現役時代は熱い走りでファンに絶大な人気を誇った滝澤正光前名誉教官が校長に就任し初めて競輪界に送り出す卒業生が99回生だ。
競輪学校では滝澤校長の強い意向のもと、これまで以上に基礎訓練でしっかり乗り込むことと競走訓練で先行することを重視した教育を行い、並行して常日頃から選手としての心構え、中でも特にファンの心にアピールする走りを心がけるよう説いてきた。
99回生の大きな特徴は他競技からの転向者が多いことだ。適性組はもちろんのこと技能組においても野球やサッカー、陸上競技等様々な競技からの転向者が多く、高校・大学時代に自転車競技で活躍していた生徒は多くない。
滝澤校長の教えを受け継ぎ、バラエティ豊かな運動歴を持つ生徒が揃う99回生の生徒達のなかから、将来のスター候補を紹介していこう。
竹内雄作(岐阜・22歳)
高校・大学時代は陸上の短距離種目で活躍し、適性組として入校。竹内生徒の素晴らしいのはタイムに裏付けされたスピードだ。200m、400m、1000m、3000mすべての種目で上位のタイムを出し、1000mでは1分07秒14と今回生1番のタイムを出した。主導権争いの激しい競輪学校の競走訓練で着にこだわらず徹底先行で戦っているため現在の在校順位は25位にとどまっているが、打鐘からの先行でゴールまで押し切ってしまうこともある。卒業記念レースでもそのスタイルを貫き通し、見る人の印象に残るレースを必ずやしてくれるはず。性格も真面目で練習熱心。デビュー後に頭角を現すことは間違いのない若武者だ。
中田健太(埼玉・20歳)
高校時代は陸上部に所属したが、父(健二・56期)の影響により競輪選手に憧れ、技能試験を経て入校を果たす。スピード的にはわずかに竹内生徒に劣るが、踏み直しがきく粘りに加えレース勘が良く、位置取りの巧さに秀でている。競走訓練では捲りを主体に勝ち星を量産し現在在校成績4位。第1回トーナメントでは捲りで見事優勝し勝負強さを、第2回トーナメントは決勝7着ながら積極果敢な先行を見せ思い切りの良さをアピールした。学業も非常に優秀で、年少ながら全てに対し意識が高い。競輪学校生活の集大成である卒業記念レースでの素晴らしい活躍に期待したい。
和田禎嗣(埼玉・25歳)
北海道の出身で、社会人時代までスピードスケートで活躍したが、従兄弟である藤田竜矢選手(埼玉・88期)に師事し、技能組として入校した。和田生徒の魅力は何と言ってもその素晴らしい先行力だ。主導権争いが激しい競輪学校の競走訓練で常に先行することを心がけ、一度主導権を奪ってしまえば後方から捲ってくる生徒達に合わせ何度も踏み直す驚異的な粘り強さをしばしば見せた。13勝を挙げ、現在在校成績は13位。第1回・第2回トーナメントとも決勝に進出しており、卒業記念レースでも順当に行けば決勝まで上がってくるだろう。デビュー後は関東を代表する大型先行選手として、競輪界を沸かして欲しい。
猪俣康一(愛知・34歳)
幼い頃からマウンテンバイク(MTB)の世界で活躍し、本場アメリカで2年間レースに参戦するなど日本のMTB界を牽引したが、一念発起し適性試験を経て入校した。MTB出身者らしくハンドル捌きとレース勘に優れており、競走訓練ではスピード豊かな捲りを主体に勝ち星を重ね、第1回トーナメントでは決勝4着に入った。適性出身ながら現在在校3位に位置し、均整のとれた体とスピード感あふれる競走は、年齢的な不安を全く感じさせない。愛する妻子がおり一家の大黒柱としての責任感は十分で、MTBの元トップ選手だけあり意識も高い。卒業記念レース、さらにはデビュー後の活躍が楽しみだ。
先に紹介した4人以外にも注目したい生徒がいる。その中からまずは滝澤校長が直々に指導するTE教場の生徒4名を紹介したい。TE教場とは滝澤校長が指導するエリート候補の生徒達が属する教場(訓練班)で、前述の竹内、中田、和田の各生徒もその中に含まれる。
第1回トーナメントで決勝3着、第2回トーナメントでは見事優勝した横関 裕樹(岐阜・22歳)、スピード豊かな和田 真久留(神奈川・19歳)はアマチュア時代から豊富な自転車経験を持ち、卒業記念レースでの上位進出を狙う。バドミントン出身で、99・100回生対抗登坂トーナメントで優勝した今藤 康裕(岐阜・25歳)は素晴らしいダッシュ力の持ち主。野球の四国アイランドリーグで4番打者として活躍した小松崎 大地(福島・28歳)の体格を活かした先行は迫力十分だ。
TE教場以外では、先行逃げ切りの回数が10度を数える高橋 広大(福島・23歳)、捲りを武器に競走訓練で勝ち星を量産し在校1位の上吹越 俊一(鹿児島・33歳)、長らくS級で活躍した父(盛夫・50期)を持つ郡司 浩平(神奈川・20歳)らの活躍が期待される。
横関裕樹(岐阜・22歳) |
和田真久留(神奈川・19歳) |
今藤康裕(岐阜・25歳) |
小松崎大地(福島・28歳) |
高橋広大(福島・23歳) |
上吹越俊一(鹿児島・33歳) |
郡司浩平(神奈川・20歳) |
第99回生卒業記念レースは10月13日(水)・14日(木)の二日間にわたり伊東温泉競輪場で行われます。卒業記念レースが競輪学校以外で実施されるのは、平成4年に前橋競輪場で実施された第69回生卒業記念レース以来となります。
来年1月にデビューを控える未来のスター達の走りをご覧いただくため、ぜひ伊東温泉競輪場までお越し下さい。
H21年 | 11月25日 | 入学式 |
11月26・27日 | 試走記録会 | |
12月22日 | 行動訓練大会 | |
1月25日 | 第1回登坂トーナメント | |
2月12日 | 98・99回生対抗登坂トーナメント | |
2月22・23日 | 第1回記録会 | |
4月2日 | 競走訓練開始 | |
4月19・20日 | 第2回記録会 | |
6月4日 | 500走路習熟訓練(千葉競輪場) | |
6月21・22日 | 第3回記録会 | |
6月23・24日 | 第1回トーナメント | |
7月2日 | 参加実習(伊東温泉競輪場) | |
7月9日 | 開校記念ロードレース大会・体育祭 | |
H22年 | 7月13~15日、 8月2日~3日 | 展示訓練(伊東温泉競輪場) |
7月22日 | 第2回登坂トーナメント | |
7月28日 | 99・100回生対抗登坂トーナメント | |
8月24日 | 班対抗記録会 | |
8月30・31日 | 第4回記録会 | |
9月1・2日 | 第2回トーナメント |