優勝者コメント 「ありがとうございました。今日は前を回ってくれた山崎(芳仁)君と後ろを回ってくれた(佐藤)慎太郎君と岡部(芳幸)さんのおかげです。本当に北が一つになって、番手からでる形になりましたけど、結果は福島でワンツーが決まっていますし、自分としては良い形で優勝できたと思います。枠順も悪かったので、後ろ攻めになるなという感じだったんですけど、早めに抑えて誘導を切らせて山崎君のいつものパターンに持っていくか、山崎君が遅めにジャンくらいで出るような感じでいくのかは山崎君の考え一つで、託していました。あれだけ思い切っていってくれたので、自分も前に踏まないといけないと思っていました。でも3コーナーのあたりでは平原(康多)君が止まるような感じだったので、その外までは見えなかったんですけど、慎太郎君のアシストもあって踏んでいく形になりました。下だけ向いてガムシャラに踏んだだけだったし、(ゴールで)横を見たら誰もいなかったので、(優勝は)自分かなとは思いました。(SSシリーズ風光ると一宮オールスターの優勝も)山崎君の先行で優勝させてもらっているので、何と言っていいか言葉が見つからないんですけど、ずっと山崎-伏見でラインを組んで、一番人気に支持されながらも山崎包囲網がきつくてね。山崎君も自分の思うようなレースが出来なくて辛い思いをしてきたと思うんですけど、その山崎君がジャンから先行してくれたのが僕の中では嬉しかったですし、慎太郎君だって同門なのに、自分はまだ番手戦が未熟なのに、番手を託してくれましたから。岡部さんも何も言わずに4番手を固めてくれたので、本当に福島勢の結束のおかげだと思っています。
昨年は賞金争いで自分は滑り込みセーフでグランプリに乗れたので、9月10月くらいから相当精神的にきついのもありましたし、そのグランプリが終わってちょっと一息ついたというか、緊張の糸が切れた感じで1月2月は自分の中でモチベーションがいまいち上がらなかったんですけど、そこに来て3月の大震災。それでまた思うような練習が出来なくて、自分の中でも考えるところがあったんですけど、練習環境が変わったことで、いろいろ考え直す良い機会にはなったと思います。被災したことをマイナスと考えずに、無いにこしたことはないですけど、新しい環境で初心に戻って新しい気持ちで取り組めたのが今に繋がったんじゃないかなと感じています。
今年からSSが9名になるのは知っていましたし、グランプリに乗れないと、この赤いパンツも脱がざるをえないなという気持ちで今年は戦おうと思っていたんですけど、自分としては一戦一戦、賞金を積み重ねて年末になんとしてでも乗ろうとしてきたのがこうして優勝に繋がった思います。今年もこうしてグランプリに乗れることになれましたし、また来年もこの赤いレーサーパンツを履いて、そのプライドを持って走れる、その感謝の気持ちを忘れないで、これからまだオールスターと地元(現在練習している松阪で開催)の共同通信社杯もあるので(笑)、気持ちを抜かないで頑張っていきたいと思います。
今は福島と松阪の二重生活という形なんですけど、西でレースがあれば今回も三重のアパートから車で参加したんですけど、東でレースがあれば一週間から5日を見て、福島から参加。家でゆっくりするのが一番疲れがとれるのでね。そこは自分の中でうまくスケジュールを組んで、この後は富山記念がありますけど、その前はお盆で実家に帰って、家の様子も見ていきたいと思いますし、それが終わればまた岐阜でオールスターがあるので、富山の後はまた三重で練習してオールスターに参加することになると思います。
福島、いわき平の競輪ファンの皆さんに少しでも夢や希望、地元で練習できている訳ではないんですけど、地元の看板を背負って大きい舞台で走らせてもらって、勝たせてもらって。そういうので同じ地元の出身ということで喜んでいただければ、それが明日からの皆さんの糧に少しでもなっていただければ自分としてもありがたいので、そういう人たちのために走れたこと、それがとても嬉しいです」 |