『全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪 レポート』 初日編
 
配信日:5月15日


 全プロ選手権記念競輪が花月園競輪場で開幕した。各出場メンバーたちは、スーパープロピストレーサー賞とダイナミックステージへの進出に向けて激戦を繰り広げた。三連覇への期待がかかった武田豊樹の脱落はあったものの、山崎芳仁、伏見俊昭、渡邉晴智らの実力者たちがメインのスーパープロピストレーサー賞へと勝ち上がった。
 本場では沢山のイベントをご用意しております。明日は滝澤正光氏によるトークショーや、ストリートダンスショー、ほかにも、先着入場者(2000名様)にスクラッチ式抽選券を配布し、1000名様に『車券購入券300円分(100円×3枚)』や『入場優待券(100円分)』のプレゼントなどが行われます。ぜひとも本場へお越しください。


<1R>
 1レースは最終バックから仕掛け、大外をまくり上げた佐藤悦夫が1着となり、オープニングレースを飾った。
 「外々を踏まされてきつかったけど、小林(大介)さんが仕掛けたさい、中川さんは内にいたから来ないと思った。だから落ち着いて小林さんの仕掛けを見ながら踏めば大丈夫だろうと。今回は仕上げてきたつもりだったし、それが結果に現れて良かった」


<2R>
井上剛選手
井上剛選手
   2レースは菅田壱道と伊原克彦が先行争いを演じると、絶好の展開となった友定祐己がスパート。最後はマークの井上剛に交わされたが、2着に入り、両者でワンツーを決めた。
 「考えていたなかでもっとも良い展開になりました。まくりごろでしたね。調子はもともと悪くないし、明日以降も勢いに乗れれば」
 その井上剛(写真)は「今日は友定さんのおかげです。自分は付いていただけ。今日はギアを3・86にして正解でしたね。番手なら今の自分にちょうど合っている。このメンバーを相手に1着を取るのは難しいし、取れる展開で確実に取っておかないとね」と友定を称える。
 菅田壱道は「引くよりは突っ張りたかったんです。だけど、伊原さんのダッシュが良くて突っ張り切れなかった。怪我明けはいつも成績が悪いし、少しずつ調子を戻していくしかないですね」とサバサバしている。


<3R>
小岩大介選手
小岩大介選手
   3レースは山賀雅仁が先行すると、中団をキープした湊聖二がまくりを決めて1着に。
 「前でごちゃごちゃやっていた先行選手たちがみんな脚を使っていたでしょう。だから自分の展開になるなと思っていた。だけど無理やり仕掛けたんで最後は少しきつかったですね。それに前反(祐一郎)さんと決まらなかったのも残念だった」
 小岩大介(写真)が2着に。山賀ラインの三番手からインコースを鋭く突いた。
 「山賀さんから、『今日は突っ張って逃げることもある』と言われていたので構えていました。そうしたらこんなにすんなりいくなんて思わなかった。最後は藤野の動きを待ったけど、出なかったんで内を突かせてもらった。今日は久々の番手戦だったし、自力を出さないぶん身体に余裕がありました」


<4R>
深澤伸介選手
深澤伸介選手
   4レースは桐山敬太郎がホームカマシで先制すると、番手の深澤伸介(写真)が直線で抜け出した。道中、坂本亮馬にからまれる苦しい流れをしのいでの1着は、価値ある通算200勝目となった。
 「桐山君の気持ちが嬉しかったですね。良いタイミングで仕掛けてくれたのだから何とか残したかったですけど…。(通算200勝は)意識にはもちろんあったけど、相手や流れがあってのものでしょ。それがたまたま今日になっただけです」
 坂本亮馬は桐山ラインに粘るかたちとなったが…
 「粘ることはあまり考えていなかったんです。ただ、ホームから仕掛けようとだけ思っていました。だけど押さえてから出るのが早かったし、きつかったですね。最後は一杯でした」


<5R>
高木隆弘選手
高木隆弘選手
   5レースは木暮安由が後続のもつれを尻目にペースに持ち込むと、高木隆弘の猛追を振り切って圧勝。
 「一周半を駆けるかたちになったけど、出切ってからも流せたし、後ろのもつれも分かったのでしのげると思いました。道中で流せたから、四角でも踏み直せた。僕と高木さんでオッズがかなり低かったんで、レース前はかなり緊張していました」
 高木隆弘(写真)は「最終ホームで坂上(忠克)君にからまれたけど、全くの無警戒だったから焦りましたね(苦笑)。それに木暮君も流していて、末脚もあったから、抜ける気がしなかった」と木暮の強さに脱帽する。
 阿竹智史は後方からまくるも、思うように車が進まず着外に沈む。
 「仕掛けとしては良いですけど、木暮君に完ぺきに合わされてしまいました。ああなっては無理ですね」


<6R>
村上博幸選手
村上博幸選手
   6レースからは特選。外併走から仕掛けた稲垣裕之が不発となると、稲垣後位で脚を溜めた村上博幸(写真)がコースをたどり1着をさらった。勝ち上がり戦で久々の1勝に笑顔が絶えない。
 「2コーナーあたりで稲垣さんがきつそうだなと思って、自力を出す準備をしていたんです。だけど、かなり頑張って踏み続けてくれた。そのおかげで脚も温存できたし、落ち着いてコースを踏めました。気持ちに余裕が無いと、コースは見えないんですけど今日はそんなことが無かった」
 先行したのは矢口啓一郎。その矢口をマークした稲村成浩が2着を確保する。
 「こっちは2車だったのに、矢口には迷いが無かった。後ろを見たらもつれていたし、二人で決まるかなと思ったんだけどね。あれだけ早く仕掛けてくれたわけだし、今日は矢口の頑張りに尽きるでしょう」


<7R>
山田裕仁選手
山田裕仁選手
   7レースは松岡健介の内をすくった濱田浩司の番手に浅井康太-山田裕仁がはまる展開に。結局、濱田が先制すると、浅井の番手まくりに乗った山田裕仁(写真)が直線を追い込んだ。
 「浅井とは特に作戦は立てていなかった。しいて言えば『前々にいてくれ』とだけ。自分は付いていくだけでしたし、実際にうまく行きましたね。(自分の)状態は決して良いわけではないけど、前回の小倉に比べればまだ戦えると思う」
 浅井康太は2着に入線し、山田とのワンツー決着を決めた。
 「山田さんが後ろにいるし、後手を踏みたくなかった。だから内をすくいにいったのもとっさの判断。たまたまですけど、濱田さんの番手に入れたのはラッキーでした」
 松岡健介は中団からのまくり追い込みで3着に。
 「先行選手がたくさんいたし、内を見る余裕が無かった。気づいたら内に来られたんで慌てて下げました。浅井君が(濱田の)番手にいたのも分かったし、さらにその後ろが山田さんでしょう。まくれる気がしなかった。この展開で3着ならばいいのかもしれません」


<8R>
村上義弘選手
村上義弘選手
   8レースは新田祐大と柴崎淳の主導権争いで展開がもつれると、村上義弘(写真)が怒涛のまくりで両ラインをまとめて粉砕した。
 「若い子達にあれだけイキの良いレースをされてはしんどいですよ(苦笑)。外併走から踏んでいったけど、スピードも乗っていたし、乗り切れると思った。今日これだけ走れたし、明日以降も良くなるようにこのあとしっかり修正します」
 村上マークの村本大輔(2着)は「今日は作戦は全く無しで村上さん任せでした。外併走からすかさず追い上げるあたりなんかは流石としか。最後は1着を確保するために、後ろを見ましたが全く不安はなかった。自分もあのスピードと勢いじゃ差せませんね」とレースを振り返る。
 三宅達也は後方八番手からまくり、3着までに届いた。ヒヤヒヤの確定板行きに安堵する。
 「前の二人がやり合って展開が向いた。村上さんに切り替えて行ったけど、最後はもう一杯でした。抜ける気もしないし、流れ込めただけでも。豊田(知之)さんも5着以内に入れたし、ホッとしています。ここに来る前に風邪を引いてしまいかなりきつかったけど、少しずつ戻っていると思います」


<9R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   ライン3車の武田豊樹が打鐘から先行策に出た9レース。中団がもつれ隊列が短くなったところを海老根恵太(写真)が豪快にまくり、渡邉晴智とワンツーを決めた。
 「今日は何も作戦が思い浮かばなかったので、とりあえずスタートで前をとってなるべく脚を使わないように組み立てました。仕掛けた際の車の進みは良かったけど、バックで兵藤君もかなり僕を牽制していたし、兵藤君を交わしても武田さんも自分でブロックするタイプだから最後まで気は抜けませんでしたよ。SSシリーズの後はゆっくり休養できたし、それが結果として出たのは良かったですね」
 北津留翼との中団争いを制すと、まくった海老根を懸命に追った石丸寛之が3着に入線。滑り込みでスーパープロピストレーサー賞へと駒を進めた。
 「海老根君がまくってくるのは見えていたけど、とても合わせられるスピードではなかったので、先に行かせてその後が勝負と思って必死に追いました。今回は決して万全な状態とは言えないけれど、その中で3着に入れたことは収穫になりますね」
 果敢な先行策も海老根にまくられ5着に沈んだ武田豊樹。これでスーパープロピストレーサー賞三連覇の夢は潰えたが、自分の競走には納得しているようだ。
 「最近は人の後ろを走る競走が続いているので、もう一回先行で脚を作り直そうと思っていました。自分では勝てると思ったタイミングで仕掛けた訳だし、それをまくった海老根君が強いという事。これが今の段階での僕の脚力です。納得できるレースだったし、自分の状態もここのところは悪くないですよ」


<10R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   10レースを制したのは三番手から次元の違うスピードでまくった山崎芳仁(写真)。競輪祭以降、見せ場の無い競走が続いていたが、ついに会心のレースで完全復活を印象付けた。
 「すんなり好位置が取れたのなんていつ以来だろう? 先行した石橋(慎太郎)君もまさかあんなに踏むとは思っていなかったし、展開が全部自分に向いてくれましたね。新田さんの番手まくりも想定内だったし、上手く対応できたと思う。風が強くってキツかったけれど、1着が取れて何よりですよ。うん、1着がなにより」
 山崎の番手という絶好位からレースを進めた岡部芳幸だったが、掛かりきった山崎はさすがに交わせなかった。
 「本当は(石橋)慎太郎を先に行かせて、その上を叩く作戦だったけれど、山崎は上手く3番手を取れたので、まくりに構えましたね。最後は自分自身の状態を知る為にも、全力で交わしに行ったけど無理でした。力不足です。でも1/8車輪差まで迫れたのだから、僕も悪くは無いですよ」
 全開で飛ばす石橋の後位から山崎の仕掛けに合わせて番手まくりを打った新田康仁だったがスピード差は歴然。抵抗むなしく6着に沈む。
 「もう少し山崎を引き付けようとも思ったけれど、俺が行っても結果的に山崎を引き出してしまうだけですからね。いい具合に合わせられれば良かったけれど、難しいですね。それでも今日走ってみて、慎太郎のダッシュはだいぶ戻ってきていたし、それに付けきれた自分の状態も問題は無いはず。それだけにもう少し何とかしたかったですけどね…」
 岸和田SSシリーズ準Vで復活の兆しが見えた小嶋敬二だったが、この日は終始、後手後手に回り見せ場無く8着に沈んだ。
 「今日の結果は僕の状態云々の問題では無い。流れが悪すぎますね。後方に置かれるし、立て直そうと思ったら、前は思いっきり車間斬っているし。必死に追い上げたけど途中で一杯になってしまいました。挙句の果てにはスタートもやり直しでしょ!流れが悪すぎますね」


<11R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
   めまぐるしく先頭が入れ替わる細切れ戦を制したのは佐藤友和(写真)。上手く3番手を取ると、ゴール前は加藤慎平とのマッチレースを、微差で制した。
 「本当は先行するつもりだったんですけど、打鐘で踏んだ分すんなり良い位置が取れたので、無理せず作戦を切替えました。最後は僅差だったけど自分の中では行けた感触はありましたね。東西王座の落車の後は、バランスが崩れてずっと良くなかったけれど、最近は練習も出来る様になったし、徐々に上向いてきました。すっきりしたレースが出来たし、自分の中で自信が取り戻せたことが何よりです」
 「先行の番手」を活かせなかった加藤慎平は、検車場に引き揚げるなり反省の弁が口をつく。
 「永井には悪いことをした。本当は車間を斬って残してあげたかったのに、僕も余裕が無くて車間を詰めてしまった。友和に合わせようと思って、変に脚を使ってしまったし、三角では車を振って戻った時に内に差し込んでしまったし…。まだまだですね」
 SSシリーズを制し波に乗る伏見俊昭はこの日も3着入線で勝ち上がった。快進撃はまだまだ止みそうも無い。
 「後ろの平原君が気になってずっと内を締めていました。そうした内が重くて重くて。最後はギリギリ3着って感じですよね。それにしても、今日の友和君の走りは上手い。さんざ相手に脚を使わせて3番手を取るあたり、流石ですね。友和が1着だし、僕も踏んだ感じは悪くなかったし、今日はまぁ上出来でしょう」
 ライン2車ながら果敢に主導権を取った永井清史だが、末を欠く結果に納得はしていないようだ。
 「打鐘過ぎで(佐藤)友和さんを叩いた後にすぐにペースに持ち込んだのが良くなかった。ホームが向かい風で思うようにスピードに乗れず、結局掛からないままバックで一杯になってしまいました。ペースじゃなく、思いっきりカマせば、また展開は変わっていたかもしれませんね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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