11-12 UCIトラック競技ワールド・カップ 第3戦北京大会
配信日:1月18日
■1月12日(木)開催前日 天候:晴れ 気温3度
ついに年が明け、オリンピック・イヤー突入となって迎えた2012年、来るべきロンドンでの決戦に、そしてその行方にと気分が盛り上がる。そのオリンピック直前、大事な2011-12シーズンのワールド・カップも、カザフスタン・アスタナ、コロンビア・カリの2戦を終えていよいよ後半戦へ。第3戦は前回オリンピックのプレ大会として開催されてから、ついに5年連続での開催となる北京での大会。この後には、そのプレ・オリンピックとしての開催となる第4戦ロンドン大会となり、これで今シーズンのワールド・カップの日程を終えることとなり、オリンピック前の最後の大舞台、今シーズンを総括するオーストラリア・メルボルンでの世界選手権大会へと繋がっていくこととなる。
旧正月が近い北京市内
北京オリンピック会場のラオシャン・ヴェロドローム内部
その年明け初戦となる北京大会だが、前回カリでの第2戦もややそのような傾向があったが、ある程度、ロンドン・オリンピックの出場権をかけての争いに目途が立ちつつあることから、多くのチームが主戦級を最終戦のロンドンでのプレ・オリンピックにそれこそ本番への重要な調整として送り込むことが想定されることから、各国が有力選手を出場させない、つまりはちょっと淋しいメンバーになることが想像に難くなかったのだが、出場したのはナショナル・チームが45チームと昨年の42を上回り、トラック・チームの14チームと併せて参加チームは59、エントリー選手は男子190、女子109の合計299名とほぼ昨年と同様の参加者数。強豪国の有力選手は少ないものの、 出場権当落線上のチームは少しでもオリンピック・ポイントを獲得すべく選手を送り込み、またそうでない国も若手や普段出場が出来ないライダーたちに国際大会での経験を積ませるためにと出場させ、結果参加者数的には大きな大会となった。
2階のコンコースがフェンシング場となり・・・
ついに駐車場は自動車の教習所となった。
今回の日本チームの出場選手、正直オリンピックはチーム・スプリントでの出場枠、即ちスプリント、ケイリンを含めたスプリント系3種目の出場枠をほぼ手中にしていると言っていい男子スプリント系は今シーズンフル出場の雨谷一樹、前回は競輪祭出走で出場のなかった新田祐大、中川誠一郎の3人に、トラック・チームのシクロ・チャンネル・トーキョー(CCT)のメンバーとして渡邉一成がこちらも第1戦のアスタナ以来の出場。これにエンドゥランス系で前回に引き続き西谷泰治が出場となり男子5名、女子は前回と同様のメンバーを配し、スプリント系に石井寛子と前田佳代乃、エンデュランスで田畑真紀、加瀬加奈子、上野みなみの5名、男女合計で10名での参加となった。
トラック内部真ん中でアップする上野
チーム・スプリントのスタート練習の男子スプリント陣
エントリー、初日のチーム・スプリントは不動の1走、雨谷に今回は第2走者に新田を起用、第3走者に中川の布陣。第2走者を務める新田は「ここのところ競輪の出場が続いたんですけれど、正直、暮れから原因が良く分からないんですけど急性の胃腸炎になっちゃって・・・まあ、最悪の状況は脱して回復してはいますけれど、まだきちんと戻ってはいないですね。なんかその間、力が入らなくて自転車に乗っていてもなんだかなあ・・・という感じで・・・とはいえオリンピック・イヤーに入って当然競技に力を入れていかなきゃいけないので調子にのっていきたいと思います。チーム・スプリントはいつもと違って第2走で、この状態とはいえ、結果を出せればと思います。」と話してくれた。
その新田は他に3日目のスプリントに中川とともに、中川は2日目のケイリンにもエントリーとなった。ただ一人、CCTでの出場となった渡邉はケイリン、スプリントにエントリー、「調子はなかなかですねー。今日は。このままレースの時までこの状態が続いてくれれば良いんですけどね。意識してやってきたことが今は実になっている時期なんで。スプリントとケイリンに出ることになると思いますが、スプリントはハロンのタイムはもちろん出したいというのはあるんですけど、やっぱりケイリンで結果を出したいですよね。メンバーが薄いここはチャンスだし、狙っていきますよ。ひとつ不安なのは今シーズンケイリンが初めてということですかね。ちょっと空いちゃったのは気になると言えば気になりますね。それでも今後に弾みをつけるためにも頑張ります。」との談話。エンデュランスの西谷は初日、2日目にかけてのオムニアムに出場することとなる。メンバーが正直怖くないこの北京、昨年の浅井康太のケイリンでの表彰台に引き続き、チーム・スプリント、ケイリンは特にメダル獲得までを期待したい。
一方の女子は初日のチーム・スプリント、2日目のスプリント、3日目のケイリンにそれぞれ石井、前田が出場、前田は更に初日の500mタイム・トライアルにも出場となる。エンデュランスは2,3日目のオムニアムに今回は加瀬が出場、加瀬は「今回は大丈夫です。骨折のあともバッチリです。大丈夫です。バッチリです。吉井コーチにも良くなってきているみたいじゃない、と言ってもらえましたし。今回はオムニアム、なんとかしたいですね。12位以内に入ってオリンピック・ポイントを増やしたいです。正直なところ、競輪学校の資格試験、とりわけ学科のほうが心配なんですけど・・・まあ、今はしっかり競技に専念して、そっちのほうは戻ってから鍛えてもらいます。アジア選手権も続きそうなので・・・うーん、やっぱり心配ですね。」と語ったが、第1戦アスタナで予選通過もその時の落車で結局本選には出場出来なかったあの時の悔しさをここでは晴らしたいところ。初日のポイント・レースには前回オムニアムの田畑が出場することとなる。
女子団体追抜予選のスタート
今シーズンは前日に団体追抜の予選と言うことで、早速女子の3人、田畑、加瀬、上野がこの種目に登場。日本は14組出場の中、3組目に出場。予選は全てホームスタートで各チーム1チームでのタイム計測となる。いつもと同様、トラック内側から加瀬、田畑、上野でのスタート、周回もこの並びで重ね、3分34秒704の第1戦アスタナでの日本記録に挑むこととなった。しかし、あまり良くはなかった序盤から、中盤へと移行するあたりでやや巻き返すものの、後半に入り上野がやや離れ気味に。アスタナでも一人千切れたものの日本記録更新となったので頑張りたいところだが、後は加瀬と田畑の2人で先頭交代をしながらゴールを目指す形。併せたおかげで一人大きく遅れてのゴールとはならなかったものの、タイムは3分37秒517。前に走ったチャイニーズ台北は上回ったものの、後のチームにはことごとく上回られ、結局14チーム中13位の結果となって前日のレースを終えた。
明日以降、このメンバーであれば特に男子スプリント陣、そしてオリンピック出場当落線上を行く種目では少しでも多くのオリンピック・ポイントの積み増しを期待したいところだ。
日本記録更新はならず・・・
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