カクテル光線の中に浮かび上がる選手は誰だ
小嶋敬二はサマーナイトフェスティバルには第1回と第3回大会に出場しているが、いずれも初日予選は3着で優出を逃している。常に小細工なしの自力勝負を身上にしている小嶋だけに1着権利の初日予選は難関だが、今回は地元・中部地区での開催となるのでしっかりと勝ち上がりを目指してくるだろう。
今年前半の小嶋は勝ち星を量産していた昨年と比べるとやや物足りないが、輪界随一といっていい怪物パワーは健在だ。
高松宮記念杯は優出を逃しているが、直前 の宇都宮記念は準決Cを豪快な捲りで通過、 4月・ふるさとダービー弥彦の準決も1着で 勝ち上がっており、今回も地元ファンの期待 に応える走りを見せてくれるだろう。
<小嶋敬二 石川・74期>
井上昌己は得意の捲り追い込みで優勝を狙う。競輪祭を優勝した井上はその後の負傷欠場から4月に復帰したが、5月・平塚記念で優出、次場所の武雄FⅠで優勝と素早い立ち直りを見せている。
高松宮記念杯では小嶋と同様に準決で敗れているが、4日目特別優秀では7番手からの 巻き返しで紫原政文と九州ワンツーを決めており、捲り追い込みのスピードに関しては完調の状態に戻っていると見ていいだろう。
道中しっかり脚を溜めての井上の捲り追い込みは、たとえ7、8番手の苦しい位置に置 かれても十分に巻き返しが可能で、今回も競輪祭で小嶋と山崎の東西王者を打ち破った格上の切れ味を披露してくれるはずだ。
<井上昌己 長崎・86期>
平原康多は4月から4回転を使い始めたが、ふるさとダービー弥彦で準優勝、高松宮記念杯で優出と早くも大ギアでの走りを手の内に入れている。しかも後方からの捲りが多い山崎芳仁とは違い、平原は4回転に変わっても積極性は以前と変わらず高いままで、今回も1着権利の初日予選であっても先行・押し切りを狙ってきそうだ。
徹底先行で怒濤の快進撃を続けているのが石橋慎太郎だ。高松宮記念杯では一次予選で村本大輔とワンツーを決め、二次予選を逃げ切り、準決では山崎芳仁を相手に先行して新田康仁の1着に貢献している。今回も初日予選は先行勝負で押し切って、決勝戦では南関東勢を連れての大逃走を見せてくれるだろう。
そして今回も石橋慎太郎との連係が実現すれば、新田康仁にとっては願ってもないチャンス到来となる。新田自身も高松宮記念杯では捲って準優勝と好調で、今回も山崎芳仁や小嶋敬二を打ち破っての優勝が十分に狙える。
地元・中部勢では吉田敏洋が好調で、5月・福井F1で今年3度目の優勝を飾り、次場所の大垣記念の決 勝戦では中部勢を連れて先行して山田裕仁の優勝に大きく貢献している。ビッグレースでも中部ワンツーの決着が多く、今回も吉田を目標に中部勢の躍進が期待できる。
<平原康多 埼玉・87期>
<山崎芳仁 福島・88期>
<石橋慎太郎 静岡・88期>
<新田康仁 静岡・74期>
<吉田敏洋 愛知・85期>
北日本勢は今年前半のビッグレースでは東王座戦で佐藤友和が連覇を飾っているが、昨年の快進撃ぶりと比べるとやや物足りないものがあり、他地区を圧倒していた勢いにも陰りが感じられるようになってきた。それでも機動力の充実ぶりは今回もさすがのものがあり、山崎芳仁を中心に反撃に打ってでてくるだろう。
とくに注目されるのは新田祐大と飯野祐太の90期コンビの戦いぶりだ。新田は高松宮記念杯では一次予選で敗れているが、今年はすでに4回の優勝があり、そろそろビッグレースでの大活躍が期待できる。
飯野は今年はまだ優勝がないが、新田と比べるとやや自在性が強く、強烈な捲りを隠し持っている。もちろん北日本ラインがあれば先行主体の競走だが、展開次第では大捲りの一発が十分にありうる。
南関東勢では海老根恵太が好調だ。高松宮記念杯ではまさかの一次予選敗退だったが、今年は優勝が2回あり、先行・捲りのスピードは完全に戻ってきている。今回も昨年の寛仁親王牌以来のビッグレース優出が十分に期待できるはずだ。
その海老根の先行を目標に地元・静岡ダービーで優出を決めたのが渡邉晴智だ。今回も海老根以外にも石橋慎太郎、新田康仁と好目標が揃っているので、決勝戦でG1連覇の差し脚を見せつけてくれるだろう。
<新田祐大 福島・90期>
<飯野祐太 福島・90期>
<渡邉晴智 静岡・73期>
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