レース展望

 第8回サマーナイトフェスティバル(GII)が四日市競輪場で開催される。四日市がホームバンクの浅井康太が中部勢と好連係で必勝を期してくるが、武田豊樹率いる関東勢や北日本勢の反撃も十分だ。

夏の夜を彩るスター選手が優勝争いで火花を散らす
復調気配の浅井康太が地元バンクで必勝を期す

浅井康太 三重・90期  浅井康太が復調気配だ。高松宮記念杯は4日間勝ち星なしの準決勝敗退に終わったが、次場所の岐阜記念では初日から先行、捲りの積極的な仕掛けで優出し、決勝も4番手からの捲りで昨年の岐阜オールスター以来の優勝を達成。オールスター同様に山口幸二とワンツーを決めている。
 西王座戦の決勝は深谷知広と3番手を取り合う展開となって7着、高松宮記念杯の白虎賞は単騎の競走で3着と、近況は深谷との別線勝負が多いが、浅井のホームバンクでの大会となれば話は別だろうし、決勝で深谷と連係できれば地元優勝の可能性も高まる。

武田豊樹 茨城・88期  地元・中部の最大の難敵となるのが関東の武田豊樹だ。高松宮記念杯でも相変わらずの積極的な仕掛けで浅井康太、深谷知広らの中部勢をことごとく撃破。決勝も深谷との3番手の取り合いを制して3度目のGI優勝を飾っている。

 長塚智広もやや安定感には欠けるが、5月の宇都宮記念を優勝して調子は上向きだ。高松宮記念杯では準決勝で敗れたが、青龍賞では武田を目標に、4日目特別優秀では平原康多を目標に2勝している。昨年のサマーナイトフェスティバルの決勝では深谷知広の番手に飛びつき、自身は3着に終わったが、神山雄一郎の優勝に貢献している。

村上義弘 京都・73期  村上義弘率いる近畿にも勢いがある。若手の成長で村上自身の先行回数は減ってきているが、高松宮記念杯では二次予選Aが稲垣裕之マークから1着、準決勝も脇本雄太マークで1着と存在感を見せた。
 弟の村上博幸も高松宮記念杯では決勝進出はならなかったが、白虎賞が稲垣裕之を目標に1着、2日目優秀が浅井康太の捲りに乗って1着。次場所の京王閣FIでも完全優勝を飾った。小松島記念での落車の影響が心配だが、今回も近畿の先行型を目標に兄弟揃っての優出が期待できる。

成田和也が貫禄の差し脚で2度目の優勝を狙う
復活なった井上昌己が自在な走りで鋭さを発揮

 北日本は地元開催の高松宮記念杯では優出者がゼロと残念な結果に終わったが、日本選手権では山崎芳仁の捲りに乗って成田和也が優勝、共同通信社杯では佐藤友和の先行に乗った渡邉一成が番手捲りでビッグ初優勝と今年前半のビッグレースでは猛威をふるっており、今回も豊富な機動力を武器に強さを発揮してくるだろう。

成田和也 福島・88期  成田和也は第6回の函館大会の覇者だ。佐藤友和の先行を差し切ってビッグ初優勝を飾っており、サマーナイトフェスティバルはダービー王・成田の原点の大会といってももいい。日本選手権を優勝後も共同通信杯で準優勝など安定した成績を維持しており、今回も飛躍のきっかけとなった大会で貫禄の差し脚を見せつけてくれるだろう。

桐山敬太郎 神奈川・88期  南関東が侮れない存在だ。桐山敬太郎はビッグレースでの優出経験はまだないが、共同通信社杯の二次予選Aでは村上義弘、小嶋敬二、渡邉一成らのそうそうたるメンバーを敗っての1着突破で準決勝進出、高松宮記念杯も一次予選から2連勝の勝ち上がりで準決勝進出と着実にランクアップしている。
 今年前半のFIの優勝が3回を数え、直近4カ月の勝率が4割を超えており、本大会の初日予選は1着権利の厳しい勝ち上がりだが、格上相手でも1着突破で、ビッグレース初の決勝進出が期待できるはずだ。

 鈴木裕は今期2班だが、日本選手権の準決勝では逃げ粘りの2着でGI初優出を達成、共同通信社杯の準決勝も逃げ粘りの2着で突破と大活躍を見せた。高松宮記念杯は二次予選Aで敗れたが、一次予選は6番手からの捲り追い込みで1着と調子は悪くなく、今回も持ち味の強気の攻めで予選突破を狙ってくる。

井上昌己 長崎・86期  九州では井上昌己が復活してきた。共同通信社杯では準決勝で敗れたが、残り3走で3勝を挙げ、5月の小倉FIと広島FIを連覇。高松宮記念杯では勝ち星は二次予選Bの1勝のみだったが、準決勝を3着で突破して約2年ぶりのGI優出を決めている。自在な走りで好位を奪取してからの捲り、追い込みで鋭さを発揮しており、桐山敬太郎と同様に直近4カ月の勝率は4割を超えている。

 吉本卓仁の先行力にも注目だ。6月の西武園記念の初日特選では村上義弘を捲り不発に終わらせての逃げ切り、準決勝も水谷好宏-村上義弘の近畿ラインをきれいに捲り切って決勝進出、高松宮記念杯では一次予選で敗れたが、4走のうち3走で主導権を取り切っている。本来は捲りを得意としている吉本だが、近況は先行での持久力が格段にアップしてきており、今回も主導権取りに燃えてくるだろう。

昨年のサマーナイト決勝ゴール
(1)神山雄一郎が6年ぶりビッグV
(1)神山雄一郎が6年ぶりビッグV