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レース展望

  香川県の観音寺競輪場で9年ぶり3度目のふるさとダービーが開催される。今や名実共に輪界の頂点に立つ山崎芳仁が大本命で、山崎に真っ向からの力勝負を挑めるような同型が見当たらず、山崎の先行・押し切りが濃厚だ。小倉竜二率いる地元・四国勢や山田裕仁率いる中部勢などが、いかなる作戦で山崎の抑え込みを狙ってくるかがシリーズの見どころになるだろう。

輪界の頂点に立つ山崎が王者の走りを見せつける!
上昇気配にある岡部の大捲りの一発も十分だ

 山崎芳仁は競輪祭で2個目のタイトルを獲得して名実共に輪界の頂点に立ったが、その後は1カ月近く実戦から遠ざかり、2月末の東王座戦では優出を逃してしまった。初日予選こそは500バンクで堂々と主導権を取って佐藤慎太郎とワンツーを決めているが、2日目予選は平原康多に叩かれて6着に敗れている。しかし、今回は平原康多や武田豊樹らの強力な同型の出場予定がないので、疲労やレース勘の面で多少の懸念があったとしても、王者にふさわしい走りで人気に応えてくれるだろう。
  問題になってきそうなのが山崎の番手だ。今回は山崎以外は機動力型がやや手薄の印象が強いので、決勝戦はまたもや山崎の先行一車の組み合わせという可能性も十分だ。
  普通に考えれば山崎の番手は同県・福島の岡部芳幸だが、山崎の番手が奪い合いになるような組み合わせなら、岡部は例によって山崎とは別線勝負を選択することもありうるだろう。
  岡部は昨年12月の名古屋記念で2年ぶりの記念優勝を逃げ切りで飾って昇り調子にある。競輪祭は二次予選で敗れたが、東王座戦では2日目予選で8番手からの大捲りを決めている。
  山崎の番手すんなりなら当然ながらの差し切りだが、山崎との連係が外れても得意の捲りでの巻き返しが期待できる。組み合わせと展開によっては山崎の逃げを岡部が捲るシーンもないとは言えず、記念に続いて、ふるさとダービー豊橋以来となる約1年8カ月ぶりのふるさとダービー優勝も十分に狙えるだろう。 捲りなら手島慶介も強烈だ。手島は落車が続いたせいで競輪祭や東王座戦では精彩を欠いていたが、3月の熊本記念では捲りで準決勝Bを突破するなど、本来の手島らしい動きが戻ってきていた。調子の方はもう心配ないと考えていいだろうし、グランプリ06の時のように山崎を不発に終わらせるような積極的な攻めで活躍してくれるに違いない。
山崎芳仁選手
山崎芳仁 福島・88期
 
岡部芳幸選手
岡部芳幸 福島・66期
 
手島慶介選手
手島慶介 群馬・75期
 
 
絶好調の新田が切れ味抜群の捲りでビッグ初優勝を狙う
得意のふるさとダービーで小倉が意地を見せる

新田康仁が絶好調だ。10秒台の上がりを連発して勝ち上がった競輪祭では決勝3着と健闘、2月の地元・静岡記念では無傷の4連勝で、決勝戦ではこれまた現在絶好調の小嶋敬二との力勝負を制して、うれしい地元記念初優勝を飾っている。
  その後は東王座戦、3月の熊本記念と優出を逃してしまったが、熊本の準決勝は展開のアヤで内に詰まってしまったのが敗因で、初日特選と2日目優秀はきっちり2連勝しており調子自体はまったく問題ない。
  あまりの好調ぶりに対戦相手の警戒が厳しくなり、熊本の時のように必要以上に抑え込まれたりすると苦しいが、好調時には頭で考えるより先に体が反応して同じ過ちはめったに繰り返さないもので、念願のビッグレース初制覇も決して夢ではないはずだ。
  地元・四国勢では渡部哲男が昨年あたりからビッグレースでも
好成績を挙げられるようになって、好調の波に乗れている。
  7月の寛仁親王牌では準決 勝で山崎芳仁や小嶋敬二らを相手に逃げ切ってGI競輪初優出を達成、全日本選抜でも山崎芳仁、手島慶介、海老根恵太らが相手の準決勝を2着で通過している。8月のふるさとダービー富山の決勝戦ではバック7番手から大外強襲で2着と大健闘も見せている。
  近況は捲り・追い込みの自在戦が中心だが、2月の静岡記念の準決勝では逃げ粘りの2着で優出と先行力もまだまだ健在で、今回は地元地区でのビッグレースだけに連日の積極的な走りで優出を目指してくるに違いない。
  四国でのふるさとダービーとくれば忘れてならないのが小倉竜二だ。98年の観音寺を優勝、01年の小松島も優勝、昨年4月の小松島も四国勢からただひとりの勝ち上がりながら、決勝戦ではに2着に食い込んで地元・エースの意地を見せつけている。
  小倉はゲリラ戦法を得意にしているために落車が多いのが難点で、調子が上がってくると落車で逆戻りというパターンも何度もくりかえしてきている。昨年も競輪祭で2個目のタイトルを獲得したあとに寛仁親王牌と高松宮記念杯で落車して調子を落としてしまった。
 それでもFIながら昨年12月の平塚で優勝して復調気配が見えてきており、今回は得意のふるさとダービーで地元ファンの期待にきっちり応えてくれるだろう。
新田康仁選手
新田康仁 静岡・74期
 
渡部哲男選手
渡部哲男 愛媛・84期



小倉竜二選手
小倉竜二 徳島・77期
 
 
 
復活なった山田が金子を目標にチャンスをつかむ
北津留と志村の90期の2人の活躍が見どころ

 山田裕仁がようやく復活してきた。競輪祭では自力勝負こそなかったが、05年の高松宮記念杯以来のGI競輪優出を果たした。残念ながら決勝戦は勝負所で落車に巻き込まれて仕掛けきれなかったが、西王座戦でも2日目予選でバック6番手からの大外強襲で1着を取って優出を果たしており、今回の復活は本物と見ていいだろう。12月の小倉FIでは格の違いを見せつけての捲りの3連勝、1月の大宮記念の二次予選も捲りで1着と自力脚も健在だ。
 中部では金子貴志も復調気配だ。今はまだ末の粘りが物足りないが、積極性は好調時の頃と変わらないほどに戻ってきており、競輪祭でも4走のうち3走で主導権を取り切っている。西王座戦の初日予選では打鐘先行で濱口高彰の1着に貢献しており、今回も山田裕仁を連れての積極策なら山田に大きなチャンスが訪れるだろう。
  今回のふるさとダービーでは北津留翼と志村太賀の90期の2人の活躍も見どころだ。 北津留は今のところはまだアマチュア時代の怪物ぶりを競輪で発揮できているとはいえず、FIではさすがの強さを魅せているが、グレードレースではこれといった成績を残せていない。今はまだ上位のレースの流れが掴めていないのか、先手を取りたくても取り切れずに凡走してしまうケースが目立っている。しかし、今回は各地区とも機動力型がやや手薄気味なので、北津留にとっては本領発揮のチャンス到来といえる大会になりそうだ。
  北津留に追いつき追い越せとばかりにメキメキと力をつけてきたのが志村だ。昨年5月にS級に特昇、10月の西武園FIで完全優勝でS級初優勝を飾り、今年2月の広島FIでも完全優勝している。そして3月の熊本記念では準決Cで後続をぶっちぎり、記念4回目で初優出を達成しており、新人らしからぬ度胸のいい走りで今回も大活躍してれるだろう。
山田裕仁選手
山田裕仁 岐阜・61期
 
 
北津留翼選手
北津留翼 福岡・90期
 
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伏兵・小倉竜二が3番からの捲りでビッグ初優勝
ふるさとダービーの思い出【平成10年12月8日決勝・優勝 小倉竜二】
  決勝戦は吉岡稔真の先行一車となり、直前の競輪祭で痛恨の1着失格となった吉岡の独擅場と思われたが、自力を匂わせていた後閑信一が最終的に主導権を奪って波乱の決着となった。吉岡稔真―池尻浩一―金田健一郎が前受け、中団に小倉竜二―菊池仁志の四国コンビ、後方に後閑信一―坂本英一―高木隆弘―米田勝洋の東ラインで周回。赤板から後閑がゆっくり上昇を開始すると、合わせて小倉も上昇して先頭に立つ。後閑は3番手の位置でインの吉岡を抑え込みながら、打鐘の2Cからスパートして主導権を奪う。小倉は番手飛びつきに失敗したが、高木を振って3番手の位置を確保、吉岡は前団と大きく離れた7番手になる。2角から高木と吉岡がほぼ同時に反撃してくるが、その動きに合わせて小倉が3角手前から捲っていってビッグレース初優勝、2着には坂本、3着には吉岡が入った。



風向きを考慮しての仕掛けがポイントになる
標準的なバンクで先行も捲りも決まりやすい
 直線の長さもカントも標準的な400バンク。走路もクセはなく、重くもなく、軽くもなくで、どんな戦法でも力を発揮できる。
  2センター後方約500メートルに観音寺港があり、そこから年間を通してバック向かい風が吹いてくることが多いので、先行はホーム手前からタイミングよく仕掛けていけばスムーズにスピードに乗ることができる。バックでは先行選手のペースが緩みがちになるので、捲りも決まりやすい。ただコーナーのカントがやや浅い感じなので、早めに捲りきることが大切になってくる。また悪天候の日はバックが追い風になり、楽に走れる先行が有利となる。
  04年に開催された西王座戦の決まり手を見てみると、全44レースのうち1着の決まり手は逃げが4回、捲りが11回、差しが29回、2着は逃げが6回、捲りが10回、差しが15回、マークが13回となっている。差しが圧倒的に有利だが、他の競輪場でのビッグレースと比べると、先行の連絡みの出現率が高くなっているのがわかる。

  周長は400m、最大カントは30度47分34秒、見なし直線距離は54.4m。競りはルール上からもインが有利だが、風の強い日はインが重くなるので早めに競り勝つことが必要になる。直線では特に伸びるコースはないが、捲り追い込みならコーナーを我慢して粘りきれれば直線で外を一気に突き抜けることができる。

観音寺バンク



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