2014年トラック世界選手権 2月27日(木)2日目レポート
 
 
 男子ケイリンは渡邉一成、脇本雄太ともに1回戦、敗者復活戦で敗れ、2回戦に勝ち上がれなかった。日本勢が2回戦に進めなかったのは昨年のミンスク大会に続き2年連続だ。
 1回戦の脇本は残り1周に入った1センターで、ロシア選手と2番手争いをした際、バランスを崩し転倒。しばらく起き上がれなかった。渡邉は残り2周、後方からまくって出たが、トップとの差は詰まらず、最後は流して4着。


脇本選手(写真中央)

渡邉一成選手

 2人が同じ組に入った敗者復活戦は、日本勢の連係に期待が掛かった。残り2周、4番手の渡邉が鋭く飛び出したが、後ろの脇本の踏み出しが遅く、あっという間に日本の連係は分断。先頭に立った渡邉も懸命に逃げたが最後に力尽き4着。


敗者復活戦に挑む渡辺選手と脇本選手

日本勢の連携なるか

 今回が世界選手権10度目の渡邉は「残念というより悔しい。1回戦はもっと何かできたような気がするし、敗者復活戦は、脇本がついて来るだろうという固定観念が強すぎた」と苦しい表情だった。脇本は治療のため言葉を残さなかったが、坂本勉ナショナルコーチには「(敗者復活戦で)踏み出した時、脚に痛みが来た」と話した。1回戦の転倒が響いたようだ。
 テレビ解説のためカリ入りしている日本自転車競技連盟の中野浩一副会長は「日本の競輪はライン中心だが、ケイリンは欧州で進化し個の勝負」と、日本選手に意識の改革を求めた。
 決勝は、ペーサー退避後、3番手に位置したペルビスがやや早めに先頭に立ち、後続の動きにも突っ張って先行。最終周2コーナーでレヴィ(ドイツ)が落車するなど後続がもつれる中、直線で迫る地元のプエルタ・ザパタを押さえて見事に優勝。「本当に、本当に嬉しい!これも日本と日本の競輪のおかげだよ。本当にありがとうございます。日本の競輪では2週間ごとにレースが出来るから、本当に多くのことを学ばさせてもらったからね。横の動きにも対応しないといけないから、戦術面や技術面で本当にたくさん力をつけさせてもらったよ。日本に行ってなかったら間違いなく今の自分はないよ。ニッポン、ダイスキデス」と短期登録選手としての経験を活かし、世界チャンピオンになった喜びを爆発させた。その短期登録選手としての4度目の来日は4月。世界チャンピオンとしての雄姿をしっかりと見せてくれるだろう。


優勝のフランソワ・ぺルビス選手
(フランス)

短期登録で来日が楽しみな
フランソワ・ぺルビス選手

 女子500メートルタイムトライアルは、日本記録保持者の前田佳代乃が、35秒499の平凡なタイムで16人中15位に終わった。オーストラリアのメアーズを0秒097上回る33秒451を出したドイツのベルテが、チーム・スプリントに続く2つめの金メダルを手にした。ベルテも4月に女子短期登録選手として来日予定であり、ガールズケイリンでの活躍が期待できる。


ベルテ選手(ドイツ)

金メダル獲得


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