全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪
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全プロ記念競輪レース展望
世界を目指すトップアスリートたちが覇を競う!
 来る5月11日、12日の両日、福島県のいわき平競輪場で「全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪」が開催される。昨年と同様に今年も「ワールドグランプリ」は実施されないが、豪華メンバーが揃った初日の優秀競走3個レースから勝ち上がった9名によって戦われる2日目の「スーパープロピストレーサー賞」はGⅠ競輪の決勝戦並みの見応えのあるレースが期待できる。


絶好調の小嶋敬二が輪界屈指の機動力で押し切る
 審査対象期間(平成18年8月~11月)における平均競走得点上位の27名が初日の優秀競走に出走するが、優秀競走3個レースで3着にまでに入った9名が2日目の「スーパープロピストレーサー賞」で覇を競うことになる。
 一番の見どころは先の平塚ダービーを大いに沸かせた小嶋敬二、平原康多と地元のエース・山崎芳仁の3人の機動力型の走りっぷりだろう。
 小嶋敬二の近況は2月の四日市記念で久しぶりの記念優勝を飾った後、続く静岡記念で準優勝、西王座戦が完全優勝と昨年の不振が嘘のような充実ぶり。日本選手権競輪は準決勝でまさかの敗退だったが、残り3走は圧勝しており、今回も豪快な勝ちっぷりで魅了してくれるだろう。
 平原康多は昨年の全日本選抜競輪でGⅠ競輪初優出と、リニューアルされたいわき平バンクとの相性がいい。年が変わって競輪祭と東王座戦では勝ち上がりに失敗したが、日本選手権競輪は持ち味の徹底先行ぶりを存分に発揮して2度目のGⅠ競輪優出を決めた。今回も連日の先行勝負は間違いなしで、追走の関東勢にチャンスが大きく膨らむ。
 特に神山雄一郎は平原との相性が抜群で、昨年の全日本選抜競輪は平原を目標に優出しているし、日本選手権競輪は準決勝で番手を奪われたものの、特選予選はきっちり1着を取っており、今回も平原との連係があれば神山の勝ち星は固いだろう。
 山崎芳仁は4・00の大ギアで臨んだ日本選手権競輪は特選予選はカマシで追走の有田直樹を振り切る強さを見せつけたが、その後は不発の連続で勝ち上がりに失敗している。昨年の全日本選抜競輪でも優出を逃しており、今や輪界の第一人者となった山崎としては、再び地元ファンの前で期待を裏切る訳には絶対にいかないことを本人も十分に承知しているはず。4月の川崎記念を優勝し、リズムも戻ってきたので地元バンクでの必ずやの巻き返しが期待できる。

小嶋敬二
<小嶋敬二 石川・74期>

平原康多
<平原康多 埼玉・87期>

山崎芳仁
<山崎芳仁 福島・88期>


復活なった村上義弘が得意の先行で押し切る
村上義弘
<村上義弘 京都・73期>
 選考順位が28位から54位までの選手が出走する特選3個レースでは、5着までに入ると2日目のダイナミックステージへ進出できる。
 特選組で一番の注目選手は日本選手権競輪で久しぶりのGⅠ競輪優出を果たした村上義弘だ。長らく低迷していた時期にも先行一本を貫いてきた成果がようやく実って、2月の静岡記念と西王座戦でも優出、3月の大垣FⅠで今年初優勝と急速に復調してきていた。昨年の全日本選抜競輪でも先行で準決勝まで勝ち上がるなどバンク相性もよい。現在のいわき平は以前よりも直線が10m長くなって先行選手が苦しんでいるが、今の村上の状態ならば先行押し切りが十分に狙える。
 捲りでは相変わらず岡部芳幸が好調だ。東王座戦では2連勝で優出、3月の玉野記念では決勝戦で先行して有坂直樹の優勝に貢献、日本選手権競輪では二次予選で敗れたが、5日目と6日目の敗者戦を得意の捲りで連勝しており、体調面、脚力ともにまったく不安はない。
 追い込み型では有坂直樹が格の違いを見せつけるだろう。グランプリを制したあとも競輪祭、東王座戦で優出、玉野記念で優勝と高レベルでの好調を維持。日本選手権競輪の特選予選は山崎芳仁のカマシに追走一杯となり、二次予選では佐藤友和から離れて窮地に陥ったが、自ら捲って1着に突き抜けて底力の高さを改めてアピール。決勝戦も捲りで圧勝してGⅠ競輪初優勝を飾っており、今回も組み合わせに関係なく狙っていける。

矢口啓一郎が積極的な仕掛けで上位独占を狙う
 選抜5個レースでは2着にまでに入った選手がダイナミックステージに進出する。
 選抜組での注目選手は徹底先行の矢口啓一郎だ。近況は末脚がやや物足りなくて大きな着が目立っているが、3月の玉野記念では敗者戦ながら2勝と調子は悪くない。直近10場所のバック回数も24回と積極性も変わりなく、今回の特選メンバーが相手なら主導権を取り切ってのラインでの上位独占が十分可能だ。
 捲り一発が侮れないのが三ツ石康洋。成績の波は大きいが、競輪祭では捲りの2連発でGⅠ競輪初優出を達成しており、大ギアを駆使しての捲りはツボにはまれば破壊力は絶大だ。昨年の全日本選抜競輪では敗者戦ながらただひとり三ツ石だけが逃げ切りを記録しており、今回も相性のいいバンクでの先行押し切りがあるかもしれない。
 追い込み型では村上博幸が展開に応じた自在な攻めで好調だ。3月の向日町FⅠを優勝、日本選手権競輪では二次予選で敗れているが、一次予選では矢口啓一郎の番手を小橋正義から奪い、追走の前田新と近畿ワンツーを決めており、今回も強気な攻めでチャンスを掴んでくるだろう。


小野俊之が直線鋭く追い込んで優勝
昨年のスーパープロピストレーサー賞【優勝 小野俊之】
 前受けが荒井崇博-小野俊之-兵藤一也-阿部康雄で、その後ろに単騎の佐藤慎太郎、中団が金子貴志-大塚健一郎、後方が神山雄一郎-後閑信一で周回を重ねる。赤板から金子がゆっくり上昇して前に出ると、荒井は引かずに金子の番手で粘り、金子は最終ホームからスパートして先行態勢に入る。最終バックで荒井が大塚を捌いて金子を番手を取り切り、直線に入ると荒井後位から小野が追い込んで1着、2着は兵藤、3着は逃げ粘った金子だった。

ゴール