第58回日本選手権競輪 燦燦 松戸ダービー
2005/3/16~3/21
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松戸競輪場
レース展望 1 / 2
最近の競輪界はベテラン勢の活躍ばかりが目立ち、若手の伸び悩みも重なって、G1戦線はまさに群雄割拠の様相を呈している。だが今回は短走路の松戸バンクが舞台だけに、若手の大躍進やニュースターの誕生が大いに期待できる。
自力有利の短走路で武田豊樹が頂点を目指す

武田 豊樹 【茨城・88期】
 今開催の一番の注目選手はまちがいなく武田豊樹だ。東王座戦では初日特選と準決が逃げ切り、2日目ローズ賞は伏見俊昭の逃げを6番手からひと捲りと完璧な勝ち上がり、決勝は北日本勢の2段駆けに屈したが、S級昇進から1年がたちようやく競輪競走にも慣れてきたようで安定感もぐんと増してきた。昨年の寛仁親王牌でGI初出場で初優出の快挙を成し遂げたのは記憶に新しいが、今回も前橋と同様の短走路が舞台とくれば、堂々の先行逃げ切りでの初タイトルも期待できるだろう。

 武田の登場が起爆剤となって息を吹き返した関東勢は、神山雄一郎の復活優勝、後閑信一の初タイトルと完全に勢いを取りもどしたが、もちろん今回も武田を目標にタイトル奪取が狙える。

 神山は東王座戦では準決で敗れたが、二次予選は逃げ切りで関東ライン3人で上位独占と引き続き好調を維持しており、今回も勝ち上がり戦では思い切りのいい先行策がありそうだ。
 後閑信一は東王座戦では初日特選で無念の失格となったが、武田の先行をきっちり差し切っており、現在の調子と勢いがあればGI連覇も決して夢ではない。

高木 隆弘 【神奈川・64期】
 地元・南関勢は競輪祭では望月永悟がGI初優出を果たしたが、東王座戦では優出者なしと苦しい戦いが続いている。それでも、海老根恵太、水書義弘、石毛克幸らが地の利を生かして奮起してくれれば、南関勢が優勝争いに食い込んでくる余地は十分にある。追い込み勢では高木隆弘が復調気配で、たとえ目標不在のレースであっても持ち味の厳しい攻めで地元選手の意地を見せつけてくれるだろう。
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加藤慎平の自在性にますます磨きがかかる
 中部勢は昨年はグランプリに1人も出場できなかったが、競輪祭では3人が優出、西王座戦も3人が優出して山内卓也がビック初優勝と巻き返してきた。小嶋敬二、金子貴志、吉田敏洋、松岡彰洋、永井清史と相変わらず機動力の層の厚さは他地区を圧倒しており、エースの山田裕仁も2月の静岡で2年ぶりの記念優勝を飾って万全の状態に戻りつつある。

加藤 慎平 【岐阜・81期】
 昨年から自在型に転向して急成長を遂げたのが加藤慎平だ。12月の地元・岐阜記念では気迫溢れる走りで完全優勝、競輪祭の二次予選では2か月間負けなしの10連勝を達成、決勝は準優勝とタイトル獲得が現実味を帯びてきた。西王座戦の決勝では内に詰まって5着に敗れたが、初日特選と2日目瀬戸の王子賞はともに小嶋敬二の捲りを差して2連勝と好調を維持しており、今回も好位狙いの自在戦で順調に勝ち上がっていくだろう。

 小嶋敬二は競輪祭では二次予選敗退、西王座戦では準決で当日欠場と近況の成績は思わしくないが、調子は決して悪くなく、破壊力抜群の捲りのパワーも健在だ。4年前の松戸ダービーでは二次予選と準決で逃げ切りと圧勝しており、バンクとの相性もいい。

村上 義弘  【京都・73期】

高城 信雄 【兵庫・77期】
 近畿勢は村上義弘の復調具合が一番の気がかり。西王座戦では初日特選は捲って2着になっているが、2日目瀬戸の王子賞は先行を小嶋敬二に捲られて7着、準決は稲垣裕之の番手を選択したが、再び落車に見舞われている。幸い落車の影響は軽かったようで最終日の特選に捲りで1勝を挙げているが、本来の日本一の先行力を取り戻すにはもう少し時間がかかりそうだ。

 村上とは対照的に積極的なカマシ先行で近況好調なのが高城信雄だ。西王座戦の二次予選では永井清史の番手にはまり、準決も吉田敏洋の番手にはまるなど展開に恵まれた面が大きかったが、それも前へ前への積極性があったからこそだ。先手ライン有利の松戸バンクでも高城の積極性が必ずや大きな実を結ぶことだろう。

伏見 俊昭 【福島・75期】
 北日本勢ではエースの伏見俊昭にようやく本来の力強さが戻ってきた。昨年後半は消極的な組み立てが災いしての取りこぼしが多く見られたが、近況の思い切りのいい先行策も増えてきた。競輪祭の二次予選では高城信雄に番手に入られるという不運があったが、3日目特選では打鐘から小嶋敬二を叩いての逃げ切り、東王座戦の初日特選も打鐘からの突っ張り先行でおなじみの佐藤慎太郎とワンツーを決めている。今回は短走路が舞台だけに若手自力型の早駆けがかなりの脅威になりそうだが、彼らの挑戦を力でねじ伏せてダービー連覇に王手をかけてくるだろう。

 岡部芳幸も相変わらず好調で、競輪祭の初日特選では武田豊樹の先行を8番手から捲りきっており、東王座戦決勝では伏見俊昭の番手捲りをきっちり差し込んで3度目の優勝を飾っている。
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積極的な仕掛けで好成績を維持する佐々木則幸

佐々木 則幸 【高知・79期】

吉岡 稔真 【福岡・65期】

小野 俊之  【大分・77期】
 中四国勢で好調なのは佐々木則幸だ。昨年は長らく低迷していた時期もあったが、近況は徹底先行と呼んでもいいくらいの積極的な走りで好成績を重ねている。西王座戦の準決では逃げて2着に粘り小倉竜二とワンツーを決め、決勝も稲垣裕之や加藤慎平らを相手に主導権を取りきって準優勝と健闘している。

 石丸寛之は捲り主体なので展開に注文がつくが、ツボにはまったときのスビードは上位相手でも十分に通用するし、前団を思い切りよく叩いての奇襲的なカマシ先行にも侮れないものがある。

 九州勢では復調気配の吉岡稔真がやはり一番の注目株だ。競輪祭では準決で惜しくも4着と敗れたが残り3走で3勝しており、FIだが2月の松山では完全優勝を達成と全盛期を彷彿とさせるスピードが戻ってきている。

 小野俊之は競輪祭の二次予選で落車、西王座戦も二次予選敗退とやや元気がないが、GP覇者の名にかけて必ずや巻き返してくるだろう。
ダービーの思い出

昨年の日本選手権競輪決勝ゴール。豪快に捲った(3)伏見俊昭が優勝。2着に伏見マークの(7)佐藤慎太郎。
 稲村成浩は00年のシドニー五輪に出場後は自転車競技との決別を宣言、国内でのタイトル獲得を目指して競輪一本の生活へ戻っていった。そして迎えた第54回日本選手権の決勝戦は牽制状態でスタートしたが堤洋が前受けとなり、後位に小倉竜二―小川巧が続く。4番手が小嶋敬二―一丸安貴で、その後位はインに稲村成浩―児玉広志、アウトに山田裕二―山口幸二で並走となる。稲村と山田の並走はしばらく続いていたが、青板で山田が上昇して小川後位に入ると、小嶋が8番手まで下げる。赤板から小嶋が上昇して打鐘で一気に主導権を奪うと、今度は3番手がイン堤、アウト山田で並走となる。すると最終ホームから稲村が発進、あっというまに前団を飲み込んでバックでハナに立つ。ゴールは稲村と児玉の2人が横一線で通過したが、写真判定の結果、稲村が念願の初タイトルを獲得した。
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先手有利で、捲りは力上位でないと決まりにくい
 直線が短くカントが浅い松戸バンクは先行有利が基本だ。格下の先行型でも思い切って仕掛けていけば上位入着が可能で、格上の先行型でも先手を奪えないと巻き返しがむずかしいので波乱も起きやすい。4年前に当地で開催された日本選手権でも、二次予選で三和英樹に突っ張られた神山雄一郎が6着に沈むという大波乱が起きている。
 そこで4年前の日本選手権の決まり手を見てみよう。6日間全66レースのうち1着の決まり手は逃げが21回、捲りが18回、差しが27回、2着の決まり手は逃げが10回、捲りが5回、差しが16回、マークが35回となっている。

 この数字だけを見ると先行、捲り、差しのどの戦法も同等に決まっており戦法による有利・不利はないように思えるが、捲りが決まっているのは9、10、11Rの後半のレースばかりで、前半のレースではほとんど捲りは決まっていない。もっといえば前回の大会で捲りを決めたのは山田裕仁や吉岡稔真や稲村成浩らの捲りのスペシャリストたちばかりで、彼らより力の落ちる選手たちの場合はやはり後手にまわされると巻き返しはまず不可能と考えたほうがいい。
 2着の決まり手は圧倒的にマークが多いが、この数字もまた曲者である。2着にマークが多いとスジでの決着が多いように思えるが、決まり手は逃げ―マークなのにスジ違いの決着というケースも意外と多い。先手を取れなかった選手が、ここで引いたら巻き返しが不可能とわかっているので先手ラインの番手で粘り、番手を奪って流れ込みの2着というケースが多いのである。競り合いは絶対的にイン有利で、本職のマーク屋が先行選手に競り負けてしまうケースもしばしば見られる。また、ゴール前で番手の選手が抜きかかると外にふくらみやすく、3番手の選手が2着に突っ込んでくるケースも多い。
周長は333m、最大カント29度44分33秒、見なし直線は38.2m。バンク自体はそれほど重くないが、周りの高い建物からビル風のようなものが吹き、特に風の強い日はホームが重くなる。先行の仕掛けは遅くても打鐘から出てペース駆けするタイプがよく、できれば2周駆けが理想だ。捲りは3角までにハナに立つことが必要。競りはイン有利で先行選手のイン粘り策も有効だ。
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