80期台にまた一人、ニューヒーローが誕生した。ふるさとダービー富山で、ビッグレース初優出にして初優勝をやってのけた平原康多だ。
平原はまだ記念優勝もない選手だが、初めてのビッグレースの決勝戦で、ともに絶好調だった武田豊樹と渡部哲男を相手に、2車の短いラインにもかわらず打鐘先行に出た勇気は賞賛ものである。もともと平原は若手の中でも積極性の高いほうだったが、GⅡ競輪を逃げ切り優勝できたことは大きな自信になったはず。今回も連日思い切りのいい仕掛けを見せてくれるだろう。
一方の武田は絶好の3番手に入りながら捲り不発の4着に終わったが、調子自体は良さそうだった。今年前半はケガの影響で低調だったが、もはや完全復活なったと見てよさそうだし、今度こその優勝が期待できそうだ。
山崎芳仁は相変わらずの絶好調を維持しており、ヤンググランプリ、東王座戦、高松宮記念杯と優勝街道を突っ走ってきた勢いは未だに衰える気配がいっこうにない。サマーナイトフェスティバルや次場所の福井記念で見せた走りは、とても若手とは思えないような堂々としたものだった。
サマーナイトフェスティバルの決勝戦は佐藤友和に前を任せ、佐藤は2着に食い込んだものの山崎は8着に敗れているが、福井記念の決勝戦は森田達也に前を任せ、バックから吉田敏洋と市田佳寿浩の捲りに合わせて番手捲りを打ち、有坂直樹の猛追を振り切って優勝している。
このように、近況は同地区の後輩の後ろを回るケースが少なくないが、もちろん自力脚は健在で、サマーナイトフェスティバルの予選や福井記念の準決勝は逃げ切っており、今回も優勝候補の一人に挙げられる。
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