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ワールドカップ第4戦シドニー大会レポート
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配信日:3月6日 |
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■3月4日(2日目)天候 曇り 気温24℃ 観客数3150人
夏にしてはややひんやりとした土曜日の朝。ダンク・グレイ競技場は大入り満員。
大会2日目、午前中はスプリントの予選が行われ、日本からは金子貴志と永井清史が出場した。
各選手それほどタイムがでない中、金子が10″609、永井は10″620で32人中それぞれ12位、13位で予選通過。
予選通過最後位、16位の中国のリン・フェンが10″699ということを考えると、どんなバンクでも10″6台ではヒヤヒヤする。
もちろん、金子にしても永井にしてもベストは10″2台なのだから、本人たち的にも笑顔の出るタイムではない。
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<出走を待つ永井>
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「いや~、感じ悪いっすね~」「なんか、体が重いです・・・」とそれぞれ同じようなコメント。
1位通過はポーランドのルカシュ・クゥイアコウスキーの10″248。金子に言わせれば、このバンクでこのタイムは驚きの数字らしい。本調子ではないとはいえ、コンマ2秒、3秒に目標を置く金子がいうのだから、タイムが出にくいバンクコンディションだったのだろう。その言葉を裏付けるように、予選通過者のタイムは10″5~6秒台に集中していた。
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<アップを行う金子>
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1/8決勝、まずは永井とトレードチームSISのジェイミー・スタッフの対戦。
永井はインスタートから先行。2周目でスタッフが前に出るが、永井は少し車間をあけ、機会をうかがう。
3コーナーの傾斜を利用して、山おろしでスタッフに並びかけるも、それにあわせてスタッフもダッシュ。
並走状態が続き、最後は永井が力尽きた形で勝ちを譲ってしまった
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<永井のスプリント予選>
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続く金子の競走の相手は、モスクワ大会ではあっさりと下すことのできたポーランドのダミアン・ゼリンスキー。
金子は先行。2周目2コーナーで金子が上にあがったスキをついてゼリンスキーが前へ。後ろにピタリとつけた金子は最終周回巻き返しを図り、最終バックで一度は並ぶも前にかぶせることはできず、後着。絶好調でなかった今回は図らずもモスクワ大会のときのリベンジを食らうかたちとなってしまった。
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<調子のよいときならゼリンスキーには
負けない金子だが・・・>
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9~12位を決するために行われるB戦。1/4決勝Bは幸か不幸か日本人対決になってしまった。いいようにとれば、
必ずどちらかが、先へ進めるということなのだが・・・。競走は金子が先行。後ろを気にしながら2周目を回る。
その3コーナーから永井が前に出て、ダッシュ。そのまま押し切り白星。
金子はモスクワ大会の銅メダルにより、世界選手権出場はほぼ安泰。
国際大会久しぶりの永井が、金子より回数を多く走れたことは日本チームとしてはよかったのかもしれない。
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<永井も国際大会は久しぶり>
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さて、先へ進んだ永井の1/2決勝B。相手はアメリカのマイク・ブラッチフォード。スローペースの1周目は、ブラッチフォードの後ろにつけ、様子見。2周目ホーム、班目監督の「頑張って前へ出ろ!そのまま行け!」の声にはじかれたように飛び出し、最終周回に入る。ブラッチフォードがあせったようにもがくが、永井はスピードを上げそのままゴール。9-10位決定戦に進み、ジャマイカのリカルド・リンチとの対戦となった。永井は先行。リンチは2車身ほど間をあけて追う。2周目1コーナー、リンチが上へ上がって勢いをつけようとしたところを絶妙のタイミングで、永井が前に踏み出し、勢いをつけるタイミングを与えない。あわてて追走するリンチ。その間にも永井は前へ前へ踏んで最終周回に差しかかる。リンチも必死に追い上げようとするが永井もかかっており、一度開いた差を短い距離で詰めるほどの爆発的ダッシュはリンチにはなく、タイミングよく駆けた永井の作戦勝ち。久しぶりの国際大会で9位入賞を果たした。
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<リンチがこれほど距離を置けば、
当然永井は行ってしまう>
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永井のコメント
「久しぶりだったので、疲れました。とりあえず、(入賞ができて)ポイントがとれてよかったです。(“最後の2本は駆け引きのうまさが光ったが?”の問いに)ハハハ。日本の競輪みたいな感じでしたね」
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スプリント決勝はフランスのグレゴリー・ボジェと、金子を1/8決勝で破ったゼリンスキー。1本目は超スローペースでボジェが先行。徐々にスピードを上げながらラスト1周でボジェが全力疾走。ゼリンスキーは追走が精一杯で、まずボジェが1本。続く2本目。ゼリンスキー先行。2周目から思い切って踏み出すも、最終バックでは既にボジェにつかまり、「スポン」と音がするような勢いで抜かれてしまう。あっさり2タテでボジェ。これでロサンゼルス大会に引き続き金メダル。今、ボジェを先に行かせるともう、誰も手がつけられない気がしてしまう。
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<別の組なら二人とも勝てたかも・・・>
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21:00ごろからは昨日スクラッチで健闘した盛一大がポイントレースに出場。
スタート後、盛は中段からやや後方で様子見をしていたが第1スプリント残り3周あたりから一気に逃げ体制。後続に1/4周回以上の差をつけながら、1位通過し、5ポイントゲット。第3スプリントは残り2周で逃げるロシアの選手を追い、また3ポイントゲット。その後しばらくは集団のなかでポイントがとれない。少しずつ後ろの集団に後退。第7スプリントでは第3集団のなかに。トップ集団との差はおよそ半周。
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<盛は躊躇せず前へ出る>
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その後、さらに遅れ始めた自分の集団を捨て、踏みあげて第2集団へ。そして第9スプリントで3人で先行する先頭集団に追いつこうと単独で必死にもがき合体。さすがに苦しそうな表情になるが、その集団が最後尾集団をラップし、20ポイントが加算。さらに4位通過で1ポイントを加え、再び2位に浮上。その次のスプリントでも2点を追加。ラストスプリントもポイントは取れなかったものの下がることなく踏ん張り、トラック競技国際大会初出場にして堂々の銀メダルを獲得。今シーズン日本にワールドカップにおける最高位をもたらした。これにより、世界選手権のポイントレース枠はほぼ確定。
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<今シーズン3度目の日の丸>
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盛のコメント
「よかったです。これで面目が保てました。西谷さんと顔をあわせても恥ずかしくないです。(西谷は同じ愛三工業チームのチームメイト。先のワールドカップ・ロサンゼルス大会、スクラッチ種目で銅メダル)後半は少し集団につつまれてしまって、脚をためていたにもかかわらず、抜け出すのに2、3回脚を使ってしまったトコが失敗しました。(“銅メダルのクリス・ニュートンを道中、目標にしていたように見えたが?”と聞くと)ハイ、“1位になっているオランダの人(ニキ・テルプストラ)に行け”という声が飛んでたんですが、その人はもう点数稼いでいるんで、守ればいいだけの人じゃないですか。それより、まだまだ点数が欲しい人のところに行ったほうが、攻めるに違いないと思って・・・とにかく、展開に恵まれたことと、よい位置取りができたことがいい成績が残せた要因だと思います。(“今シーズンは、愛三工業大旋風だったが?”)いや、これから始まりだと思ってます。世界選も、もし行けるなら強い人もいっぱい出てくると思いますけど尻込みせずに頑張ります。(“疲れているのに遅くまでありがとう”)いえ、後はおいしいビール飲んで寝るだけですから。今日まで、しばらくガマンしてたんで、きっとおいしいと思います」
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<LA大会に引き続いてのエンデュランス種目、
表彰台>
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