ワールドカップ第1戦シドニー大会レポート
 
配信日:11月20日
 
 
■11月16日 開催前日 天候くもりのち晴れ 気温16℃

 今年もいよいよ始まった。トラックのメインシーズンが完全に冬に移行されてこれで3シーズン目。経過措置のためワールドカップは徐々に冬に移行されていたこともあり、この時期の開催にもはや違和感は全くない。
 
 北半球は冬とはいえシドニーは、初夏。しかし、期待を裏切るかのように風が強く涼しい。Tシャツ1枚ではガタガタふるえてしまうような気温だ。昨シーズンはシドニーが最終戦だった。
 
 
 世界選手権出場に十分なポイントをすでに獲得したヨーロッパの選手たちがわざわざ南半球まで遠征するのを嫌い出場を控えたこともあり参加人数がやや少なかった昨シーズンのシドニー大会。その反省からか、今シーズンシドニーは初戦の舞台となる。初戦への意気込みか、オリンピックが徐々に近づいているしるしなのか今回は各国とも大量の選手を投入。男女およびトレードチームをあわせて39チーム、男子173名、女子59名で232名の参加だ。前回の男子127名、女子52名に比べて大幅の増。参加選手数という観点ではUCIのもくろみは、当たったといえる。当然、一線級が来ている国、大御所はまだ顔を見せない国とそれぞれだが、参加選手数が増えたことに変わりはない。
 
 
 特筆すべきは、アジア勢の選手数が格段に増えたこと。韓国、チャイニーズタイペイ、イラン、マレーシアなどがこれだけ多くの選手を送ったことは、アジア各国がこの大会を12月にカタールのドーハで開催されるアジア大会の前哨戦であると位置づけているとともにアジアで開催される次回オリンピックに向けてギヤを一段あげてきたという意味合いがあるのではなかろうか。
 
 
 一方、昨年から折にふれ紹介しているトレードチームだが、今回は7チームが出場。出場は7チームだが今シーズンUCIに登録されたトレードチームはすでに12チーム申請済みで審査中が6つということだから、最後には18チームぐらいになる可能性もある。昨シーズンよりさらにチーム数が増え、強い選手を企業がサポートするという動きはトラック競技でも定着してきている。今シーズンもトレードチームから目が離せないようだ。
 
 

 気になる日本チームだが、今回は金子貴志、成田和也、及川裕奨、渡邉一成、飯島規之、内田慶というメンバーを揃えた。昨年メダルを獲得した「初戦」とこれまで何度もメダルを取っている「シドニー大会」の組み合わせに期待が膨らむ。
合同練習する日本人選手たち
<合同練習する日本人選手たち>


 ライバルチームは、10月後半からシドニー入りし、テオ・ボス、テアン・ムルダーを筆頭に完全にベストメンバーで調整しているオランダ、3人のみの参加だが、ロス・エドガー、クレイグ・マクリーン、クリス・ホイを揃えたイギリス、同じくイギリスのトレードチームでジェイソン・クアリー、ジェイミー・スタッフ、マット・クランプトンを擁するSIS、 トレードチームをあわせると実に男子だけで17人の選手を投入した地元オーストラリアなど。
 
 
 今シーズンもまたニュースターが誕生するのか、はたまた老獪なベテラン組が荒削りな若さをはねのけるのか。何が起こるかわからないシーズンが明日、幕を開ける。


 
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