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ワールドカップ第1戦シドニー大会レポート
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配信日:11月20日 |
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11月18日(2日目) 天候 快晴 気温24℃ 観客3000人
ようやく初夏らしい気温が戻ってきたシドニー。雲ひとつない土曜日、ワールドカップ第1戦は2日目を迎えた。
今日は、スプリントの予選からスタート。
参加選手の多さを反映してスプリントの予選は41名がエントリー。
このなかから上位16名が次のラウンドに進める。
バンクの特性からか各選手それほどタイムがのびないなか日本からは金子貴志26番目、渡邉一成が32番目の発走となった。
タイムはそれぞれ10″660と10″627。渡邉は15位で辛くも先に駒を進めたが、金子は17位で惜しくも予選敗退となってしまった。 |
<スプリント予選 金子>
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金子のコメント
「また同じになっちゃいましたよ。(金子は過去にボーダーラインギリギリで予選落ちしたことが何度かある)これってホンットくやしいっすね。地区プロ(全日本プロ選手権の予選)で10″4とか出ていたので、調子は悪くなかったんですけど、バイオリズムがあっていなかったんですかねぇ。マクリーンとやりたかったです。(1位上の16位で予選通過すれば、初戦でマクリーンとあたっていたはず)追い込みにまわってくれるんで、僕としては対戦することになればやりやすい相手です。次の国際大会はモスクワになりそうです。(「モスクワは得意バンクでは?」の問いに)そうですね。でも、その前に全日本(選抜競輪)があるので調整がうまくできるかどうか・・・
でも、がんばります」
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一方、上へ進んだ渡邉は予選の2番時計ロス・エドガーと対戦。渡邉が先行。第1周回はスローペース。車間をあけてエドガーが追う。後ろに神経を集中した渡邉は第2周回も少しずつペースを上げながら中バンクを走行。最終周回で意を決したように渡邉がスパート。それにあわせてエドガーがおそいかかる。渡邉は力を抜くことなく突っ張るが、4コーナーでついに横に並ばれてしまう。なんとか残ろうと、渾身の力をふりしぼる渡邉。しかし、そこはエドガーも必死。最後にごく僅かな差でかわされ、Bファイナル(9~16位を決定する対戦)に進むことになった。 |
<スプリント 渡邉VSロス・エドガー>
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Bクォーターファイナル(VSライアン・ベイリー)
渡邉は後ろからの攻め。第2周回から速いペースでまわっていく。最終周回ベイリーがかけるのにあわせて渡邉もスパート。しかし、ベイリーを捕らえるのにそれほど時間はかからない。最終バックでは横に並び、最後の直線でしっかりと押し切った。Bセミファイナルに進出決定。
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Bセミファイナル(VSマシュー・クランプトン)
渡邉は前まわり。2車身ほどあけてクランプトンが追う。最終周回になり、そのまま駆けてクランプトンを寄せ付けず、トントン拍子にBファイナル進出決定。 |
Bファイナル(VSアルノー・トゥルナン。これに勝てば9位。負ければ10位) |
渡邉が先行。スローペースで1周目。渡邉は後ろからけん制してくるトゥルナンの動きに注意深くあわせ、前に出させない。最終ラップ、鐘にはじかれたように渡邉がスパート。追いすがるトゥルナンに捕まるまいと全力で疾走するが、最後の最後で差され、10位。渡邉は4月の世界選手権でもトゥルナンとあたって、全く同じような惜しい展開で負けておりスプリント・ケイリンに転向した1kmTTの皇帝にあと一歩で刃の届かない悔しさを再び覚えることとなった。 |
<スプリント 渡邉VSアルノー・トゥルナン>
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渡邉のコメント
「あぁー、世界選の再現になっちゃいましたよ。エドガーの時は、引き付けが足りなかったので、あとの競走は早駆けせずに相手を引き付けることを考えていました。トゥルナンは僕を早く行かせたいから、後ろからすごいプレッシャーをかけて来てました。“それには乗らないぞ”と思ってかなりがまんしたんですけど・・・やられちゃいましたね。今はまだダッシュも外国人みたいに行ける自信がないし、今はこの作戦しかないと思うんですよね。(「王者相手にかなりいい勝負をしていると思うが?」の問いに)そうですかぁ?だったらいいんですけどねぇ」
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また、夕刻には日本が進むことのできなかったスプリントのファイナルが行われた。決勝はクレイグ・マクリーンと、このところ急速に強くなったロス・エドガーのイギリス対決。この開催で勢いに乗るエドガーが1本先取し、下克上の様相を呈していたが、スプリント世界2位のマクリーンが思うようにはさせず、その後2本連取で優勝を飾った。しかし、いずれの競走も僅差で、あわやと誰もが思ったに違いない。エドガーがメキメキと力をつけてきていることを意識せざるを得ない。このエドガーとギリギリの勝負が出来たことは渡邉にとっても好材料といえそうだ。
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昨日、個人追い抜きに出場した内田慶は、ポイントレースに出場。距離15kmの予選、内田は積極的に前に出て第2スプリントと最終スプリントでポイントをゲットし、6位で予選を通過した。夕刻には距離30kmの決勝に出場。第1スプリントから4位通過で早くも1ポイント獲得。第3スプリントで集団が2つに分かれる。内田は後方の集団へ。前の集団と後ろの集団の距離は半周ほどになり、かなり長い間同じような間隔で競走が続く。第6スプリントになりやっと後ろの集団に前に追いつこうとする動きが見られ、集団は再びひとつに。追うことによりスピードがかなりあがった後方集団のなかにいる内田の苦しそうな表情が見える。第7スプリント、内田が1人遅れ始める。離されまいと内田も踏んでいるが、勢いのついた集団との差はあっという間に開き、数周回の後、内田は大集団にラップされてしまう。ラップされたことで、内田の気持ちも切れ、無念のリタイア。 |
<ポイントレース 内田> |
さて、レースははじめからほとんどのポイント周回にからんでいるロシアのミハエル・イグナショフが最終スプリントの前から、2位を16ポイントもリードし、最終スプリントに加わることなく、優勝を手にした。 |
内田は、くやしそうに戻ってきたが、中距離が得意な選手であるとはいえ、競輪選手であるからにはスプリンターである。他の選手は、ロード練習を中心にしている選手ばかり。長距離種目用の練習に特化できない環境の中で、ポイントレースに出場が決まったのは、傍目から見ると少し酷だったといわざるを得ない。ただし、結果は別として、よい経験になったことは間違いない。
これを是非今後に活かして欲しい。
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