ワールドカップ第4戦 北京大会レポート
 
配信日:1月20日
 
 
■1月18日(最終日) 天候 快晴 気温2℃ 観客1100人            
   
 最終日の今日、例によって朝から、スプリントの200mTT予選が行われている。
 日本からは渡邉一成、成田和也がエントリー。
 10″7、10″8というタイムが続出し、予選通過ラインはいつもより低く見積もって10″6台かのように思われた。
 しかし後半に入って10″1台も出はじめる。終わってみれば、16位は10″589。
 渡邉は10″445で39人中11位で予選通過。今回調子の振るわない成田は10″950。35位で予選通過はならなかった。
 一番時計は中国のジャン・レイが10″179。これには驚いた。
 やはりホームの利なのか。しかし、いくらホームとはいえ、力がなければ10″1は出ない。やはり、中国の選手の力が ますます伸びてきていることを確信せざるを得ないだろう。
 今開催、自分自身でも納得いかない様子の成田は「いやー、参りました。やっぱり、調子悪いのかなー。何をやってもダメですもんね。
 来る前に体調を少し崩していたのは確かなんですけど。うーん」と言葉が少ない。
調子を落としてなかなかタイムのでなかった成田。気持ちを切り替えて早くもとの調子になって欲しい調子を落としてなかなかタイムのでなかった成田。気持ちを切り替えて早くもとの調子になって欲しい
   
   
 1/8決勝、渡邉は、ドイツのマキシミリアン・レビーと対戦。インスタートから先行するが、2周回バックでレビーを先に行かせ、車間を少しとって追走。最終バックから追い上げを開始するが、4コーナーでレビーが車体を横に振り、それは、うまくよけるも、戻した拍子に前輪がレビーの後輪と接触。落車して、第2関門突破はならなかった。

渡邉「外に振られて、戻るときにもっと前に出ている気持ちでした。“早く戻んなきゃ、戻って肩があたるぐらいなら差せるかな”なんて一瞬思ったんですが、思ったより車が前にでてなくて・・・でも、身体はなんとか大丈夫です」
渡邉VSレビー。落車は残念に尽きる
渡邉VSレビー。落車は残念に尽きる
   

 さて、その後進んだ1/4決勝B。組み合わせ上の対戦相手はスペインのホセ・アントニオ・エスクレドだが、エスクレドは予選が終わった時点で急な腹痛により棄権しており、渡邉の不戦勝。
 続く1/2決勝Bはマレーシアのジョサイア・ヌグ戦。
 インスタートから先行する渡邉。徐々にスピードを上げ、ヌグに前に出るタイミングを与えないまま逃げ切りを狙うが、 最終コーナーから、計算したかのように差されて黒星。落車の影響かいまひとつ渡邉に元気がない。
 その後の11・12位決定戦は、今度は渡邉が棄権。ウクライナのアンドレイ・ビノクロフに不戦勝を与えることになり、最終順位は12位で終了。

渡邉「痛みはがまん出来たんですが、落車で背中を打ったせいで呼吸がうまく出来なくて。さっきの競走(ヌグ戦)で走っているときも、空気がうまく入ってこなくて酸素不足になっちゃったんで、これでは、ムリだと思いやめることにしました。また次頑張ります」

痛みと悔しさで、表情も苦々しくなる
痛みと悔しさで、表情も苦々しくなる
   
   

 日本チームの北京大会はここで終了。
 スプリントの決勝は200mTT一番時計から破竹の勢いで勝ちあがってきた地元、中国のジャン・レイと久しぶりに出てきた
 フランスのグレゴリー・ボジェの対決。仕上がりは抜群だったジャンだったが、実績と経験では1枚上を行くボジェが2本連取でジャンを下し、ホームでの大金星を阻止、豪脚健在をアピールした。

スプリント決勝。中国選手がここまで上がってくることを正直、考えたこともなかった
スプリント決勝。中国選手がここまで上がってくることを正直、考えたこともなかった
スプリント表彰台。優勝は逃したもののやはり金星には違いない。うれしそうなジャン
スプリント表彰台。優勝は逃したもののやはり金星には違いない。うれしそうなジャン
   
   

 時差やフライトのことを考えると、アジアのチームには北京大会は有利のように思えるが、なかなかうまくいかないのがスポーツの世界。
 そんななか、佐藤友和が世界大会初参加にして慣れないながらも世界のケイリンに早くも順応し、見せ場をつくる競走を繰り広げたことは、大きな収穫であり、この先の希望につながるのではないかと思う。
 マニエ監督も佐藤の今回の競走を高く評価していた。佐藤の世界デビューは、今後の監督の采配にさらなる幅を与えるものと確信する。

   
   
             
>>back
 
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved.