ワールドカップ第3戦ロサンゼルス大会レポート
 
配信日:1月23日
 
 
■1月21日(最終日) 天候 快晴 気温22℃ 観客3000人


最終日の今日、日本のエントリーはチームスプリントのみ。
中長距離チームの西谷、盛は中長距離のチーム種目、マディソンに出場したい気持ちが強かったようだが、マニエ監督より、「もう少し練習を積んでから」とストップがかかり、今回は不出場となった。
マディソンは卓越した技術が必要な競技だ。
「昨年のロードレースのワールドチャンピオン、パオロ・ベッティーニがフランス・グルノーブルの6日間レースに出場したが、マディソン競技でそのスピードと展開の速さに、自分のパートナーのマルコ・ヴィラを集団の中でなかなか見つけることが出来ず、いつまでもタッチできずにヴィラが1人で走っていた」という話を聞いた。
世界チャンピオンさえ、こうなってしまうのだから、西谷・盛が日本ロード界を引っ張っていく優秀なロード選手であったとしても、ハードルは高いことは言うまでもない。
マディソンは大集団のなかで、交代のためのタッチを繰り返すこともあり、事故も多いため、常にケガのリスクも付きまとう。こうしたことを考えるとマニエ監督の言うこともよくわかる。
一方で「試合に出なければ、いつまで経っても経験が積めない。日本でいくら練習しても、世界のレベルやスピードで練習できなければ意味がない」という、二人の言い分も一理あり、なかなか難しいところだ。しかし、日本人選手がマディソンを走るのを見たいと思うのは、私だけではないはずだ。マニエ監督も、もちろんそう思っているに違いない。


さて、チームスプリント。
今回は第1走に成田和也、2走に新田祐大、3走に及川裕奨で挑んだ。
基本的に出走順は過去の実績をもとに決められ、強いチームが後ろの方に走るように出来ている。
日本は10組中、8組目。これぐらいのところを走るのだから、日本もチームスプリントの強い国として認められているということである。
日本の対戦相手は中国。
ホームからスタートした日本。きれいなスタートに見えた。新田は成田にスムースにつけ、及川も離れていない。
コンビネーションは悪くないように見えたが、結果46″205で7位。イギリス、フランスなどは別として、
ベストメンバーにはほど遠いオーストラリアやダミアン・ゼリンスキーが体調不良をおして出場したポーランドなどには勝ちたかったというのが正直なところ。しかし、結果は結果として受け止めざるを得ない。
一人一人のパフォーマンスを少しずつ上げて行かなくてはならないということなのだろう。


成田のコメント
  「絶好調ではないですが、それなりに休養して少し戻ったと思います。LAのバンクは重いので、18″093という今日のタイムは、こんなもんかなという感じです。今回、スプリントは残念でしたけど、3日間走れてよかったです。勉強になりました。日本の競輪も過密スケジュールですが、うまくリフレッシュしてまた頑張ります」

新田のコメント
 「今回はアジア大会よりは、緊張しなかったです。チームスプリントは2走なら13″4ぐらいでは走りたいです。今回はチーム種目のために来た感じでしたが今度は個人種目で出たいですね。頑張りたいと思うので、よろしくお願いします」

及川のコメント

  「チームスプリントは、疲れはありましたが、自分なりにはよかったと思います。車間も意識的につめるように出来ましたし。若干腰が痛いというのはありましたが、基本的には問題ありませんでした。初日にメダルが獲れたので、気分的にはよかったと思います。1kmに関しては課題はわかっているので、世界選までに修正していけたらと思っています」
チームスプリントの出走を待つ日本ピット
<チームスプリントの出走を待つ日本ピット>

出走直前
<出走直前>

コンビネーションは悪くなかった
<コンビネーションは悪くなかった>


今回チームスプリントで優勝したのは、第1走ジェイミー・スタッフ、第2走クリス・ホイ、第3走マシュー・クランプトンのイギリス。
今回、通常第3走で使っているホイを2走に起用した。それでも、文句なしの1位。
多少、順番をシャッフルしたりしても、タイムは落ちない。イギリスにとっては、もはやワールドカップは実験の場なのかも知れない。
チームスプリントの表彰台3人×3チーム、9人のうち3位になったSISチームを入れると実に6人がイギリス人。
ますます恐ろしい国に成長したものだ。
優勝のイギリスチームの走り
<優勝のイギリスチームの走り>

チームスプリント表彰台。イギリスの層の厚さは、現在世界一と言って過言ではない
<チームスプリント表彰台。イギリスの層の
厚さは、現在世界一と言って過言ではない>


 さて、これでワールドカップは残すところあと一つ。
世界選のためにも、その先につなげるためにもさらによい成績を目指したいものだ。
次のマンチェスターは、ヨーロッパ開催、賞金の高いインターナショナルケイリンイベントが同時開催されることなどまた、強いスプリンターが集まる条件が揃っている。スプリント系種目、エンデュランス系種目ともに気合を入れて望みたい。
少しずつ、それぞれの選手の特徴を把握しているマニエ監督の采配にも注目だ。





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