東西王座戦
 
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東王座優勝者の横顔
西王座優勝者の横顔
 


東西王者の3連覇なるか!?
 東日本と西日本のチャンピオンを決める第8回東西王座戦が香川県の高松競輪場で開催される。東日本は佐藤友和が、西日本は小嶋敬二がともに連覇中だが、今年も充実の機動力を誇る北日本勢と中部勢が東西それぞれの軸となって熱き戦いが繰り広げられていくだろう。



北日本勢リードは揺るがない!
伏見俊昭選手
伏見俊昭(福島・75期)
 東王座は北日本、関東、南関東の3地区による対決だが、過去7回の結果を見てみると、第3回大会では関東勢の小橋正義が優勝しているが、残り6大会はすべて北日本勢から優勝者が出ている。
 今大会も山崎芳仁をはじめとして、佐藤友和、渡邉一成、新田祐大と揃った機動力型が強力で、彼らの番手を無条件で主張できる伏見俊昭が展開的には圧倒的に有利だ。北日本の番手を回った時の伏見の強さはいまさら言及するまでもなく、山崎、佐藤、渡邉の3人との日替わりの連係で優勝を飾ったオールスターの時のように、今大会でも無傷の3連勝が狙える。
 もちろん佐藤友和の3連覇にも大きな期待がかかる。昨年は山崎の先行に乗っての番手捲り、一昨年は堂々の先行で優勝しており、完全復活なった佐藤が相性抜群の大会で持ち味の勝負強さをフルに発揮してくるだろう。
 
武田豊樹選手
武田豊樹(茨城・88期)
 北日本勢に対して真っ向からの力勝負を挑んでいくのが関東勢の武田豊樹と平原康多の2人で、特に武田の走りには注目が集まる。
 武田は11月のふるさとダービー広島で念願のビッグ初制覇を達成したが、次なる全日本選抜では準決勝で敗退してしまった。しかし、名誉挽回とばかりに年末のSSカップみのりでは果敢な先行策を披露し2着に粘り込み、手島慶介との関東ワンツーを決めている。
 追い込み勢ではS級S班の神山雄一郎以外にも兵藤一也が近況好調で、さすがに関東勢は層が厚い。兵藤は9月の青森記念に続いて11月の花月園記念も制し、全日本選抜では地元・関東勢のなかから唯一人決勝進出を果たしている。
 武田と平原の2人が追い込み勢の援護を受け、思い切りの良い走りでレースの主導権を握っていけば、北日本勢を不発に終わらせての上位独占が大いに期待できる。
 
石橋慎太郎選手
石橋慎太郎(静岡・88期)
 南関東勢を引っ張るのは石橋慎太郎だ。持ち味のダッシュ力を活かした積極先行型として昨年大ブレイク、ビッグレースでもトップクラスを相手に勝ち星を重ね、FI戦での優勝は5回を数えた。
 落車の影響などで長らく低迷していた海老根恵太も昨年完全復活を果たした。記念優勝が2回、共同通信社杯が決勝4着、全日本選抜では決勝3着と活躍してS級S班入りを果たしており、石橋と海老根の頑張り次第によっては、南関東勢の優勝も十分に狙えるだろう。
 



中部ラインが主導権を取り切る
 
山田裕仁選手
山田裕仁(岐阜・61期)
 西王座は各地区互角の争いで混戦模様だが、機動力豊富な中部勢がライン的には強力で一歩リードか。
  S級S班の小嶋敬二と永井清史の2人はいうまでもなく、金子貴志、吉田敏洋、柴崎淳と近況好調な自力型が揃っており、展開的には総大将の山田裕仁が有利だ。山田は昨年はFI戦ながら優勝6回と年間を通して安定した成績を維持しており、日本選手権と共同通信社杯で優出している。今大会も目標がしっかりしていれば、優出を逃す恐れはまずないだろう。
 
 
 小嶋敬二の3連覇も十分だ。昨年後半はやや精彩を欠いた走りが続いていたが、山崎芳仁や平原康多が不在の西王座なら小嶋のパワーがやはり抜けている。昨年の大会は捲りで、一昨年は逃げ切りで圧勝しており、今年も怪物パワーでの押し切りを狙ってくる。
 
渡部哲男選手
渡部哲男(愛媛・84期)
 地元・四国勢では渡部哲男の頑張りに注目したい。渡部は昨年の前半は低調だったが、7月の小松島記念で山崎芳仁を破って優勝して完全復活。積極性の高いレース運びと得意のロング捲りのスピードが戻ってきている。今大会でも地元勢の意地に懸けて積極果敢に攻めていけば優出が十分に期待できるし、渡部目標の小倉竜二や香川雄介に大きなチャンスが訪れるだろう。
 
井上昌己選手
井上昌己(長崎・86期)
 機動力豊富な中部勢にとって最大の脅威となるのが井上昌己だろう。井上は、永井清史―小嶋敬二の中部ラインの3番手からきっちり追い込んでグランプリ初優勝を飾っている。昨年は競輪祭優勝後の西王座戦で落車に見舞われたが、今年は得意の捲りと位置取りの巧さを存分に発揮してグランプリ覇者の底力を見せつけてくるはずだ。
 捲りといえば3・92の勝負ギアで快進撃を続けている石丸寛之も忘れてならない存在だ。全日本選抜の決勝2着は記憶に新しいところだ。
 村上義弘の一発も侮れない。村上は年末の平塚のS級戦では初日特選が逃げ切り、3日目特選が捲って快勝と好調を維持しており、今大会もいつも通り積極的な走りでファンの期待に応えてくれるだろう。
 


 
濱田浩司選手
濱田浩司(愛媛・81期)
 12月の佐世保で記念初優勝を達成した地元・四国の濱田浩司が中心だ。 昨年の濱田はビッグレースでも小嶋敬二や武田豊樹らの超一流の選手を倒して勝ち星を挙げるなどの活躍を見せていたが、佐世保記念では二次予選と準決勝が大ギアの持ち味をフルに発揮しての逃げ切り、決勝戦はギアを少し下げての捲りと満点に近い勝ちっぷりだった。
 次場所のいわき平FIも勝ち星こそなかったがきっちり優出と勢いに乗っており、今大会も優勝目指して突っ走ってくれるだろう。
 
 売り出し中なのが群馬の木暮安由だ。8月に3場所連続の完全優勝でS級2班に昇進すると、S級初戦の前橋FIでいきなりのS級初優勝を飾っている。その後も優勝こそないがFI戦ではほとんど優出を逃しておらず、12月の高松FIでも決勝3着と好走している。
 木暮が徹底しての主導権取りなら、上信越ラインの藤原憲征にチャンス到来だ。藤原はしばらく低迷していたが、昨年12月から急速に復調してきて奥の手の捲りも蘇ってきている。木暮との連係あれば一気に優勝候補の筆頭に躍り出てくるだろうし、木暮が不発の展開になっても自力発進で勝機を掴んでくるだろう。
 捲り鋭いのは静岡の岡村潤だ。昨年は優勝こそなかったが、記念でも優出するなどの活躍を見せていた。12月の佐世保記念では予選を捲りの2連勝で勝ち上がり、準決勝Aでは荒井崇博―小野俊之の地元勢を相手に先行して鈴木誠の1着に貢献、自身も3着に粘り込んでいる。近況は捲りに回るケースが多くて成績の波が大きいが、今大会も同県の栗原厚司や新藤敦らとの連係で南関東ラインができれば、思い切りのいい先行策が期待できる。


好タイムの出やすい走路でスピードタイプ向き
 400バンクの中でも直線が長い。カントも日本一といえるほどきつく、コーナーで登る感じが強い。
 走路自体はクセがなく好タイムが出やすいので、スピードタイプの選手に向いている。トップスピードに乗れば2センターからでも中バンクを突き抜けられるので、周回中はじっくり脚を溜めて中団から突っ込むのがいい。04年に開催された共同通信社杯でも、バック8番手から捲って1着、バック9番手からの直線強襲で1着という大逆転が何度か出現している。
 ちなみに共同通信社杯の全47レースの決まり手を見てみると、1着は逃げが5回、捲りが19回、差しが23回、2着は逃げが12回、捲りが8回、差しが11回、マークが16回となっている。
 やはり直線が長いので先行型は苦しく、捲りがよく決まっている。ただ、ゴール前での逆転劇もよく見られるが、力のある選手が後ろの選手をきっちり連れ込んでの決着が多いので、全体の6割を超える30レースがスジで決着している。

直線が長くて先行は苦しく、捲りが決まりやすい
 周長は400m、最大カントは33度15分50秒、見なし直線距離は54.755m。もともと333バンクだったものを400バンクにしたのだが、幅を広げられず縦長に改造したので直線がかなり長い。海の近くだが、高松港の建物と場内のスタンドのおかげで風はあまり気にならない。ただ、冬場は2角が向かい風になることもある。