第56回オールスター競輪（ＧＩ）

優勝者コメント

　（7年振りのG1優勝で）本当にこの日を目指して、今まで頑張ってきたんですけど。まさか今日、この地元のバンクでこうやって結果を出せるのは夢のようですね。（自力での優勝は）今までにない形で自分のスタイルがまた生まれてきたので、新鮮味で毎日練習とかそういうのを繰り返してきたんですけど。気持ちをつないできてよかったなっていう感じです。
　地元で結果が出せるってことはどれほど幸せなことか、今本当に実感していますね。武田（豊樹）君とか平原（康多）君とか東京勢も岡田（征陽）君とかいますけど。みんなと練習していろいろ研究しながら、積み重ねてきたおかげなんで。本当にみんなのおかげです。
　なんですかね、前検日から緊張感というか。迫られるような苦しいような緊張感がなくて。前検日にもお話したんですけど、これが平常心なのかなっていうのが、（デビュー）23年目にして初めてこんな感じなのかなっていうのがあって。勝ち進むにつれていつもの追い詰められるような緊張感ではなく。普段の力が出せれば勝てるぞっていう、この何場所かの成績が自信になりましたね。
　（レースは）勝瀬（卓也）君も任せてくれたんで、とにかく前々に踏んでいこうと思ったんですけど。藤木（裕）君（ライン）の後ろが周回中から取れたんで。藤木君が最終主導権を取ると思ったんで、そこに乗って、そのスピードをもらって力を出し切ろうと思ってました。ホーム過ぎに新田（祐大）君が仕掛けた時に、本当は自分が先に仕掛けたかったんですけど。そこはちょっと新田君のダッシュがすごすぎて対応できなかったので、それを追う形になったんですけど。成田（和也）君がちょうど前で押し込んでくれたので、それで自分の車が伸びたと思うんですよね。あとはもう藤木君を交わして、前にいる新田君を目標に本当にゾーンに入ってたというか集中しきっていましたね。新田君はすごい強いのはわかってて、すごく距離があったけど。川崎での初日で新田君と対戦してて、力というか雰囲気はわかっていたので。そういうのも材料になりました。（立川ダービーでの）怪我が本当にこれで終わりなんじゃないかなってくらい辛くて、今でも背骨というか周りが痛くて。それのケアで固くなってしまうところを取っている状態なんですけど。その中ででも体の動きとかトレーニングを重ねていきながら、カバーしていけるようになったので。今まで本当に自転車だけしか乗ってなかった競輪人生だったんですけど。いろいろトレーニングを取り入れたり、体の動きとかを勉強し始めたら。まだ、体が使えるんじゃないかなって思ってきたんで。まだまだこの歳の人は諦めることはないと思います。（骨折は）一年間に15本とか折ったこともあったし。プレートを入れたら、プレートのまま折ったこともあったし。たぶん30本以上（骨を）折っていると思います。京王閣の記念の時は怪我で毎回座薬を入れながら走ってたんですけど。それでも後輩の頑張りで恵まれて優勝とかさしてもらったんですけど。今回はそういう怪我もなく。そこを乗り越えた部分も余裕のひとつだったと思いますね。
　立川でのグランプリは、ご迷惑を掛けた時も頑張れた時もあったんですけど。まだ実感がないというか。ずっとSS級ができた時から目標にしてたんで。なれない自分に不甲斐なさというか、悔しさがあったんですけど。本当にこらえて頑張ってきてよかったですね。
　まだまだ自分の中では完成じゃないんで。段階なのでまだ先があると思うので。まだ煮詰めてこれからも、もっともっと上で戦えるように頑張ります。
　（これからも）ひと肌脱がしてくれっていう後輩がいれば別ですけど。そうじゃなければ自分で前々に踏んで、勝機を得たいと思います。経験っていうのは強いですね。今日が最後だと思って日々全力で頑張りたいと思います。