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ワールドカップ第4戦シドニー大会レポート
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配信日:3月6日 |
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■3月5日(3日目)天候 晴 気温28℃ 観客数2800人
久しぶりに夏らしい太陽のなか、今シーズンワールドカップ最終戦は今日が最終日。
昨日の盛の銀メダルがスプリント陣にもよい刺激になったに違いない。
先日のインタビューで盛も「これで明日チームスプリントがメダル獲ってくれたら最高ですね」と言っていた。
そのエールに応えるべく、金子貴志、渡邉一成そして井上昌己がチームスプリントに出場。ここまで、他の種目に出場していない井上はこのためだけに満を持して来たといっても過言ではない。
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<チームスプリント予選>
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午後イチからはじまった予選、日本は第4組の発走。
全くノーマークだった中国がいきなり45秒台を出したりして、少し驚くことになる。
しかし、日本チームの走りを見て不安が払拭。日本は45″393で3位。しっかりとタイムをたたき出してくれた。
「3位ですか?お~、スゲー!」バンクのエプロン部分に入って近くで見ていた盛もうれしそうだ。
1位はオランダで44.479。2位はフランスで44.769。これは最初から予想できたこと。
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<フランスが走るまでは、2位だった。>
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フランスは、ボジェ、トゥルナン、ペルビスという聞いただけで速そうなメンバー。
オランダは、ムルダー、ボス、ヴェルドのベストメンバー。おまけに1ヶ月前にシドニー入りし、仕上げたベストコンディション。
くやしいが、この2つは別格。
今、日本が持っているパフォーマンスで行くと、今回出場しているチームで日本の一番のライバルはポーランドだと思われたが、そのとおりポーランドは2/1000差で4位につけたため日本は午後に3-4位決定戦をポーランドと戦うことになった。
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<合わせ練習をほとんどしていないにしては
呼吸が合っていた。>
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ここまできたら、どうしてもメダルが欲しい。今シーズン、日本はチームスプリントでそれほどいいところに行けていないのだ。3位と4位の違いは1つだが、「メダル」と「何もナシ」の違いでもある。選手たちは、なかなかいいタイムが出たことで、表情は明るいが、金子は足首の調子が思わしくなく、井上も冗談ながら、「はぁ~キツッ、もう午後はムリ!」などと言っている。
なんとなく弱気になりそうなところを、渡邉が他の二人に「迷惑かけてすみません。次、ギア上げて行きます!」と声をかける。当然、渡邉のタイムは「迷惑をかけた」などというタイムではないのだが、次へ向けての気合の入り方が頼もしい。
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迎えた3-4位決定戦、金子のスタートもバッチリのタイミング。ギアを上げたにもかかわらず、渡邉もそのダッシュにぴったりとついて行く。ラスト周回の井上もスピードが落ちることなくフィニッシュ。
金子の足首、渡邉は連戦の疲れ、井上は久しぶりの大会とそれぞれに不安を抱えながらも、実際の競走になれば、それを感じさせない走りで、なんなくポーランドを撃沈。3人すべてのラップにおいてポーランドに劣ることはなかった。
ルカシュ・クウィアコウスキー、ダミアン・ゼリンスキーを擁するポーランドをあっさり下したことはメンバー全員の自信になったに違いない。金子にとってみれば、昨日ダミアン・ゼリンスキーにリベンジをされた、そのまたリベンジが果たせたというところではなかろうか。
この競走で日本の銅メダルが確定し、振るわなかった今シーズンチームスプリントを笑顔で締めくくることとなった。
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<錚々たるメンバーと同じ表彰台。この意味は大きい>
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金子のコメント
「足首の具合が悪かったのですが、大丈夫です。このコンディションではいいタイムが出たと思います(金子のラップは18″015)足首のせいで(足首に負担をかけないように)ギアを48にしたんですけど、49で行けたら17″台がでたと思います。メダルがとれると、やっぱり気合がまた入ります。(表彰台で)日の丸を見るのもいいんですけど、やっぱり君が代がききたくなります。(国歌が流れるのは金メダルのみ。)これから世界選に向けて、ケガをしないスレスレのところまで(自分を追い込んで)練習してきます」
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<レースについて語る金子と井上>
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渡邉のコメント
「2本目はギアを上げました。タイム的にはたいして変わってないけど、金子さんのダッシュについていって、最後粘れるかどうかなんで、ギアを上げたのは正解だったと思います。合わせ練習はやってないんで、これで合わせていけばもっとよくなると思います。世界選までにできることをやって頑張ります。時間もないんで、回り道しないように最短コースで仕上げてきます。また、よろしくお願いします」
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井上のコメント
「いやーきつかったす。メキシコを思い出しました(井上は2004年ワールドカップメキシコ大会チームスプリントで長塚、伏見とともに銀メダルを獲得。高地のため、特に第3走の選手には負担が大きい)(“1本目より2本目のほうがタイムがよかったが?”と問われて)うん。いい傾向だと思います。2本目タイムが落ちるところが日本の悪いところなんで・・・(“久しぶりに国際大会を走ってみて?”)楽しく走れました。ワールドカップの雰囲気が久しぶりの身としてはちょうどいいかも知れませんね。世界選はまた違う雰囲気ですから。世界選も、もしお声がかかれば、行きたいと思います」
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<「ハァハァ、あー苦しい」へたりこむ井上>
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今シーズン、モスクワ大会で金子がスプリント銅メダルを獲って以来、あまり元気のなかった日本スプリント陣、最後の最後でよいプレゼントを残してくれた。このところ調子のよいエンデュランス(中長距離)陣と手に手を取り合って、世界選手権に殴りこみ、と行きたい。
日本自転車トラック競技、シーズン最終評価は4月13日~16日、西フランス、ボルドーにて。終わった後、世界一おいしいワインに喜びのテイストも加わっていることを願いたい。
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<今回のオランダチームの仕上がり具合には、
舌を巻いた>
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