東西王座戦
 
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東王座優勝者の横顔
西王座優勝者の横顔
 


54名の精鋭が東と西で覇を競う!
 東日本と西日本の精鋭が東西それぞれのチャンピオンを決める第7回東西王座戦(GII)が大分県の別府競輪場で開催される。昨年と同様に同一競輪場での同時開催で、勝ち上がりはオール予選のポイント制となっており、東西どちらも初日から激戦の連続となるだろう。


南関東にも一発のチャンスはある!
佐藤友和選手
佐藤友和(岩手・88期)
 東王座戦は北日本11名、関東10名、南関東6名による戦いだ。機動力の面でも北日本と関東の2大勢力が優位に立っており、2大勢力の力と力の激突が見どころになる。
 しかし、昨年の大会では予選で強力自力型が次々と脱落して、決勝戦は佐藤友和の先行一車の組み合わせとなった。結果は佐藤の逃げ切り優勝だったが、渡邉晴智が巧みな捌きで2着に食い込んでいる。
 
渡邉晴智選手
渡邉晴智(静岡・73期)
 今年も勝ち上がり戦では北日本と関東の叩き合いは避けられないので、南関東の選手にチャンスが巡ってくる可能性が十分に考えられる。
 南関東は自力型が新田康仁ひとりだが、全日本選抜競輪では落車後の欠場明けにも関わらず捲りで2勝と好調で、北日本と関東が叩き合って捲り頃の展開になれば、新田の優勝が狙えるし、同県の渡邉晴智と連係なら北日本と関東の両ラインを一気に叩いての主導権取りもありうる。
 となると渡邉にとっては願ってもないチャンス到来となるし、新田との連係がなくても、北日本と関東の叩き合いによる混戦を巧みに捌いて好位置を奪取してくるだろう。
 
神山雄一郎選手
神山雄一郎(栃木・61期)
 関東は平原康多や武田豊樹を目標にできる神山雄一郎が有利だ。近況の神山は平原との相性が抜群で、全日本選抜競輪では平原を目標に1年ぶりのGI優出を決めて決勝3着。次場所の広島記念では平原の先行を目標に通算93回目の記念優勝を達成している。
 もちろん、全日本選抜競輪で準優勝と大活躍した平原の押し切りも十分だし、武田豊樹の一発も侮れない。山崎芳仁や平原の急成長のおかげといったらおかしいかもしれないが、現在の武田はデビュー以来つきまとっていた過度の重圧から解放されて自然体の走りができるようになり、それが近況の積極的な仕掛けや好成績に繋がっている。
 
 とはいっても、優勝候補の筆頭はやはり山崎芳仁になるだろう。昨年の大会では2日目予選で平原との対決に敗れて優出はならなかったが、あれから1年、平原もパワーアップしているが、山崎はそれ以上にパワーアップしている。今年も勝ち上がり戦でも平原や武田との対決が避けられないとしても、王者の貫禄を見せつけてくるだろう。
 北日本のもう1人の看板・佐藤友和は昨年の大会でGII初優勝を飾り、その後は4開催連続でGI優出と好調の波に乗り、グランプリ初出場も決めた。出世街道の出発点となった東王座の連覇も大いに期待できるだろう。
 

小野俊之が地元の意地を見せる!
 
小嶋敬二選手
小嶋敬二(石川・74期)
 西王座戦は中部8人、近畿3人、中国4人、四国7人、九州5人の布陣。東王座戦と比べると自力型の層がやや薄い印象があり、やはり小嶋敬二を擁する中部が中心となりそうだ。
 昨年の大会では小嶋敬二が堂々の逃げ切りで1年7カ月ぶりのビッグレース優勝を達成。東王座戦を制した佐藤友和と同様に、西王座戦の優勝を出発点に昨年の快進撃が始まった。
 ご存知のように落車骨折による長期欠場から11月下旬に復帰、それから3カ月ほどなので今開催も万全の状態は期待できないかもしれないが、全日本選抜競輪でいきなりの優出を果たしたように、今開催でも潜在的なパワーの違いを見せつけてくれるだろう。
 
小野俊之選手
小野俊之(大分・77期)
 地元・九州は別府がホームの小野俊之の頑張りに期待がかかる。小野は近況はこれといった成績はないが、昨年は日本選手権競輪、西王座戦、サマーナイトフェスティバルで優出しており、直線での差し脚は健在だ。今開催ではビッグレースでも九州ワンツーをよく決めている北津留翼と井上昌己を目標にできるので、小野の地元優勝のチャンスは十分だ。
 昨年の西王座戦の決勝戦では小嶋の番手で濱口高彰に競り勝って2着に食い込んでおり、今年も最終日に目標のいない組み合わせとなったとしても、強気の攻めで地元のファンの期待にきっちり応えてくれるはずだ。
 
石丸寛之選手
石丸寛之(岡山・76期)
 石丸寛之の機動力が侮れない。石丸はビッグレースでの優出経験はないが、昨年のオールスターは予選を2連勝の勝ち上がり、ふるさとダービー松阪も予選はオール2着の勝ち上がりと、あと一歩のところまで近づいている。
 しかも石丸は捲り専門の印象が強いが、松阪の準決勝では平原康多を相手に主導権を取り切り、自身は4着に沈んだが、番手の西田雅志が1着で勝ち上がっている。今開催も石丸の積極的な仕掛けに乗って、中四国の選手が展開的に恵まれるシーンが必ずあるだろうし、もちろん石丸の優出も期待できる。
 
山内卓也選手
山内卓也(愛知・77期)
 実力伯仲の組み合わせで優勝の行方は混沌としているが、同期の松尾淳という好目標と連係できる山内卓也が優勝候補の一番手だろう。
 山内は一時期の低迷状態を脱して復調モードに入っており、奥の手の捲りもよく飛びだしている。12月の奈良FIでは捲りの3連発で完全優勝を飾っており、目標の松尾淳が不発の展開になっても自力発進に切り替えて優勝をさらっていくだろう。
 松尾淳は相変わらずの徹底先行で頑張っており、10月の広島FIで優勝、12月の大垣FIで準優勝と好調だ。仕掛けが早いながらも何度も踏み直しが利く強靭な脚力が魅力で、FI戦では番手の選手が付きバテするケースが珍しくない。松尾の逃げ切り優勝も十分にありうる。
 
 地元・九州は小川勇介が先導役を務める。10月の防府記念では準決勝Cを逃げ切って2度目の記念優出を達成。決勝では加倉正義の優勝に貢献している。11月の別府FIでは準決勝で逃げて3着に粘っており、今回も思い切りのいい仕掛けを見せるだろう。
 今回の出場選手の中で一番のバック回数を誇るのが藤田竜矢で、直近4カ月のバック回数が20回を越えている。FIの決勝戦では大きな着が目立っているが、藤田を目標にチャンスに恵まれた関東の選手は数多く、正月開催の岸和田FIでも小橋正義が藤田の先行に乗って優勝している。
 五十嵐力の先行も強力だ。11月の伊東温泉記念、1月の立川記念ではともに優出を逃しており近況はやや調子落ちの気配があるが、FI戦ならばやはり格上の存在だ。伊東温泉の二次予選は捲りの2着、立川の二次予選はきっちりと逃げ切っており、今回も豪快なパワー先行で押し切りを狙ってくる。


冬場はバック向かい風が強く、先行型は苦しい
 別府バンクで一番特徴的なものは別府湾から吹きつける風だ。バック側から百数十メートルのところに別府湾があるので、季節を問わずバック向かい風が吹いている。特に冬場は風の強い日が多くなるので、先行型は不利とされている。
冬場の開催の参考として、06年11月の記念開催の結果を見てみると、全44レースのうち1着の決まり手は逃げが3回、捲りが14回、差しが27回、2着は逃げが5回、捲りが9回、差しが11回、マークが19回となっている。
 ただ、全体的にはクセのない標準的なバンクなので、先手ラインの選手が1着になったレースも15回しかないが、準決勝では4個レースのうち3個レースで先手ラインの選手が1着になっており、力のある選手ならば先行でも十分に粘り込める。
 バック向かい風が強い日はインが重くなるので、イン競りは1コーナーまでに決着をつけておかないと、向かい風を受けて苦しくなる。逆に外競りは2コーナーまで我慢できれば、競り勝つケースが多くなる。

インが重いので、競りは2角を過ぎると外が有利
 周長は400m、最大カントは33度41分24秒、見なし直線距離は60.0m。06年11月に終了したバンク及びメインスタンドの改修工事で直線が若干短くなった。直線では3、4番手から中バンクを使って追い込むと良く伸びるので、必ずしも番手有利とは言えない。逆に4角で車をインに差すと、インに詰まって伸び切れない場合が多い。