誰も追わないのを見て、しびれを切らしたように西谷がそれを追う。その西谷を追う選手はおらず、西谷は1人で半周を追いかけるかたちになってしまった。しかし、先頭集団との差はなかなか縮まらない。
ひとりで、風圧と戦い続けた西谷は徐々に失速し、大集団に戻るかたちとなった。
そこに、ラスト1周回を告げる鐘。西谷はあきらめたようにスピードをゆるめ、最後尾まで下がってゴール。
決勝進出はならなかった。
ゴール後、しきりに首をかしげながら戻ってきた西谷のコメント
「いやー、展開がつかみきれないですね。難しい。距離が短いんで、ちょっとの間違いが取り返しつかないですよね。
もっと、レースを読んでいかないとダメですね。マニエにも、“もっともっと考えて走れ”と言われました。
でもアタックについていったのに、すぐやめるなんて、あれは考えられないですね。(コレスニコフが残り19周でアタックをかけたが、それを追走した西谷を置き去りにするように逃げから
離脱したことに対するコメント)
最後のアタックは誰かついてきてくれるように、少しゆっくりめに出たつもりだったんですけど・・・
ひとりになっちゃいました。世界のスピードにようやく慣れてきた気がするので、また頑張りたいです」
その後も、西谷はマニエ監督から「何回もアタックするな。1回のためにためておくんだ。冷静に。気持ちでアタックしちゃいけない」
など、さらなるコメントをもらっていた。
夕方の部には1kmTTに及川が出場。それまで、1′07″、08″台の平凡なタイムが続いていたが、及川が走って1′04.814というタイムを出し、会場を沸かせる。その後ドイツのカーステン・ベルゲマンとフランスのフランソワ・ぺルビスにぬかれたものの
その他には譲ることなく、初陣のマニエ監督にうれしいメダルをプレゼントした。及川は世界大会での1kmTTの表彰台はこれがはじめて。
及川のコメント「アジア大会の反省のもとにファーストラップを全開で行って、残りを維持することを心がけました。アジア大会では
2周目に落ちてしまったので・・・このところ前半にかせぐ走りに変えてきたので、それをもっとうまくできるようにしたいと思います」
(“今シーズン日本チームにはじめてのメダルをもたらしたわけだが?”の問いに)
「いやー、気分がいいって感じではないですね。ラッキーでもらったんで。表彰台で他の人と肩を並べられないですよ」と謙遜しきり。 |