10-11ワールド・カップ第2戦 カリ大会
 
配信日:12月28日
 
 
■12月15日(水)開催前日 天候:雨時々曇り 気温23度

   
 前回メルボルン大会から間もなく、今年のワールド・カップ第2戦目を迎えることとなる。今回の第3戦は南米に舞台を移し、コロンビア・カリでの開催。このカリも昨年、一昨年に引き続いて3年連続の開催。あいにくコロンビア全体が雨続きで首都ボゴタが最近大きな被害を受けたとのこと。今日も朝からの雨が昼前には上がったものの、その後また雨と天気のほうは冴えない感じ。カリの競技場はインドアの競技場とは違い、屋外トラックに屋根がかかっている半屋内競技場のため、風が吹くと雨が吹き込んでしまいコンディションが悪くなってしまうことから少し心配である。
カリ市内の風景 1
カリ市内の風景 1
カリ市内の風景 2
カリ市内の風景 2
カリ市内の風景 3
カリ市内の風景 3
   
   
 今回の参加数はナショナル・チーム38、トラック・チーム11で参加チームが49、男子176名、女子113名で参加者数が289名。特に女子が昨年の66名に比すると格段に参加者が増えている。男女合計で参加者数は40%増といったところか。従来のカリでの開催ではやはり北・中・南アメリカの普段は見ることの少ないチームが参加し、ヨーロッパのチームは参加しない、あるいはメンバーを落としての参戦が多いが、今年はイギリス・チームがホイ、クランプトン、ケニー、ペンドルトン、ヴァーニッシュと第1戦と同様のスプリント勢、そしてフランスはボジェ、ペルヴィス、ダルメイダを加え、前回より戦力を加えての参戦。やはりオリンピック出場枠争いに突入していることを実感させられる、いつもと少し違ったカリ開催となりそうだ。
競技場内部
競技場内部

屋根のかかった競技場
屋根のかかった競技場
   
   
 さて今回の日本チーム、今回はナショナル・チームに加え、なんと、ついにトラック・チームが参戦。シクロ・チャンネル・トーキョー(CCT)チームが待望の、日本初のトラック・チームとして参加することになった。ポイント獲得のチャンスが増えるのと同時に世界の場でライダーたちが経験を積む、強化をしていくという意味でも大きいトラック・チームの参戦はずっと待たれていたこと、実現したのは非常に嬉しいことだ。
シクロ・チャンネル・トーキョー・チーム登場
シクロ・チャンネル・トーキョー・チーム登場
   
   

 そのトラック・チーム、CCTで今回参加するのがメルボルンでケイリンの決勝に進んで今回も好成績を残して欲しいお馴染み渡邉一成、メルボルンは競輪祭に参加で出場しなかったもののその競輪祭で惜しくも2着も気を吐いた新田祐大、昨シーズンの北京で初のワールド・カップ出場、今回が2回目となる柴崎淳の3人。ナショナル・チームでの出場はメルボルンでメダルには届かなかったが、なんとシローをスプリントで破った北津留翼、同じくメルボルンでチーム・スプリントの第1走者として17秒台を出し、今後の飛躍も期待される雨谷一樹、そして昨年のここカリでケイリンの決勝に進出という結果を残し、その後競輪でも大きな活躍を残している脇本雄太、初めての世界での戦いを経験し2回目のここでどのような走りが見られるのか田畑真紀、田畑同様メルボルンからの連戦となり、少しでも成績を上げたい前田佳代乃の5人。出場が予定されていた浅井康太は残念ながら手を負傷しこちらに来ることなく欠場となってしまった。肝心の荷物が自転車を含め全てバゲージ・ロストという災難にあい、自転車はなんとか昨日届き、練習には間に合ったという日本チームの戦い、今回はどうなるのか。

   
   
 エントリー、CCTはチーム・スプリントを第1走者に柴崎、第2走者渡邉、第3走者新田という布陣で戦うことに。第1走者を務めることとなった柴崎、17秒台を出すと公言したという話を聞き尋ねると「えーっ!誰が言ったんですか、そんなこと!いや出したいと思います、っていうか、あいつ(雨谷)に負けたくないです!第1走の条件としてはやっぱり17秒台みたいなんで。今回はスプリントも出ちゃいます。フライングとかは練習でもやってるんですけど、このバンクに慣れてないですからね。入り方とか、コーナーでもずりっと行きそうな感じもあるし・・・まあ今後につなげていきたいと思います。」第2走者とケイリンに出場の渡邉、「来るまでは前回メルボルンよりいいかな?って感じだったんですけど、メルボルンとの間が短くて追い込んだり出来なかったのもありますけど、自転車も届かないで、ちょっと調整に失敗したかな?感はありますね。チーム・スプリント、あっくん(柴崎)はやる気がなさそうで結構燃えてるので、ちょっと僕自身が足引っ張んないか心配です。イギリス、フランスは仕方ないにしても、ニュージーも揃ってますしね・・・3位争い出来るように頑張ります。今回はスプリントはなしで、後はケイリンに専念です。調子はともかく、メルボルンの成績は意識して走りたいですね。」第3走者でスプリントにもエントリーの新田はいつもどおり、前日の今日は会場に姿を見せず休息となった。
             
   
   
 一方のナショナル・チーム、第1走者として前回自己ベストを出した雨谷今回はケイリンにも挑戦となる。「前回メルボルンから間がないんですが、緊張しているとかそういった部分はないので、そういう意味では前回よりいいと思います。見てのとおりのトラックで直線が長くてコーナーがきつい感じですが、この前の自己ベストの流れを生かしてチーム・スプリント、頑張りたいと思います。それよりケイリンですね。ジュニアで出たりしましたけど、間も空いているし、全然違うでしょうし・・・経験を積むためにも頑張ります。」第2走者は前回に引き続きスプリントにも出場する北津留、チーム・スプリントに不安感を隠せない。
ピット内
ピット内
「チーム・スプリント、昨日合わせたんですけど・・・千切れました・・・不安というか、ちょっと絶望感で・・・まだ前回のメルボルンの3走のほうが少し間があるので付いていけましたけど、2走は不安ですね・・・(雨谷)いきなり速くはないんですけど、その後3歩目からが速いんですよ・・・素質があるってうらやましいですね・・・まあ、とりあえず明日、チーム・スプリント終えて、スプリント、頑張りたいと思います。」第3走者は脇本、オムニアムに挑戦ということで初日初っ端のスタートとなる。「最近もそうですし、去年のカリも結局スプリント種目でしたしね・・・オムニアムという種目には不安感、やっぱりありますよ。昨年の成績をみて、相性の良いトラックというか、去年に関してはその前のメルボルンで世界を経験出来たというのがすごく大きかったですよね。とりあえず、力を温存しても仕方ないので、オムニアム予選に全部注ぎ込みます。パワー残しても仕方ないので・・・もう初めから先のことを考えないで、どんどん行きますよ。」こちらは女子のオムニアムに出場の田畑、「自転車が到着する前も、ホテルにジムがあってそこで自転車は乗れたんで大丈夫です。2回目のここで試したい、というかそういうことが一杯ありすぎて何をしてみたい、というのは簡単に言えないんですけれど・・・結構遠いここでも選手たち集まるんですね。初めてではないのでステップ・アップするために頑張ります。」そして女子のスプリント種目、ケイリン、スプリントは前田、「ここは木製とは言ってもトラックが硬くて、なんだか日本で走っているような感じですね。メルボルンはちょっと(荷物搬出用の)開閉部分の段差が気になったりしてちょっと怖かったんですけど・・・でもまだまだコース取りとか入り方とかちょっと不安な部分はありますね。でもタイムを縮められるように少しでも頑張りたいと思います。ケイリンも前回よりは積極的に、何か出来ればいいなあとは思ってますし、やらないといけないですよね。」
   
   
   
 初のトラック・チーム出場で是非、好成績を残しオリンピックへ向けてポイントを着実に稼いで欲しいところ、結果を期待したいところだ。
   
   


 
 
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