ワールドカップ第2戦北京大会レポート
 
配信日:12月12日
 
 
■12月8日(2日目) 天候 晴 気温4℃ 観客2500人

 今日は2日目。観客がかなり入っている。
昨日、人もまばらだった会場。「やはり中国では自転車競技はまだまだ認知されていないのだ」と思ったが、土曜日の今日、チケットはソールドアウトとのこと。
そして、熱烈な応援。ポイントレースのときの声援のタイミングなどを見ると、まだ競技がわかって見ているとは思えない部分もあるが、見どころはあまりわかっていないにしても、中国の人にとっても、エキサイティングな競技に見えるのだろう。

今日は、まず伏見俊昭のケイリン。
1着のみが先に進める厳しい勝ち上がりの第1ラウンド。
昨日発表された組み合わせが、朝変更になり、今のところケイリンでは敵なしのクリス・ホイと同じ組に入ってしまう。

4コースからスタートした伏見はペーサーの後ろにつけようと飛び出したホイの後ろをチームモスクワのデニス・ドミトリエフと取り合うが、ゆずって3番手。周回はホイ、ドミトリエフ、伏見、エストニアのダニエル・ノビコフ、カナダのトラビス・スミス、南アフリカ、モーム・ブライノーの順。
残り4周でブライノーが踏み上げて伏見の後ろに入る。
ペーサーが退避するといつもどおりホイが先行体制。後ろをみながらスピードを調節している。
残り2周、スミスが上がってくるもスピードがあがっているためノビコフの横まで。ずるずる下がっていく。
残り1周、前の3人ははじめと変わらずホイ、ドミトリエフ、伏見。もはや1着はこの3人以外ありえないと感じる。
最終3コーナー3番手にいた伏見が前の2人をかわしにかかるが、ホイのスピードは衰えていない。
直線でドミトリエフをかわすも、ホイまでは捕らえられず、あと一歩の2着で敗者復活戦にまわることになる。

敗者復活戦、伏見の組は、オーストラリアのライアン・ベイリー、ホンコンプロサイクリングチームのヤフイ・ガオ、 中国のキ・タン、トリニダードトバゴのクリストファー・セリアーという面々。 号砲後、伏見はガオの後ろの2番手。それにベイリー、タン、セリアーが続く。ペーサー退避後、ガオがカマシ気味にスパート。 伏見は後ろのベイリーが気になったのか、遅れた形でガオを追う。その差3車身から4車身。 残り1周半、ガオとの差をつめようと伏見は必死。そこで伏見の後ろからベイリーが満を持してダッシュする。 伏見の後ろで脚を使っていなかったベイリーは、あっさり伏見とガオを抜いて、1着。伏見もガオをかわしてベイリーを 追っていたが、届かなかった。 これにより、伏見は敗退が決定。オリンピックに向けて、残念ながらポイントの積み上げはならなかった。

ホイの後ろを取り合う伏見。ここで、ホイの番手をとりきっていれば、もしやとも思うが・・・
ホイの後ろを取り合う伏見。ここで、
ホイの番手をとりきっていれば、
もしやとも思うが・・・

 

 

ホイがシドニーに続けてケイリン優勝。同じ組になった伏見が弱気になるのも無理はない
ホイがシドニーに続けてケイリン優勝。
同じ組になった伏見が弱気になるのも
無理はない



伏見のコメント
「残念です。こんな結果になったら、何のために参加したかわからないです。(“1回戦の組み合わせが変わったことで心に変化があった?”と聞くと)正直、がっかりしました。1着権利でホイと一緒なんて・・・1回戦は作戦どおりだったんですけどホイは差せませんでした。まだ差がありますね。
敗者復活は、香港のガオが動いたときは残り2周で、あのクラスが2周もがいて残るとは思っていなかったので、一瞬踏み遅れました。
(“一瞬遅れても、伏見の脚ならスグ踏めばあれほど差が開かなかったように思うが?”の質問に)前回(シドニー大会の準決勝で、飛び出したガオを追って脚を使ってしまい4着)のことが頭をよぎって、踏みすぎるとつぶれそうな気がしたので躊躇してしまいました。今回は力を出し切る前に終わった感じです」


 一方、シドニー大会で予選敗退の雪辱を期する盛一大のスクラッチ予選。
残り17周あたりから、逃げたモスクワチームのニキータ・ノビコフを追走し、他に追ってきた選手もあわせて4人で逃げ集団形成。
吸収しようと後ろの集団が迫ってきたのを見て、一度集団へ戻る。
残り6周、5人の先頭集団ははるか先。決勝進出は8位まで。残りの3つの席をかけて盛を含む4人が集団を離脱。
そのなかから残り2周で盛がスパート、まる2周をもがき切り、6位で決勝進出決定。


続く決勝はかなりのハイペースとなった。
盛は後方待機。前方では、「アタックしては吸収」が繰り返される。そうしているうちに、7人の逃げ集団が形成される。
残り35周、その集団を盛が猛烈に追い始める。距離は1/4周。およそ2周をかけて連結。逃げ集団は盛を加えて8人に。
残り25周ではメイン集団とは半周差。残り10周、半周あった差を逃げ集団はさらに広げ、ついにメイン集団をラップ。
さらにそこから抜け出だそうとする選手が出るが、盛はここでいっぱいいっぱい。その集団を追うことはできずにゴール。
ラップ達成組のなかでは、最下位ながら、うれしい8位入賞を果たした。
盛のコメント
「逃げが決まらない展開になったら最後のスプリントで勝負したかったんですが、先頭集団の逃げが決まりそうだったので追いました。一発使うなら、追いつくための一発ではなく勝つための一発にしたかったですけど・・・
今の感じで行くと、もっと上を狙うことも無理ではないと思っているので、もっともっと頑張ります」

 

積極性が売りの盛。他国の選手にも覚えられてきたようだ
積極性が売りの盛。
他国の選手にも覚えられてきたようだ

持ち味のダッシュを盛ダッシュと言ったら「もっとカッコイイ名前つけてください!」
持ち味のダッシュを盛ダッシュと言ったら
「もっとカッコイイ名前つけてください!」





1キロタイムトライアルに出場したのは大森慶一
前回、1′06″135と、自己ベストにはほど遠いタイムをだしてしまい、落ち込んでいた大森だが、今回のタイムは前回のタイムよりはよかったものの、1′06″067で10位。どうも、本調子ではないようだ。
大森のコメント
「こんな悪いタイムですみません。練習不足なんでしょうか、後半脚が回りません。
(タイムが出ていた)以前と変わっていることといったら、フレームぐらいでしょうか。
前の自転車を出してみて、少し試してみます。もう、このタイムから抜け出したいと思います」

女子ポイントレースに出場した和田見も残念ながら、調子が出ず、予選14位で決勝に進出できなかった。




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