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第2回サマーナイトフェスティバルが北海道の函館競輪場で開催される。1月から4月までのS級戦の優勝者が一堂に会して覇を競う文字どおりの頂上決戦だが、2日制のナイター開催である本大会の最大の特徴は初日がオール予選の9R制で勝ち上がりが1着権利と厳しいことで、今年も真夏の夜の祭典にふさわしい熱気と緊張感に溢れた戦いが繰り広げられるだろう。 |
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上半期のS級戦優勝者による真夏の夜の頂上決戦! |
1着権利の勝ち上がりでは先手ラインが断然有利 |
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昨年の第1回大会を振り返ってみると、やはり初日予選が1着選手だけという勝ち上がりが厳しいせいか、強引に仕掛けて叩き合ったり競り合ったりというレースはほとんどなく、一本棒の展開になるレースが多かった。
例えば初代チャンピオンに輝いた有坂直樹のレースを見てみると、予選2Rは先行した齋藤登志信の番手から有坂が楽々と抜け出して1着、2着は4番手から追い込んできた荒井崇博。決勝戦は山崎芳仁-岡部芳幸-有坂直樹の北日本ラインが主導権を握り、番手から早めに抜け出した岡部をゴール前で有坂が交わして優勝、2着も岡部で北日本ワンツーが決まっている。
この他にも、予選の3Rでは永井清史の先行から番手の山田裕仁が抜け出して1着、6Rでは渡部哲男の先行から番手の小川圭二が抜け出して1着、8Rでは小嶋敬二の先行から番手の山内卓也が抜け出して1着、2着もラインの中澤央治が流れ込んでいる。
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有坂直樹(秋田・64期) |
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最終ホームからほぼ一本棒の長い隊列になってしまうレースが多かったので捲りは決まりにくかった。予選9個レースのうち捲りの1着で勝ち上がったのは、1Rの6番手からの捲りを決めた山崎芳仁、5Rの3番手からの捲りを決めた吉岡稔真、7Rの8番手からの捲りを決めた金子貴志の3人だけだった。とにかく予選は先手ラインの選手が圧倒的に有利だったのである。
と考えると、今回も北日本の豊富な機動力を使える有坂直樹が有利で、連覇の可能性も高い。高松宮記念杯を制した山崎芳仁、伏見俊昭、成田和也などが揃っているのだから目標に困ることはない。
有坂は高松宮記念杯ではひと息ついた印象だったが、5月の宇都宮記念で今年5回目の優勝を飾っており調子はまったく問題ないと見ていい。宇都宮の決勝戦は佐々木則幸-三宅達也の中四国ラインの3番手だったが、佐々木の先行の番手から抜け出した三宅をゴール前で交わしており、今回も3番手回りの展開になったとしても有坂の鋭い差し脚は見逃せない。 |
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キラ星のように輝くスター選手たちが函館に集う |
先行意欲満々の浦山一栄が主導権を取り切る |
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昨年の例からいうと初日予選は徹底先行タイプのいるラインが有利となるが、徹底先行といえばまず浦山一栄の名前を挙げたい。浦山は直近10場所のホーム回数が21回、バック回数が16回で、上位相手のレースでは捲られたり叩き返されたりするケースも少なくないが、高松宮記念杯では一次予選で敗れたものの、当然のように4日間主導権を取り切り、3日目一般では横田努とワンツー決着。今回も初日予選で主導権取りは間違いなく、浦山と連係する関東勢の勝ち上がりが期待できる。
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浦山一栄(東京・72期) |
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南関東では栗田雅也の逃げっぷりに注目したい。栗田は長らく低迷していたが、3月の玉野FⅠで完全優勝を達成して調子を取り戻した。高松宮記念杯では二次予選で敗れたが、3日間主導権を取り切っている。初日予選は逃げ切りで佐々木龍也とワンツー、3日目選抜は佐々木が1着、栗田が2着になっており、今回も栗田と佐々木が連係があればワンツーが狙える。 |
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中部では昨年の予選で山田裕仁を引き出した永井清史が相変わらず積極的で、直近10場所のホーム回数が20回、バック回数が22回である。高松宮記念杯では一次予選で敗れているが、4月の富山FⅠでは逃げ切りの2連勝の勝ち上がりで決勝8着、5月の大垣記念の準決勝では武田豊樹の先行を捲って2着で加藤慎平とワンツーを決めており調子は悪くない。レースの組み立てが素直すぎて叩かれたり主導権争いになったりするともろい所があるが、展開がはまればラインの上位独占も十分だ。 |
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近畿は徹底先行タイプではないが、市田佳寿浩の自在戦に注目したい。高松宮記念杯は準決勝で敗れているが、白虎賞ではいったんは連結のはずれた澤田義和と勝負所で再びドッキングする変化自在の走りで1着、2着の澤田と近畿ワンツーを決めており、4日目特選では7番手からの追い込みで2着に突っ込んでいる。また、近況は戦法の幅を広げると同時にもがける距離を伸ばすために意図的に先行を多用しており、5月函館FⅠの準決勝は逃げ切っている。
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市田佳寿浩(福井・76期) |
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中国の石丸寛之の一発も侮れない。石丸は3月の地元・玉野記念で三宅達也の捲りを差して通算2度目の記念優勝を飾り、5月の大津びわこFⅠでは得意の捲りで優勝している。石丸は捲り屋のイメージが強く、ツボにはまった時はトップクラスをあっさりとねじ伏せてしまうスピードを持っているが、近況は市田と同様に先行策に出ることも多く、5月の広島FⅠでは初日特選は捲りだったが、準決勝と決勝は逃げ切りで完全優勝を達成している。
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石丸寛之(岡山・76期) |
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九州では5月の大垣記念を捲りで制した荒井崇博が好調だ。荒井はしばらく調子落ちになっていて、大垣は半年ぶりの記念での優出だったが、久しぶりのチャンスをきっちりとモノにできたことで、復活の手がかりを掴めたと見ていいだろう。大垣の次場所の松山FⅠでは決勝は先行して3着だったが、初日特選は逃げ切り、準決勝は捲りの2連勝で、高松宮記念杯でも2度連絡みを果たしている。
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荒井崇博(佐賀・82期) |
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