第5回サマーナイトフェスティバル
レース展望 サマーナイトフェスティバルとは テレビ放送予定 優勝者の横顔
参考データ ファンサービス 場外発売
 真夏の夜の祭典として恒例となった第5回サマーナイトフェスティバル(GII)が川崎競輪場で開催される。初日がオール予選の1着権利と厳しい勝ち上がりなので優勝の行方は予断を許さず、格上の山崎芳仁や武田豊樹といえども絶対ではない。これまでの決勝のメンバーや優勝者を見ても伏兵陣の活躍が目立っており、今回も激戦を制してのニューヒーロー誕生が大いに期待される。
 
スター選手が真夏の夜に 興奮と感動を呼び起こす! 
厳しい勝ち上がりで優勝 の行方は予断を許さない  
 
 サマーナイトフェスティバルはS級S班18人がそろい踏みとGIと変わらぬ豪華メンバーが出場予定だが、なにしろ勝ち上がりがオール1着権利なので、決勝のメンバーを想定するのが難しい。
 有利なのは強力先行型を多く抱える地区の選手だが、強力無比なラインができたとしても勝ち上がれるのは1レースにつき1人だけなので、決勝でも同じように有利に戦えるとは限らない。
 選手層の厚さや薄さに関係なく、どこの地区の選手にも等しく優勝のチャンスがある大会と言えるかもしれない。
 山崎芳仁は、やはり優勝候補から外せない。競輪祭での圧勝劇のあとは勝ち星からすっかり見放されてしまい、4月・共同通信社杯春一番の3日目特選で逃げ切り、ようやく今年3勝目という状態だった。だが、5月・全プロ記念の初日も小嶋敬二、井上昌己らを相手に捲って快勝と走りは軽快で、明らかに復調気配が見えていた。過去4回の大会で山崎は決勝進出が3回とサマーナイトとの相性もよく、今年も先行・捲りの自力勝負で勝ち上がって初優勝を狙っていく。
 今回の出場メンバーの中で気合い一番の選手はおそらく佐藤慎太郎だろう。昨年5月に落車して大ケガを負って以来、ビッグレースからは名前が消えていた。ようやく今年6月の高松宮記念杯から表舞台に戻ってこられたのだから、一戦一戦のレースに賭ける意気込みは並々ならぬものがあるはずだ。近況はFI戦で勝ち星を量産中と状態も良く、久しぶりのビッグレース優勝を目指して差し脚を伸ばしてくることだろう。
 山田裕仁も昨年は40歳を迎えてスランプに陥っていた時期はあったが、今年は2月の静岡記念を優勝、5月の平塚記念では完全優勝を達成して復活ののろしを上げた。平塚はS級S班のいないシリーズだったとはいえ、それでも4日連続でしっかり1着を取っていける脚はたいしたもので、今回も予選を1着での勝ち上がりが期待できる。

山崎芳仁
<山崎芳仁 福島・88期>

佐藤慎太郎
<佐藤慎太郎 福島・78期>

山田裕仁
<山田裕仁 岐阜・61期>

初日予選は選考順位による自動番組で混戦必至! 
海老根恵太が地元ファンの期待に応える  
 四日市で開催された昨年の初日予選の1着の決まり手を見てみると、逃げが1回、捲りが5回、差しが4回となっている。
 1着を取るにはやはり捲りが有利で、先行は苦しい。差しの3回はすべて先行の番手から伸びてきての1着で、唯一先行で押し切れた選手は稲垣裕之だけだった。今年の川崎バンクも4コーナーから外のコースがよく伸びるので、先行よりも捲りの得意な選手が有利となるだろう。
 今年は残念ながら地元・神奈川の選手の出場予定はないが、南関東のファンの期待を背負って登場するのが海老根恵太だ。
 海老根は近況こそ成績の波が大きいが、体調的には決して悪くなく、積極的に主導権を取りにいくレースも多い。得意の捲りの切れ味も良く、全プロ記念の初日優秀では武田豊樹の先行を7番手からの仕掛けから捲り切り、渡邉晴智の猛追を振り切って勝ち星を挙げている。
 今年からサマーナイトフェスティバルも初日予選は選考順位による自動番組となるので、ライン戦よりも細切れの混戦模様のレースが多くなりそうだが、海老根は後手を踏まされる展開になったとしても、いつもどおりの早め早めの巻き返しで勝機を掴んでくるだろう。
 混戦になればなるほど力を発揮してくるのが井上昌己だ。井上も近況は成績が安定しないが、4月の地元開催の共同通信社杯春一番では3連勝の勝ち上がりで決勝進出を決めている。圧巻だったのは準決勝で、目標の中川誠一郎が後手を踏まされる苦しい展開となったが、井上は冷静にレースの流れを読み切り、最後の直線では中寄りのコースを一気に突き抜けてきている。今回も後方に追いやられる展開になったとしても、川崎バンクの外寄りのコースをうまく掴んで一気に伸びてくるだろう。
 新鋭・木暮安由の一発にも期待がかかる。3月・名古屋記念では小嶋敬二、海老根恵太らの強豪を相手にあっぱれの完全優勝で記念初優勝を達成している。勇んで乗り込んだビッグレース初出場の共同通信社杯春一番では2日目に失格で途中欠場と、苦杯を喫してしまったが、若手らしく素早い立ち直りを見せ、全プロ記念では逃げ切りと追い込みで2連勝している。
 捲りのスペシャリスト・石丸寛之の一発も侮れない。昨年の全日本選抜で三宅伸とワンツーを決めた頃と比べると近況の仕上がり具合は7割程度で全幅の信頼は置きにくいが、展開がはまった時の踏み出しの良さとスピードの切れ味はやはり素晴らしく、今回も十分に勝ち上がりが狙える。
海老根恵太
<海老根恵太 千葉・86期>

井上昌己
<井上昌己 長崎・86期>


木暮安由
<木暮安由 群馬・92期>

 

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