09-10ワールド・カップ第3戦 カリ大会
 
配信日:12月15日
 
 
■12月9日(水)開催前日 天候:晴れのち曇り 気温30度 

 早くも今年のトラック・シーズンもワールド・カップ3戦目。ワールド・カップとしてはこの第3戦が既に半分を折り返した後半戦。トラック・シーズン全体を見ても、これが終われば早くも終盤を迎えることとなる。今回の第3戦は南米に舞台を移してのコロンビアはカリ。コロンビアの中では第2に近い第3の都市で人口は200万人を超える大きな都市で世界選手権、ワールド・カップの開催歴は豊富。久々のワールド・カップとなった昨年に続き2年連続の開催となる。
 ここカリの競技場は今までのインドアの競技場とは違い、屋根がかかっているものの壁がなく、風が通り抜ける珍しい半屋内競技場。開催前日の今日、日本チームの練習時間は朝一番で8時の開始。やや湿気があるものの、時折吹く風は、湿った感じとともに若干感じる蒸し暑さに心地がよい。そんな半屋内であることもあってか、トラックには今までの室内競技場と比べ、やや堅さがあり、耐久性に優れていそうな、アバルコという木材を使用。直線が長く、カントも他の競技場に比べやや立っている印象を与える。
 今回の参加数はナショナル・チーム35、トラック・チーム8で参加チームが43、男子138名、女子66名で参加者数が204名。今までの2開催と比べるとビッグ・ネームが少なく感じてしまうのはいささか仕方のないところであろうか。しかしながら、地元コロンビアを含め、中南米の国々に多くの参加が見られ、またこんな時にはしっかりと上位に食い込んでいく、といった面にもぜひ期待したいものだ。
   
コロンビア・カリの街中
コロンビア・カリの街中
カリの競技場の外観
カリの競技場の外観
   
   
 さて今回の日本チームだが、前回に引き続き、こちらもフレッシュなメンバーでの構成。前回メルボルンは競輪祭もあり参加は見送ったものの、昨年からコンスタントに国際競技大会に参戦しており、今回のリーダーといえる新田祐大、前回メルボルンに引き続いて2回目の参戦となる脇本雄太、そして大学生で今回が初のワールド・カップ参戦となる早稲田大学の佐々木龍の3名。東アジア大会参加の関係で、お馴染みであった中長距離陣の顔は見られないが、新しい顔ぶれも含め、若さあふれるチャレンジに期待したいところだ。日本のエントリーはスプリント、チーム・スプリント、ケイリン、1kmタイム・トライアル、そして個人追い抜き。チーム・スプリントは従来第3走者としてその走りを見せてきた新田を第1走に据えて、第2走脇本、第3走に佐々木の布陣。新田はこれに加えて1kmタイム・トライアル、スプリント、脇本はスプリント、ケイリン、そして佐々木は個人追い抜きへのエントリー。今までとは違った編成でのパフォーマンスがどのようなものとなるのか興味深いところだ。
いつもより黒ずんだ色のトラック。若干滑りやすいか・・・
いつもより黒ずんだ色のトラック。
若干滑りやすいか・・・

他チームの後ろにつけ周回練習する脇本と佐々木
他チームの後ろにつけ周回練習する
脇本と佐々木
     
   
 
 リーダー格の新田、「半日くらいの時差がありボーッとしてしまったが、もう大丈夫です。ここのトラックはいつもと違って直線が長いんで、コーナーの入り口がきついですね。ちょっと違和感がありましたが慣れてはきました。完全にドームではなくてちょっと想定とは違った部分がありますが、若干風を感じるものの、そんなに悪くはありません。今回の1kmでは今まで試していないことをやろうと思っていて、トラックが予想とは違ったのもあるんですが、1分2秒台、表彰台を目標にしています。スプリントもジュニアの世界選手権以来だと思うんで、久しぶりなんでまずは予選通過が目標です。何しろジュニアのときなので確かハロン(予選の200m)は10秒6台位だったと思うんですが、練習でストップ・ウオッチですが10秒2,3は出たことがあるので10秒3,4を目指したいと思います。チーム・スプリントも初のメンバーですが、1走をやらせてもらえるので自己ベスト(公式では18秒1)を目指して頑張りたいと思います。」という意気込み。
   
感触を確かめる新田
感触を確かめる新田
入念にセッティングの確認をする新田
入念にセッティングの確認をする新田
      
   
   
 前回に引き続き2回目となる脇本は「前回初めてのワールド・カップに出させていただきましたが、スプリント、ケイリンは何しろ今回初めてなので今回も正直“挑戦”ということで色々なことを恐れずに向かっていければと思っています。ここカリのトラックは前回メルボルンと違ってコーナーがきつくてコーナーリングが難しくて、まだ正直綺麗に回れていないというのが実情です。湿気も多くて実際さっき、つるっと滑ったりしてちょっと不安もありますが、まあその辺りはスピードが出ていれば問題ないです。チーム・スプリントは前回の3走から2走ですが取組みとしてはそんなに大きな違いはないと思うのですが、他の種目も含め先ほど同様、挑戦ということで、これによって更に経験値を高めて今後により一層つなげていきたいと思います。」という抱負。
ハロンの練習をする脇本
ハロンの練習をする脇本
     
   
   

 大学生佐々木は「海外遠征は高校時代のジュニアの世界選、8月のアジア選手権、10月のアジア・カップと多少の経験は積んでいますが、木製のトラックは今回が初めてです。練習では思ったより違和感なく走れたので木製に対してそんなに大きな不安はなくなりました。正直自分は中長距離系だと思っているので、大学でも3走としてチーム・スプリントはやっていますが、チーム・スプリントは不安が残ります。練習でもちょっとうまくいかないところもあったので・・・ついていくのに精いっぱいになってしまうかもしれませんが迷惑を掛けないよう頑張りたいと思います。個人追抜きはまずは自己ベストが4分46秒台なので、これの更新をして30秒台で走ることが目標です。こんなに大きな大会で走るのは初めてなので良い経験を積んで、今後に生かしていきたいという思いです。」と語ってくれた。

  3人だけと少しさびしい日本勢の参加ではあるが、希望を胸に新たな展開に向けて頑張ってもらいたい。
スタート練習をする佐々木
スタート練習をする佐々木
             
   
   


 
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved.