ファン投票によるスター選手の競演!
2年連続でファン投票1位の小嶋が巻き返す |
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小嶋敬二 石川・74期 |
昨年に続いてファン投票で1位に選ばれたのは地元・中部勢の小嶋敬二だ。6月・富山記念、寛仁親王牌と精彩を欠いていたが、不調の原因のひとつだった腰痛も回復。サマーナイトフェスティバルの2日目には小嶋らしい豪快な捲りで後ろをぶっ千切っており、脚力的な不安はない。昨年はファン投票で1位に選ばれながら欠場と悔しい思いをしているだけに、今年はしっかりとファンの期待に応える走りを見せてくれるだろう。
中部勢では金子貴志も近況好調で、長かった低迷期をようやく脱して得意のダッシュ力に本来の鋭さが戻ってきている。寛仁親王牌や7月・小松島記念では捲り連発で勝ち星を重ねており、05年12月の全日本選抜以来のGⅠ優出が期待できる。 |
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選手層の厚さでは関東勢が一番だ。ファン投票でも相変わらず人気の高い神山雄一郎が3位、平原康多が4位、武田豊樹が5位とベストナインに3人も選出されている。
寛仁親王牌の初日の日本競輪選手会理事長杯では平原-武田と並び、武田が落車に終わるも、全プロ記念のスーパープロピストレーサー賞では武田が平原を目標に優勝。今回もドリームレースで平原―武田―神山の強力ラインを組めば関東勢の上位独占も可能。 |
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平原はまだGⅠの優勝こそないが、日本選手権、高松宮記念杯、寛仁親王牌で連続優出と安定した成績を残しており、今回も優出が十分に期待できる。寛仁親王牌の決勝戦からギアを4・00から3・85に落とし、サマーナイトフェスティバルでは2日目にきっちり逃げ切っており、今回も連日の積極的な仕掛けで勝ち上がっていくだろう。 |
平原康多 埼玉・87期 |
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静岡勢が勢いに乗って突っ走る!
王者・山崎芳仁がグランドスラムに王手をかける |
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新田康仁 静岡・74期 |
渡邉晴智がGⅠ連覇、新田康仁がGⅡ初優勝と勢いのある静岡勢が今開催も台風の目になりそうだ。
渡邉と新田以外にも静岡には好調・石橋慎太郎がいるし、千葉には完全復活なった海老根恵太と近来まれに見る機動力の充実ぶりで、南関東勢の大躍進の可能性は高い。
新田は高松宮記念杯で準優勝のあとサマーナイトフェスティバルでようやくのGⅡ初優勝を飾った。GⅡとはいえ山崎芳仁、稲垣裕之、渡部哲男ら強敵を打ち破っての勝利は価値が高い。次場所の平塚FⅠも貫禄の6番手捲りで優勝しており、この勢いが続いていけば念願のGⅠ制覇も十分に狙えるはずだ。
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石橋慎太郎も絶好調を維持している。寛仁親王牌では準決勝で敗れたが、1着2回、2着1回の好成績。サマーナイトフェスティバルは初日に落車してしまったが、2日目には逃げて鈴木誠とワンツーを決めている。
次場所の花月園ではFⅠながら決勝戦は佐藤友和、稲垣裕之との豪華な対決となり、佐藤の5番手からの捲りに合わせて3番手から捲って今年3度目の優勝を決めている。 |
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海老根恵太は6月に函館と小田原の記念を連覇して完全復活を果たした。函館の決勝戦は8番手からの怒濤の捲りで、小田原の決勝戦も7番手からの捲りで、3番手から先捲りを打った山田裕仁の上を通過し、後続を千切って圧勝している。
寛仁親王牌やサマーナイトフェスティバルで復活となった自分の脚にまだ自信を持てないのか、変に位置取りにこだわりすぎて勝ち上がりに失敗している。しかし500バンク並に直線の長い一宮なら、7、8番手に置かれる展開になっても落ち着いて仕掛けていけば、あっさり捲り切って勝ち星を挙げてくるだろう。 |
海老根恵太 千葉・86期 |
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村上義弘 京都・73期 |
03年の一宮オールスターを逃げ切って優勝した村上義弘がファン投票で6位に選ばれた。昨年の4位からやや順位を落としたが、その熱き先行魂に対するファンの支持は以前と変わらずに高い。
一時は自在型への転向を宣言した村上だが、近況はまた先行主体のスタイルに戻している。近況はビッグレースでの成績にやや物足りないものがあるが、7月・別府FⅠでは逃げて準優勝と調子は悪くなく、今回も期待に違わぬ積極的な仕掛けを披露してファンを魅了してくれるだろう。 |
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今開催の優勝候補の筆頭はやはり山崎芳仁だ。寛仁親王牌では不得意とされていた短走路を番手捲りで制して4度目のGⅠ制覇。最強の自力型として競輪界に君臨しており、オールスターでグランドスラムに王手をかけてきそうだ。
サマーナイトフェスティバルでは4・00のギアから4・33にさらにアップ。決勝戦では中団を確保したものの捲り不発に終わったが、予選では7番手から豪快な捲りを決めており、今回もファンの度肝を抜く破壊力を存分に見せつけてくれるだろう。 |
山崎芳仁 福島・88期 |
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井上昌己が得意の捲り追い込みで勝ち上がりを狙う
大ギアの濱田浩司が四国勢を連れて逃げ粘る |
四国勢ではようやく復活した渡部哲男の活躍に期待がかかる。渡部は今年前半は1着が1回のみと低迷していたが、寛仁親王牌で優出して決勝3着と健闘、復活への脚がかりを掴んだ。サマーナイトフェスティバルでも予選が捲りの1着で、決勝戦が3着。そして次場所の小松島記念の決勝戦では、山崎芳仁、金子貴志らを相手に6番手からの捲りで3年ぶり2度目の記念優勝を飾っている。
今年前半は流行に乗って大ギアを使ってみたりと試行錯誤を繰り返していたが、小松島の決勝戦では3・57のギアで山崎を打ち破ったのが大きな自信になっており、後半戦では勢いに乗った渡部の猛反撃が見られそうだ。 |
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濱田浩司 愛媛・81期 |
濱田浩司の先行力も侮れない。濱田は4・00の大ギアで、先行主体の競走ながら近況は勝率が4割越えと勝ち星を量産している。
6月の松阪FⅠでは先行、捲り、追い込みの日替わり戦法で完全優勝を飾った。寛仁親王牌では準決勝で敗れたが、二次予選Bでは矢口啓一郎相手に突っ張り先行で堤洋とワンツーを決めており、4日目特別優秀では武田豊樹、新田康仁、金子貴志を相手に逃げ切って、今度は小倉竜二とワンツーを決めており、今回もトッブクラスを相手に大暴れがありそうだ。
九州勢では一昨年のオールスター(花月園)でGⅠ初優上昌己がファン投票9位でドリームレースに選ばれている。 |
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井上は6月の熊本記念で落車して1カ月の欠場を余儀なくされたが、復帰戦となったサマーナイトフェスティバルでは予選で7番手から豪快に捲り切り。小野俊之と九州ワンツーを決めて決勝進出を果たしている。
ただ次場所の小松島記念では4日間連絡みがなく、準決勝Aで4着敗退と調子に不安を残す結果に終わっている。それでもオールスターまでにはきっちり立て直してくるだろうし、直線が長くて遅めの捲り追い込みが決まりやすい一宮は井上向きで、今回も得意の捲り追い込みで勝ち上がっていくだろう。 |
井上昌己 長崎・86期 |
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神山雄一郎が5回目のオールスター優勝を達成 |
オールスターといえば神山雄一郎だ。GⅠ初優勝の93年の宇都宮を始め、97年の平塚、99年の甲子園、04年の西武園、そして05年の名古屋と、同一タイトル5回優勝の偉業を達成している。05年の大会の決勝戦は吉岡稔真-小野俊之が前受け、佐藤慎太郎―有坂直樹―坂本勉が続き、金子貴志―松岡彰洋―前田新が後方で、単騎の神山は初手から金子の後ろを狙って松岡と番手戦。赤板から金子が上昇する気配を見せると、佐藤が先に動いてインを切り、先頭に立つ。打鐘前から金子が上昇を始めると、番手は神山が確保。打鐘過ぎから金子が全開でスパートして先行態勢に入り、佐藤も同時に踏み込むが、金子のダッシュに合わせ切れずに3番手に入る形となる。そのままの態勢でゴール前は金子と神山のマッチレースとなり、神山が差し切って優勝、金子が2着、佐藤が3着だった。
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500バンク並に直線が長く追い込み有利
脚を溜めれば7、8番手からの逆転も可能だ |
一宮は400バンクだが500バンク並に直線が長く、400バンクの中では武雄と並んで日本一の直線距離がある。03年に開催されたオールスターでは村上義弘が堂々と逃げ切って優勝しているが、基本的には追い込み選手が有利だと考えていい。
03年のオールスターの決まり手を見てみると、全66レースのうち1着は逃げが9回、捲りが23回、差しが34回、2着は逃げが6回、捲りが12回、差しが23回、マークが25回となっている。
逃げた選手が連に絡んだのは全体の4分の1にも満たない15回しかなく、先手ラインの選手が1着になったレースも24回しかない。
やはりGⅠ戦では先手を取ったラインは苦しく、捲りのラインが有利で、捲りの番手からの差し切りや、中団で脚を溜めての追い込みによる1着が多い。
捲りは3角までに出切っていないと苦しいが、早めに捲り切れても直線が長いので、捲りでありながらゴール前でずっぼり交わされて3着以下に落ちてしまうケースが少なくなかったし、遅めの捲り追い込みならバック7、8番手からでも直線での一気の突き抜けが十分に可能だ。
仕掛けどころの難しいバンク
周長は400m、最大カントは33度50分22秒、見なし直線距離は64.4m。直線が長くてバンクが重く、バック向かい風の日が多いので先行は苦しい。競りもインが不利でアウトが有利。直線ではインが空くことは少なく、中割りも届きにくいので外へ外へと仕掛けていくほうがいい。仕掛けの難しいバンクで、クセを知っている地元選手の好成績が目立つ。
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