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誰もいない整備場。整然と並ぶ自転車が穏やかな光を浴び、まもなくウォーミングアップに訪れる選手を心待ちにしている。
ここは競輪場。20代前半から50代の選手がファンの期待を背負い勝利を目指す舞台だ。醍醐味の一つは、ベテラン選手の老練の走りと若手選手の気鋭の走りが織りなす勝負の行方。さまざまな思いが交錯する舞台裏を写真で紡ぎます。
2018年12月 取手競輪場
「人それぞれ目標があっていいと思うんです」
高校時代山岳部でインターハイ2連覇の経験を持つ。
「競輪選手になってよかったけど、食べていくのは大変ですね」
デビュー11年目。
「ずっとA級で定着していて限界は感じているのですが、
人それぞれ目標があっていいと思うんです。
長くコツコツ50歳までできたりとか能力出し切って、
終わった時に自転車全うしたなって気持ちになれればいいかなと」
野間 司
茨城 94期
32歳 A級1班
「今、練習が面白いっすよね」
オリンピックメダリスト十文字貴信の誘いが競輪人生を変えた。
「そのおかげでワールドカップや世界選手権に行けた。
すごく影響を与えてくれた存在ですね」
デビュー24年目の今もなお自力勝負。
「できれば戦法チェンジしたかったけどできなかったので潔く」
「現行の制度に対していろいろ思うところはあるが、
今、練習が面白いっすよね」と、バンクで笑顔がはじけた。
大井 崇
茨城 73期
45歳 A級3班
「成績の波をなくすのが今の課題です」
「怪我とかもあったり、思っていた以上に厳しい世界ですね」
戦法にこだわりはないと言うが、ダッシュ力を生かした捲りが持ち味だ。
「どうしたら対戦相手に嫌がられるのかと、
考えてできればいいんですけど難しいです」
「優勝するときもあれば全然勝てなかったりするときもあるので、
成績の波をなくすのが今の課題です」
山口 翼
茨城 98期
29歳 A級1班
「上に行けるように頑張るだけなんで」
父の勧めが選手を目指すきっかけに。
「競輪学校に受かるまで3年くらいかかりました。
デビューしてもなかなか上に行けなかったので、
厳しいなって感じです」
試練に直面しながら歩みを進める。
「昨年から落車が増えちゃって体の面で上向いてこない。
でも、上に行けるように頑張るだけなんで」
舘 真成
茨城 98期
31歳 A級1班
「同期横山尚則と同じ土俵に立ちたいです」
内定した会社に入れない事態に直面し、
師匠の関一浩、貴之に話を聞く機会があった。
「その時楽しそうだったというか仕事が好きそうで、
自分はいやいや就職する感じが強かったのでギャップを感じた」
まだ、当初思っていた成績に届いていない。
「勝負の世界なんで勝った時は楽しいけど成績が出ない時は辛い。
まずは、S級の同期横山尚則と同じ土俵に立ちたいです」
吉田 元輝
茨城 100期
32歳 A級2班
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