伏見俊昭
佐藤慎太郎
鈴木誠
伏見 俊昭 (先行)
佐藤 慎太郎 (追い込み)
鈴木 誠 (追い込み)

  
  伏見選手・佐藤選手ともに福島県の選手なので協力して戦います。伏見選手が先行選手で風圧と戦いながら主導権を狙い、佐藤選手は他のラインの反撃を封じてサポートしながら上位独占を狙います。鈴木選手は伏見選手の先行に乗って3月に日本選手権競輪を優勝しているので、その恩返しという意味もあり北日本ラインの3番手を走ります。


 伏見選手は昨年アテネで行われたオリンピックに自転車の日本代表として出場しました。競輪ファンだけでなく全世界の注目が集まる中、日本の自転車競技史上最高の結果となる銀メダルをチームスプリントで獲得します。競輪を犠牲にしてまでも打ち込んできたオリンピックへの努力が報われた瞬間でした。しかし、それは同時に新たなプレッシャーとの戦いの始まりでもあったのです。オリンピックを通じて競輪を知ったお客様は、当然銀メダリストである伏見選手に注目します。しかし伏見選手の身体にはオリンピックの激闘の影響が少なからず残っていて、また帰国してからの取材攻勢に練習時間を十分確保することができず満足がいく結果を残すことはできませんでした。今年もビッグレースで優勝こそなかったものの、随所に見せる伏見選手らしい豪快な走りは完全に復調していることをうかがわせます。まして、今回の開催はグランプリ初出場・初優勝の快挙を成し遂げた思い出の平塚競輪場。相性はバツグンだけに、いつも以上の力が発揮されるはずです。

 
  佐藤慎太郎選手はとにかく安定感がバツグンです。ビッグレースで優勝したのはふるさとダービー武雄のみ。にもかかわらず賞金ランキングは2位となっています。これは本当にすごいこと。どんなに不利な展開になっても最後の直線だけで上位に突っ込んでくる、それが佐藤選手の最大の魅力です。そんな佐藤選手は大親友の伏見選手とコンビを組んで今回のグランプリに挑戦しますが、この2人の相性はバツグン!しかもビッグレースになるほど結果が出ています。そんな2人もグランプリだけはどうしても結果が出ません。3年連続の連係となる今年はグランプリへの思いもさらに強いはず。信頼関係では他のラインにも負けない分、しっかり伏見選手のガードをしながら平塚競輪場で2人でワンツーを決めてくれるはずですよ!


 鈴木誠選手は今年の3月に行われた、GIの中でも最も価値があるといわれる日本選手権競輪(通称競輪ダービー)を実に14年ぶりに優勝しました。その14年前は先行・まくりで黄金時代を築き上げ、まさに競輪界のトップスターと言える存在でした。しかし、その後先行で力が通用しなくなってからは自在型、そして追い込み型に戦法を変えていきましたが、長い間優勝戦線で名前を聞くことは少なくなってしまいます。その間、鈴木選手は結果が出なくてもただひたすら体調を整えながら練習に打ち込み、じっとチャンスを待っていたのです。そしてそのチャンスを逃さずつかみ、ダービーの優勝をつかみ取りました。迷いながらの追い込み型への転向、結果が伴わない間の辛い練習、14年間の苦労が全て報われた瞬間でした。今回の出場メンバーの中でGPの優勝経験があるのは鈴木選手と伏見選手のみ。ベテランならではの鋭い読みで、再び黄金時代を築けるのか、軽視できない存在ですよ!

 



COPYRIGHT(C) JAPAN KEIRIN ASSOCIATION, All Rights Reserved.