■Pickup Rookie
久米 詩(静岡)15400
 デビュー場所の和歌山FIIでいきなり優勝を飾った吉岡詩織は、8月の川崎FIIでもV奪取し2度目の完全V。116期の出世頭だが、その吉岡に次いで久米詩(写真)が同期2人目となる優勝を10月大宮FIIで遂げた。前回の川崎FIIでは2日目の予選2で絶好のポジショニングから先まくりで長澤彩とのまくり合戦を制し、自信を深めて大宮を迎えた。
 「(長澤に勝ったのは)自分でもビックリです。でも、展開に助けられたところも大きかったと思う。今は自力にこだわっています。地脚なので本当は先行が得意なんですけど、なかなかレースになると難しい」
 その長澤には初日予選1で2車身ちぎられての2着。「メンバー的に逃げようって決めていました」の2日目は、前受けからそのまま先行策に出て2着に粘り込み、危なげなく決勝に進んだ。
 決勝は加藤恵のカマシに飛び付いて2番手を確保。冷静な立ち回りから直線勝負で後続の追撃を振り切った。先行も辞さない積極性と、展開に応じて柔軟に立ち回ることができる戦法の幅の広さが久米の大きな武器。次回、10月19日からの久留米FIでは、児玉碧衣、高木真備のスター選手たちとV争いを繰り広げよう。



小原 佑太(青森)15324
 オール連対でチャレンジを5場所で卒業。小原佑太(写真)は、3場所連続完全Vで特班した直後のA級1、2班戦の前橋FIIを114着。
 「前回(前橋)の決勝は迷いながら踏んでしまって、自分の力を出せなかった。もっと自信を持って仕掛ければ良かった」と、振り返ったように、踏み出しが中途半端だったのか、7番手からの反撃でスピードに乗るまでに時間を要した。眞杉匠に逃げ切りを許しての4着は到底、納得のいくものではなかっただろう。
 前橋に続く大宮FIIでは初日予選、準決を先行策で快勝。決勝は後方で飯田威文にからまれる不利もあったが、いざ踏み出すとスピードの違いで前団をのみ込みA級1、2班で初優勝を遂げた。
 「ナショナルチームのAの方々とも練習しています。とくに脇本(雄太)さんとはよく一緒に練習する機会がありますね。自分もケイリンとスプリントでワールドカップに出場することが決まったので、そこに向けてオフなしで練習しています」
 伊豆で脇本らとナショナルチームでハードなトレーニングに明け暮れる日々。競技との兼ね合いで出場機会が限られそうだが、小原の成長から目が離せない。


鈴木 薫(東京)15346
 7月の取手FIIでデビューを迎えた鈴木薫(写真)は、2戦目の準決で落車に見舞われた。その後はおよそ2カ月を棒に振って、8月末の平FIIで復帰。初勝利までに多少時間が掛かるかと思われたが、初日から連勝で怪我の影響を感じさせない走りを見せた。
 「デビュー場所でいきなり落車して、鎖骨を折ってしまった。ツイてないなって思ったけど、復帰してから初勝利を挙げられたし焦りとかはないですね。レースにも段々、慣れてきた感じがある」
 復帰後の3場所はすべて優出。直近の大宮FIIを126着。主導権を握った準決は、ラインの緒方剛とともに決勝に進んだ。
 「ペースで回せたし、後ろ(緒方)を引き込めたんでいいレースができたと思う。それでも2着なのは力不足ですね」
 トップスピード、ダッシュなどの課題もあるが、ようやく軌道に乗ってきた鈴木の次回は10月16日からの小倉FIIだ。


情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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