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強力先行型が不在で混戦必至! |
西日本は現在は山崎芳仁や武田豊樹のような傑出した自力型が見当たらないので混戦模様は必至だ。
小嶋敬二の怪物パワーは今でも健在だが、近況の小嶋は呆れるほどの強さを発揮した翌日に後手を踏まされて凡走
というパターンが多く、強さが安定しないのでシリーズを通しての主役には推しにくい。
村上義弘や金子貴志らに復調気配が見えてきているが、かつての徹底先行ぶりを期待できるほどではまだない。 |
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稲垣裕之(京都・86期) |
そんな中で安定した逃げっぷりを見せているのが稲垣裕之だ。直近4か月のホーム回数が19回、バック回数が18回でよく逃げている。近況は北日本の若手に先手を取られてしまうケースも目立つが、北日本や関東のいない今回なら稲垣の3日間の主導権取りはほぼまちがいないだろう。 |
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山田裕仁(岐阜・61期) |
強力先行不在で混戦模様のレースが続くようなら、復調気配の山田裕仁に勝ち上がりのチャンスが出てきそうだ。
1年半ぶりのGⅠ競輪優出となった競輪祭では自力での勝ち星はなかったが、12月の小倉FⅠでは捲りの3連勝を飾
り、1月の大宮記念の二次予選も捲りで1着になっている。
まだトップクラスの先行を捲れるほどの鋭さは戻っていないし、一本棒の展開で7番手におかれると巻き返しは苦
しくなるが、自在型の出場が多い今回の西王座戦なら山田の捲りでの勝ち上がりが十分に期待できる。
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合志正臣(熊本・81期) |
混戦模様のレースなら合志正臣の存在も忘れてはならない。競輪祭の準決勝ではイン粘りに出た荒井崇博と共倒れ
になって4着に敗れたが、最終日の特別優秀では最終バック8番手の展開から三宅達也の捲りに乗って2着に突っ込
んでおり、相変わらす直線での伸びは鋭い。 |
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九州勢は荒井崇博と中川誠一郎がいるのでとりあえずの目標には困らないし、彼らが不発の展開になっても直線の
長さを活かしてきっちりと上位に食い込んでくるだろう。
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栗田雅也(静岡・84期) |
近況好調で年明けから上昇ムードに乗っている栗田雅也が中心となる。1月の伊東温泉FⅠが決勝3着、小田原F
Ⅰが優勝という成績だが、2場所の6走すべてで主導権を取りきっており、レース内容も満点だ。今回は500バン
クが舞台だが、上昇ムードの現在の状態ならば何の心配も必要なさそうで、いつもどおりに積極的に仕掛けて長い直
線もしっかりと粘り込んでくるだろう。 |
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栗田の番手は神奈川の松坂英司だ。12月の宇都宮FⅠの決勝では5番手から捲っていった水書義弘にスピードをも
らい、直線に入ってから大外を一気に伸びて優勝とやはり近況好調だ。1月の小倉FⅠの決勝でも静岡の荒木伸哉の
捲りを差し切って優勝しており、今回も栗田の番手を死守して直線で鋭い差し脚を発揮してくれるはずだ。 |
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この南関コンビの強敵になるのが中村一将だ。中村も徹底的に逃げまくるタイプで、直近4か月のバック回数は栗
田とほぼ同数だ。12月の奈良FⅠでは初日特選と準決勝が逃げ切り、決勝は捲りの3連勝で優勝している。近況は記
念での活躍も目立ち、1月の大宮記念では二次予選で敗れているが、3日目特選は逃げ切り、4日目特選も逃げて2
着と強靭な逃げっぷりを見せつけていた。
栗田と中村の強力先行が叩き合うような展開になれば、坂上樹大の捲りの出番だ。12月の小倉FⅠの決勝は池崎太
郎の逃げを捲って優勝、次場所のいわき平FⅠの決勝は松崎伊佐央の逃げを中団からの追い込みで捕らえて優勝して
いる。名古屋記念の二次予選で落車して近況はやや調子落ちになっているが、長走路の宇都宮ならばじっくり脚をた
めての捲り追い込みが炸裂するだろう。
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2日目の巻き返しも十分可能で目が離せない |
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東王座ゴール |
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西王座ゴール |
東西王座戦(GⅡ)は、昨年までは東王座戦と西王座戦の2つに別れて、それぞれ別
の競輪場において4日制で実施されてきたが、新しく生ま
れ変わった今年からは1競輪場での3日制での開催となっ
た。さらに東西王座戦と同時にS級シリーズも同時に実施
される。
前半5レースは通常のFⅠと同様のS級シリーズが行わ
れて、後半6レースで東王座戦と西王座戦が3レースずつ
実施される。出場選手は、東西から各27人ずつの54人で、
平成18年7月から11月までの期間における各地区の平均競
走得点上位者から選抜されている。
勝ち上がりのシステムも新しくポイント制が導入され、
初日と2日目に予選を実施して、3日目に東西それぞれの
獲得ポイント上位9人による王座戦が実施される。
王座戦に進めなかった選手は東西混合戦に出場すること
になる。最終日は、東西王座戦とS級戦の3つの決勝戦が
実施されることになり、東西王座戦の決勝戦で上位3着ま
でに入った選手は、高松宮記念杯の青龍賞と白虎賞にそれ
ぞれシードされる。
ポイント制のシステムはオールスター競輪でも採用され
ているが、オールスター競輪のドリームレースやオリオン
賞のような特別選抜のレースはなく、オール予選競走なの
で、レースの種別によるポイントの優遇制度はない。
2日間でトータルポイントで決勝進出が決まるが、初日
の着が悪くとも2日目に良い着を取ることができれば、決
勝戦に進出する可能性が出てくるし、逆に初日に良い着を
取っても、2日目も気が抜けない。
初日の結果に従ってシステム的に2日目の番組が組まれ
るのも新しい試みだ。また、落車などによって欠場選手が
出ても補充はおこなわれず、2日目は欠車扱いで競走が実
施されることも注意しておきたい。 |
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意表を突く作戦で福島勢が上位独占 |
決勝戦は福島勢が4人も揃い、手島慶介が福島ライン分断を宣言していたが、福島勢は意表を突く作戦に出て1着から4着ま
でを独占した。初手は渡邉一成-山崎芳仁-伏見俊昭-岡部芳幸で並んでいたが、手島が番手に攻めてくると山崎以下がいったん後退。打鐘前から山崎が上昇してインを切ると、渡邊が後方から一気にカマシ、離れかけた手島を伏見が弾いて渡邉-山崎で再びドッキング、渡邉の先行を4角から山崎が交わして優勝を飾った。 |
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澤田が市田の捲りを差し切って優勝 |
決勝戦には近畿勢から市田佳寿浩、澤田義和、村上義弘の3人が乗ったが、市田-澤田で連係、村上後位には九州勢がつけ
て別線勝負となった。村上は赤板前から上昇して早々に誘導員を退避させ、赤板からスパートして一気に主導権を奪ってしま
う。打鐘から金子貴志も踏み込んでくるが村上は突っ張り、村上と金子の激しいもがき合いが続く。それを後方待機の市田が
きれいに捲り切り、澤田がゴール前で差して9年ぶり2度目のGⅡ競輪優勝を飾った。
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