のカマシを警戒してうまく踏めたと思います。明日も欲を出さずに走りたいですね」


<8R>
荒井選手
荒井崇博選手
   8Rは藤原憲征が斎藤登志信マークから強烈なタテの脚を披露し、連勝を飾った。
  「前回のFⅠでも結果が出ていないし、今の自分はそれくらいの脚しかないと思って気楽に走っているのがいいみたいです。でも、今日は前で頑張ってくれた(斎藤)登志信さんのお陰だし、たまたまVロードができただけ。最近は落車が多くて練習はそんなにできていないし、体のバランスも少し崩れています」
  三番手確保からまくり追い込んだ荒井崇博(写真)が2着。
  「高城(信雄)さんがいい勢いでカマして来たし、出させて三番手で立て直しました。バックもかかっていたし、あまり余裕はなかった。3コーナーでようやく落ち着いて仕掛けようと思ったけど、前で(村上)博幸がフラフラしていてタイミングが取れず、結局遅めの仕掛けになってしまった。でも、それで勝てないのは悔しい」


<9R>
岩津選手
岩津裕介選手
   9Rは岩津裕介(写真)が直線で抜群の切れ味を発揮して激戦を制した。
  「タマタマです。前のスピードをもらって突っ込んだだけ。流れが向いています。ここまで勝ち上がれれば上出来ですよ」
  加藤慎平が金子貴志マークから2着に入り、GP出場に望みをつないだ。
  「金子さんの踏み出しがすごくて口が空いてしまった。このまま行っちゃうと思ったけど、急に止まってびっくりしました。とりあえず勝ち上がれたので、明日が勝負です」


<10R>
伏見選手
伏見俊昭選手
   10Rは伏見俊昭(写真)が菊地圭尚の先行を利して1着となったが、佐藤慎太郎が落車してしまっただけに、表情は冴えない。
  「前と後ろが頑張ってくれたお陰です。自分と慎太郎で車券が売れていたし、(佐藤)慎太郎の気持ちを考えると素直に喜べませんね。調子は悪くないので、明日の準決勝で力を出し切るだけです」
  対照的に2着の山田裕仁は上機嫌でレースを振り返る。
  「このバンクは仕掛けるタイミングが難しいね。展開は悪いけど、惰性で前に引っ張られたし、あのコースは良く伸びる。今回は出来がいいので、やれる自信はあった。明日も流れに上手く乗れればいい勝負ができると思う」


<11R>
山崎選手
山崎芳仁選手

有坂選手
有坂直樹選手
   11Rの優秀競走は地元の山崎芳仁(写真)が六番手からまくり追い込み、ファンの期待にきっちり応えた。 「昨日は緊張しすぎて全く力が入らなかった。負けたことでいい意味で吹っ切れて、リラックスして走れたし、今日は自分のレースができました。3コーナーで仕掛けると山を越えられずに不発になってしまうので、慌てずに待ちました。勝ててホッとしたけど、明日が勝負ですからね」
  2着にも有坂直樹(写真)が流れ込み、北日本コンビでワンツー決着を果たした。
  「作戦通りのレース。山崎が落ち着いていたし、仕掛けるタイミングも良かった。あれ以上遅いと届かないですからね。俺の脚の状態も悪くないと思います」
  3着に入った平原康多も満足げ。
  「三番手に入るまで山崎さんと踏み合って相当脚を使いました。普段なら2コーナーぐらいから仕掛けるんですが、全くその余裕はなかったです。でも、後ろが後閑(信一)さんだから仕掛けないわけにはいきませんからね。今日は本当にきつかったです。でも、着以上に体の状態はいいと思います」


<12R>
ああ
神山選手
神山雄一郎選手

小嶋選手
小嶋敬二選手
 

 最終12Rのスタールビー賞を制したのは神山雄一郎(写真)。盟友・武田豊樹との連係策から直線一気の追い込みを決めた。
  「恵まれました。今日はギヤを変えてみたんですが、どっちのギヤでも感じよく踏めているし、問題はないです。自分の体調は引き続きいいと思うし、明日最悪でも3着以内に入って決勝に乗りたい」
  まくった小嶋敬二(写真)は3着までが精一杯だった。
  「仕掛けたタイミングが悪かったですね。バックで手島(慶介)を見てしまい、1回踏むのを止めてしまったのも痛かった。勝てると思ったのに悔しい」
  佐藤友和との主導権争いを制した武田豊樹だが、直線で力尽きてしまった。 「自分のレースはできましたが、着が悪すぎですね。気持ちを切り替えて明日頑張ります」


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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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