ワールドカップ第2戦メルボルン大会レポート
配信日:11月26日
■11月19日 開催前日 くもり 気温19℃
08-09シーズン。11月にもかかわらず、ワールドカップシリーズは早くも第2戦を迎える。オリンピック明けのこのシーズン、ワールドカップは全5戦のシリーズとなったため、1ヶ月前倒しとなった形だ。そして、ヨーロッパ偏重の自転車競技を世界中に普及させるべく、大会開催の大陸バランスを考慮しているUCIの政策でもあるのだろう、これまでもオセアニアでの大会ははずすことがなかったように、今シーズンもしっかりとオーストラリアでの大会が開催される。これまでと違うのは、開催都市がおなじみのシドニーから、メルボルンへ移ったこと。
大会の会場となるハイセンスアリーナ
メルボルンでの国際大会の開催は2004年の世界選手権以来、実に4年半ぶり。前回は、ボーダフォンアリーナという名前だったこの会場も命名権の関係でハイセンスアリーナと名前を変えている。周長はもちろん250m。最大カントは42°で、可動式の観覧席を持つ。自転車競技を開催するときのレイアウトでは4500席が確保できるとのこと。
ハイセンスアリーナの内観。
大きな競技場だ
日本チームは今回、成田和也、渡邉一成、新田祐大という前回のマンチェスター大会にも参加した3人に、中長距離の盛一大が加わり4人の編成。
久しぶりに参加した盛は「また僕のトラックがはじまりました」とうれしそう。ただ、先シーズン頑張ってきたマディソンはパートナーがいないため今回の出場はなし。早くパートナーが見つかり、盛が元気にタッチを繰り返す姿がみたいものだ。
国際大会を多くこなしてきた渡邉にとってもメルボルンは初めてのバンク。練習で走った印象を聞くと、とりたてて特徴を感じてはいないようだ。ただ、搬入用の開口部がセンター部にあり、バンク表面に段差が生まれているようで、「あそこがガタンガタンいうのがちょっと気になります」と言っていた。その条件は他のライダーにとっても一緒だが、段差を気にすることによって競走が変わらないことを願いたい。
一方、新田は「マンチェスターよりこっちのほうが、カントが立っていない気がします」データ上は、ハイセンスアリーナのほうが1度だけきついはずなのだが、その感覚は慣れからくるものか、それとも曲線部のレイアウトか。いずれにしても、よりラクに走れるように感じるならそれに越したことはない。
練習する日本スプリントチーム
今回の参加は41チーム、171人。第1戦のマンチェスターに比べると参加が減った印象は避けられない。フライト時間、時差などを考えるとヨーロッパのチームが参加人数をしぼるのも仕方のないことかもしれない。
参加メンバーを見ると、各国チームとも新顔が多く、次の4年に向けて新しいジェネレーションを試そうとしている雰囲気が見て取れる。また生年月日に1990年と書いてある選手がちらほら見られるようになった。このことからも新しいジェネレーションが出てきたことが実感できる。ついにエリートでも90年代生まれの選手が活躍する時代になった。
ホームのオーストラリアはナショナルチーム、トレードチーム男女合わせて26人、お隣のニュージーランドは15の選手を投入。また今回の特徴としてはアジアの国の中に多くの選手を派遣している国があるのが目に付く。タイなど、アジアの枠のなかで戦い、世界レベルの大会にあまり姿を見せなかった国々の参加。韓国は特に今回13人の選手をエントリーした。前の4年間における中国がそうであったようにこれまであまり気にしていなかった国の台頭に気をつけなくてはならないだろう。日本チームにはこれらのチームに「やはり日本はアジアの中で別格」であることを見せ付けて欲しいものだ。
町を歩いていたらドイツチームの
ロード練習に出くわした
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