『全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪レポート』 初日編

配信日:5月12日
 全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪が開幕した。各出場メンバーたちは、スーパープロピストレーサー賞とダイナミックステージへの進出に向けて激戦を繰り広げた。メーンの優秀競走は伏見俊昭、木暮安由、成田和也がそれぞれ勝ち名乗りをあげた。
 明日も本場では競輪選手会群馬支部による選手お出迎えや専門解説者による予想会、AKGライブショーなど多彩なイベントで皆様のご来場をお待ちしております。
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栗田雅也選手
栗田雅也選手
 オープニングレースを制したのは栗田雅也(写真)だ。目標の根田空史が先行する好展開をきっちりものにした。
「本当に嬉しい。自分は何もしていない。4番(守澤)が来て前に踏んだけど、車が全然出なかった。結果的に根田とワンツーが決まって良かった」
 根田空史は打鐘で守澤を叩いて主導権奪い、2着に逃げ粘った。
「強引に仕掛けていったし、踏む距離が長かった。朝イチのレースはやっぱりきついですね。今日は早く寝て、しっかり疲れを取ります」

<2R>
北津留翼選手
北津留翼選手
 赤板過ぎから激しい踏み合いとなったが、打鐘過ぎに山形一気の後位にはまった北津留翼が最終2コーナーから番手まくり。これに乗った坂本亮馬がきっちり追い込み、同期同級生コンビでワンツーを決めた。
「北津留はダッシュも悪かったし、まくりの出も悪かったので、残らないかと思った。でも、脚を使ってからの番手まくりですからね。外を踏むまくりだから内をすくわれないように注意していました。基本的に人の後ろは好きだし、番手は問題ないです」
 北津留翼(写真)はドームバンクで力を全て出し切った。
「後ろの司令塔のおかげで安心して走れました。積極的に駆けようという気持ちがいい方向に出ました。ワンツーが決まって良かったです」

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溪飛雄馬選手
溪飛雄馬選手
 最終ホームで大量落車のアクシデント。残ったのは2人だけ。渡辺航平を追った溪飛雄馬(写真)がゴール寸前で差し切り、波乱のレースを制した。
「阿竹の後輪しか見ていなかったので、どうなったのかよく分からなかったんですが、何とか避けられました。バック踏んでから前を追ったので、脚にけっこう来ていましたね。後味の悪いレースになってしまったけど、1着は1着ですから」

<4R>
佐藤朋也選手
佐藤朋也選手
 伏兵の佐藤朋也(写真)が絶妙のペース配分で逃げ切り。4.50の特大ギアの威力を存分に発揮した。
「脚を使わないで先行できた。前橋で1周半すんなり駆けられたのが大きい。マイペースだった。展開が良かったのもあるけど、脚は全然問題ないです」
 好回転でまくり上げた牛山貴広が2着に入った。
「逃げることを基本にして前に出ていったんですけど。内を(佐藤に)すくわれちゃいけない。そこは反省ですね。そのあともまくり切れたと思ったけど。佐藤さんは4.50のギアだったし、それで余裕があるみたいだった。自分の方がギアが足りない感じでした」

<5R>
濱田浩司選手
濱田浩司選手
 濱田浩司(写真)が8番手からの大まくり。先まくりの矢口啓一郎を豪快に飲み込んで圧勝した。
「もうちょっと中団がもつれると思ってたんですけど…。外の高橋(陽介)君が叩きに行ったから、(位置取りを)ミスった。前回、転んでいるわりには、まくれたしよかった。落車の怪我は問題なさそうです。前回の分も頑張りますよ」
 地元の矢口啓一郎は2着だったが、これで3場所前の高知記念最終日から8走連続の連対を果たした。
「もうワンテンポ早く仕掛けて行けばよかった。それでもあれ以上遅れると、ドームはダメなんで。やっぱりタイミングは難しい。毎日走って練習しているバンクなのに、練習とは違いますね」

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金子貴志選手
金子貴志選手
 打鐘で松岡健介を一気に叩いた金子貴志(写真)が会心の逃げ切り勝ち。ラインを上位独占に導く圧巻の走りを披露した。
「中団が取れたんで、そこにいても良かったんですが、思い切って仕掛けました。思った以上に踏めていたし、感触はかなり良かったです」
 2着に流れ込んだ有賀高士は金子の強さを絶賛。
「金子は本当に強かった。抜ける気配は全くなかったね。いままで金子に付いた中で一番強かった。競技に向けて仕上げてきているんでしょう」

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五十嵐力選手
五十嵐力選手
 永井清史のカマシ先行。上手く三番手を確保した五十嵐力(写真)が直線で鋭く追い込んだ。
「後ろが離れているのは分かりました。逃がされる形になりそうだったけど、永井君が飛んできて助かりました。かかっていましたね。競技の方はチームスプリントの三番手だし、いい予行演習になりました。前回失格した悪い流れを断ち切れましたね」

<8R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 前受けした脇本雄太(写真)が8番手まで引いて一気の巻き返し。力強い逃走劇で人気に応え、前回の落車失格の悪夢を払拭した。
「前を取らされてヤバイと思いました。気持ちの面でかなりびびっていました。安全第一の走りになってしまってダメですね。ヤジも多かったけど、お客さんの拍手や声援もありました。いつも通りのレースを期待してくれる人がたくさんいるので頑張りたい。1レース終わって少しホッとしました」

<9R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
 優秀競走一発目は近畿勢のペースかと思われたが、海老根恵太が8番手から早めの巻き返しで抵抗。もつれた前団を伏見俊昭(写真)が豪快にまくり切った。
「展開が向きましたね。流れを見て落ち着いて走れたと思います。流れる感じで踏めました。武雄記念、共同杯と悪かったけど、自分なりに色々と考えて修正してきた成果が出ました」
 佐藤慎太郎が完璧マークで2着に続き、福島ワンツー決着となった。
「伏見さんはやっぱり強い。タイミングを逃さないところがさすが。自力を出していた頃の感覚がまだ残っているんでしょう。抜ける感じじゃなかったし、あれは抜けないですね」

<10R>
平原康多選手
平原康多選手
 前受けの藤木裕が赤板前から後ろをしきりに気にしながら踏み上げる。浅井康太を飛ばして5番手をキープした平原康多は打鐘過ぎの2センターからロングスパート。これに乗った木暮安由が直線で鋭く差し切り、一番人気に応えた。
「全て平原さんのおかげですね。番手で少し緊張しました。地元でいつも以上に気合が入っています。調子はいいですね。明日も勝ちたい」
 平原康多(写真)は長い距離を最後まで踏み切った。
「中団は譲れないところだったし、あの位置を取ってから無理やり仕掛けました。長い距離を踏んだから木暮に抜かれたのは仕方ないですね。感じは悪くないです」
 踏み出しで遅れて連結を外した飯嶋則之だが、村上博幸の後位に切り替え、最後は意地で3着に突っ込んだ。
「力があったら離れてないでしょうね。でも、形はどうあれ、3着に入れて良かったです。最後に村上君を抜けたので十分です」

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成田和也選手
成田和也選手
 成田和也(写真)が俊敏な立ち回りでダービー王の底力を示した。目標の山崎芳仁が出切れないとみるや、すかさず近畿コンビの後位に切り替え、最後は内を突いて抜け出した。
「ダービーのあと、なかなか1着が取れなかったので良かったです。ドームで軽い感じがしたし、体力的には楽ですね。切り替えて、あとは前の様子を見ながら最後は内にいくしかなかったです」
 川村晃司は赤板過ぎに人気の武田豊樹を叩いて先行。粘り強く踏んで2着に粘った。
「いいタイミングで仕掛けられました。今日のメンバーで2着に残れたのだから悪くないですね。今年に入って一番の状態です。明日も近畿の先頭で力を出し切ります」
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