今年で7回目を迎えるサマーナイトフェスティバルだが、第1回の覇者の有坂直樹、第2回の市田佳寿浩、第4回の新田康仁、第6回の成田和也がビッグレース初優勝を飾っている。初日がオール予選の1着権利と厳しいため、その反動で決勝は単純明快なレースになりやすく、先手ラインの選手が優勝というケースが多くなっているのも特徴だ。
第3回覇者の濱口高彰は先手を取った永井清史の番手、第6回の成田和也も先手を取った佐藤友和の番手。第1回の有坂直樹は先手を取った山崎芳仁の3番手から直線伸び、第4回の新田康仁も先手を取った稲垣裕之ラインの3番手を追走から伸びている。
そこで今年の優勝候補の筆頭に推したいのは長塚智広だ。直近4カ月の勝率が軽く6割を超えており、今回の出場予定選手の中ではナンバーワンだ。3月の日本選手権は決勝では失格と残念な結果に終わってしまったが、勝ち上がりは文句なしの3連勝。4月の共同通信社杯春一番も3連勝の勝ち上がりで準優勝、次場所の西武園記念では優勝も飾っている。
5月の豊橋記念での落車の影響で調子は緩やかに下降線をたどってきている印象があるが、自在な立ち回りからくりだす捲りの切れ味はまだまだ健在で、今回も1着権利の厳しい勝ち上がりを難なくクリアしてくるだろう。
成田和也は昨年の覇者だ。長塚とは対照的に勝率はかなり低めで、ビッグレースでもやや物足りない成績が続いていたが、5月のSSシリーズ風光るでは山崎芳仁の先行に乗って番手捲りを打った伏見俊昭をゴール前で差し切って優勝、ここぞという時の勝負強さを改めて見せつけた。
今年も北日本ラインの豊富な機動力を目標に、連覇を目指して差し脚を伸ばしてくるだろう。
浅井康太はSSシリーズ風光るのS級シリーズを完全優勝するなど近況は好調だ。4月の西武園記念では二次予選と準決勝で2連勝、5月の豊橋記念では準決勝で1着と、勝ち上がり戦で1着が取れているので今回も予選突破が期待できる。
中部は山口幸二や濱口高彰のベテランの追い込み勢力が相変わらず元気一杯で、浅井も先行や7番手からのロング捲りになれば苦しいが、中団を捌いてからのショート捲りという得意のパターンに持ち込めればしっかりと押し切れるだろう。西武園記念の準決勝でも、グランプリ覇者の村上博幸の猛追を退けて堂々と押し切っている。
松坂洋平が勢いに乗っている。日本選手権で予選からの逃げ切りで準決勝にコマを進めて一躍注目を集めた松坂だが、4月の別府記念では深谷知広、松岡貴久らの今をときめく精鋭たちを相手に、6番車の松坂は無欲の先行で押し切って、見事な記念初優勝を達成した。
5月の平塚記念でも初日特選こそは番手追走の神山雄一郎に差し切られて2着だったが、2日目優秀からは3連勝で地元バンクで記念優勝を飾っている。
直近4カ月の勝率は軽く4割を超えており今回も勝ち上がりが期待できるが、連係になれば同県の五十嵐力や白戸淳太郎らの台頭も十分だろう。海老根恵太以外はビッグレースでの活躍が少なくっていた南関東勢だが、松坂の登場で今後は盛り上がりを見せてきそうだ。
追い込み・捲りで好成績を挙げている園田匠の一発が侮れない。
共同通信社杯春一番は準決勝で敗れたが、一次予選では松岡貴久の先行に乗って1着、4日目優秀は中団からの先捲りで渡邉一成―山崎芳仁―伏見俊昭の北日本ラインを敗っている。
5月の宇都宮記念でも決勝は6着に敗れたが、初日特選と準決勝で1着とスピードのよさを見せつけており、今回も展開がハマれば直線強襲のキメ脚を存分に発揮してくれそうで、ビッグ初制覇が十分に狙えるだろう。
地元・四国勢からは佐々木則幸のみが出場予定と寂しい結果になってしまったが、地域的につながりの中国勢の援護を受けることができれば、必ずや地元ファンの期待に応える走りを見せてくれることだろう。
近況はビッグレースでの目立った活躍はないが、捲りのスピードが徐々に戻ってきていて復調気配だ。
5月の全プロ記念の2日目ダイナミックステージでは鈴木謙太郎の先行を捲って1着、次場所の川崎FIでは渡邉一成の捲りを追走からゴール前で差し切って今年2度目の優勝を飾っている。今回の走りにも注目だろう。
昨年のサマーナイト決勝ゴール |
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(2)成田和也がビッグ初優勝! |