ワールドカップ第4戦マンチェスター大会レポート
配信日:2月27日
2月22日(開催前日) 天候 雨 気温9℃
06-07シーズン、ワールドカップは最終戦。各国にとっては、いよいよ世界選手権出場権利獲得の最終チャンスとなる。ここ数年ワールドカップの会場としておなじみとなったマンチェスターだが、来シーズンのワールドカップ開催はない。その理由は、07-08シーズンの世界選手権の舞台となるからだ。この大会は、北京オリンピックの出場権に大きくかかわる世界選手権だけに地元ファンも今から楽しみにしているようだ。
これに向け、このワールドカップ後にトラックの張替えが予定されている。
さて木製トラックは新しいものがよいとは限らないらしい。木の乾燥度合いなどによって、重く感じたりすることもあるそうだ。マンチェスターのトラックは男子4000m個人追い抜きや、1時間でどのくらいの距離を走れるかを競うアワーレコードなど、中長距離の世界記録が出ているバンクだ。張替えにより特性がどう変化するかは、今はわからないが、今回はベロドロームが建設されたときからのオリジナルのトラックとしては最後の世界大会だと言える。今回参加している渡邉一成は、初めて国際大会に出場したのが、このマンチェスターのバンクだった。各国選手、特にイギリスチームの選手たちにとっては、これまで自分が何度も軌道を残してきたこのトラックの思い出を振り返りながら、走る大会となろう。
さて日本チーム。3月末にスペイン、マヨルカ島で行われる世界選へ向け1つでも多くの出場を確保すべく召集されたメンバーはスプリント種目に成田和也、井上昌己、永井清史そして前述の渡邉一成。エンデュランス種目には飯島誠、盛一大の合計6人。そして、インターナショナルケイリンイベントのため特別にケイリンスペシャリストとして、やって来た太田真一、矢口啓一郎の2人が加わっている。
外国勢を見ると、テオ・ボス、ミカエル・ブルガン、クリス・ホイ、ライアン・ベイリーなど、どの国も磐石の布陣。特にホームであるイギリスはクレイグ・マクリーンを筆頭にロス・エドガー、ジェイミー・スタッフなどフルラインアップ。中長距離系もブラッドリー・ウィギンス、ロブ・ヘイルズ、クリス・ニュートンなど蒼々たるメンバーだ。総参加人数は男子180名、女子69名の249名、37カ国+11トレードチームの戦いとなる。
開催前日の今日はスプリンター達は完全にオフ。中長距離の飯島と盛のみが、軽い調整を行った。また少し遅れて到着したケイリンスペシャリスト組は、最終日までは本番がないことや、早めに身体の調子をヨーロッパ時間に合わせるなどのため、中長距離チームと一緒にバンクに姿を見せ、板張りバンクの走りを楽しんだ。
<練習する日本選手>
ロサンゼルス大会のときもそうだったが、マニエ体制になってから、開催の前々日あたりに練習のピークを持ってきて、前日は、スプリント系については、完全オフ。エンデュランス系については、軽く汗を流す程度というようにリカバリーにあてるような形が定着してきているようだ。
<練習時は、まだなごやかな雰囲気>
もうひとつの重要な話題は、今回、飯島、盛がマディソンに登場することだ。マディソンは大集団の中でタッチを繰り返す非常に技術のいる種目。まわりのレベルが上がれば、上がるほどシビアで危険度の高い走りが要求される。これは、レベルの高い集団の中に未熟なライダーが入ると非常に危険だということだ。私には、日本人ライダーがマディソン種目でワールドカップに出場した記憶がない。この種目にマニエが出場を決めたということは日本にはトラック・エンデュランス系にもそれだけのポテンシャルとスキルを持った選手がいると認めたということであり、飯島と盛はその代表格であるということがいえるだろう。
<日本ピット。アドバイスを聞く選手たち>
この記念すべき出走、是非、記憶に残る走りを期待したい。
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