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加藤慎平の自在性にますます磨きがかかる |
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中部勢は昨年はグランプリに1人も出場できなかったが、競輪祭では3人が優出、西王座戦も3人が優出して山内卓也がビック初優勝と巻き返してきた。小嶋敬二、金子貴志、吉田敏洋、松岡彰洋、永井清史と相変わらず機動力の層の厚さは他地区を圧倒しており、エースの山田裕仁も2月の静岡で2年ぶりの記念優勝を飾って万全の状態に戻りつつある。 |
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加藤 慎平 【岐阜・81期】 |
昨年から自在型に転向して急成長を遂げたのが加藤慎平だ。12月の地元・岐阜記念では気迫溢れる走りで完全優勝、競輪祭の二次予選では2か月間負けなしの10連勝を達成、決勝は準優勝とタイトル獲得が現実味を帯びてきた。西王座戦の決勝では内に詰まって5着に敗れたが、初日特選と2日目瀬戸の王子賞はともに小嶋敬二の捲りを差して2連勝と好調を維持しており、今回も好位狙いの自在戦で順調に勝ち上がっていくだろう。
小嶋敬二は競輪祭では二次予選敗退、西王座戦では準決で当日欠場と近況の成績は思わしくないが、調子は決して悪くなく、破壊力抜群の捲りのパワーも健在だ。4年前の松戸ダービーでは二次予選と準決で逃げ切りと圧勝しており、バンクとの相性もいい。
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村上 義弘 【京都・73期】 |
高城 信雄 【兵庫・77期】 |
近畿勢は村上義弘の復調具合が一番の気がかり。西王座戦では初日特選は捲って2着になっているが、2日目瀬戸の王子賞は先行を小嶋敬二に捲られて7着、準決は稲垣裕之の番手を選択したが、再び落車に見舞われている。幸い落車の影響は軽かったようで最終日の特選に捲りで1勝を挙げているが、本来の日本一の先行力を取り戻すにはもう少し時間がかかりそうだ。
村上とは対照的に積極的なカマシ先行で近況好調なのが高城信雄だ。西王座戦の二次予選では永井清史の番手にはまり、準決も吉田敏洋の番手にはまるなど展開に恵まれた面が大きかったが、それも前へ前への積極性があったからこそだ。先手ライン有利の松戸バンクでも高城の積極性が必ずや大きな実を結ぶことだろう。 |
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伏見 俊昭 【福島・75期】 |
北日本勢ではエースの伏見俊昭にようやく本来の力強さが戻ってきた。昨年後半は消極的な組み立てが災いしての取りこぼしが多く見られたが、近況の思い切りのいい先行策も増えてきた。競輪祭の二次予選では高城信雄に番手に入られるという不運があったが、3日目特選では打鐘から小嶋敬二を叩いての逃げ切り、東王座戦の初日特選も打鐘からの突っ張り先行でおなじみの佐藤慎太郎とワンツーを決めている。今回は短走路が舞台だけに若手自力型の早駆けがかなりの脅威になりそうだが、彼らの挑戦を力でねじ伏せてダービー連覇に王手をかけてくるだろう。
岡部芳幸も相変わらず好調で、競輪祭の初日特選では武田豊樹の先行を8番手から捲りきっており、東王座戦決勝では伏見俊昭の番手捲りをきっちり差し込んで3度目の優勝を飾っている。 |
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