ワールドカップ第1戦マンチェスター大会 レポート
 
配信日:11月7日
 
 
■11月1日(2日目) 天候 晴れ 気温5℃ 観客3000人

 チケットは連日のソールドアウト。今日も昼のセッションから大勢の観客が詰めかけた。

 
チケットはすべてソールドアウト
チケットはすべてソールドアウト
 
  2日目の今日は、渡邉一成がスプリントに出場。昨日、ハロンの練習が出来ていないと心配していた渡邉だが、10″340の10番時計で200mTT予選を通過。もちろん渡邉にすれば、すごくよいタイムではないが、ベストコンディションに持っていけていないときでも、 10″3台前半が出せるというのは、渡邉のレベルが底上げされていることを物語っている。 渡邉の1/8決勝はフランス、USクリテイユチームのミカエル・ダルメイダとの対戦。ダルメイダは7番時計だ。インスタートから超スローペースで先行した渡邉を2車身ほどあけて同じペースでダルメイダが追う。2周目に入り、ペースが少しずつあがる3周目に入る直前でダルメイダが前に出ようとするのを見て渡邉はわかっていたかのように 前に行かせピタリと後ろにつける。最終バックにさしかったところで渡邉は差す準備をするようにダッシュに入る。直線で並びかけ、差したかのようにみえたが、ダルメイダの末脚は思ったより強力で、写真判定の結果クォーターファイナル行きをダルメイダに 譲ることになった。

 
 
タイムトライアルに向けてアップする渡邉
「練習不足で不安」と言っていたが、
まずまずのタイムで通過
相手のダルメイダは結局4位まで勝ちあがった
相手のダルメイダは結局4位まで勝ちあがった

 渡邉のコメント 
(「惜しかった」と言うと)「はい。でも、『惜しい』じゃダメなんですよね。もう、去年から何度も惜しい、惜しいと言われて、惜しいのままですから。もっと、爆発力みたいなのをつけないと。(大きな)ギアが踏めないとダメですよね。そういう練習をしているんですけど。今日はこのまま終われないんで、次頑張ります」
 
 渡邉が進んだのは9~12位を決する第1関門クォーターファイナルB。これに勝てば少なくとも12位が決定する。 「次頑張る」と言ったそのレースは、昨日ケイリン1回戦で渡邉を派手に牽制したドイツのセバスチャン・ドーラーとの因縁対戦。この選手、23歳でこれまではあまり国際大会ではお目にかかったことのない選手。あまり力のない選手ではないと思うが、なにせ、まっすぐ走らない。競走はインスタートの渡邉がダルメイダ戦と同じようにスローペースで先行していく。2周目でドーラーは前に出ようとするが 渡邉もすんなりとそれを許す。ドーラーが前に出てからスピードは上がり、渡邉も1車身の距離を保ちながらそれを追う。最終周回、渡邉が満を持してドーラーをかわしにかかる。しかし、1センター付近で1回、2センター付近でまた1回とドーラーが車体を横に振る。特に2回目はスピードがかなり出ていただけに影響が大きく、渡邉の追撃の勢いを消すのに十分な一発になってしまった。結局ドーラーが先着。しかし、ジャッジの判断は「残り200mを切ったのち自分のコースをキープしなかった」として、ドーラーが降着。渡邉はセミファイナルB行きを果たした。

 続く相手はオランダのテアン・ムルダー。ムルダーに調子を聞いたところ、あまりよくないと言っていたが、昨日のケイリンでも銅メダル。 なめてかかる相手では決してない。しかし渡邉はスローペースからそのまま先行、最後までムルダーが前に出ることを許さず、快勝。さらに、9-10位決定戦は中国のリ・ウェンハオ。またインスタートを引いたが、今回は、リが自ら先に出てそれを追う形となった。序盤、コースを頻繁に変えながら後ろからプレッシャーを与える渡邉。2周目以降、リはゆるやかに速度を上げてくるが渡邉は前に出る素振りは見せず、ピタリとつけている。3コーナーあたりから、やっと「まくるゾ」という体制に入り、ゴール直前で、図ったようにきっちりと差しきり、はじめの1/8決勝で敗れたものとしては最高位の9位に入った。

ケイリン順位決定戦
タイムトライアルに向けてアップする渡邉

 すべて走り終わった後の渡邉のコメント
(「日本のインターナショナルライダーの顔としての面目を躍如したと思うが」との問いに)「いや~、そうですかねぇ。1/8で負けちゃいけなかったですね。(「1/8であたったダルメイダは勝ち進んでいるからそれだけ強かったということでは?」と聞くと)そうも言えるんですけど、だったらあそこで勝っておけば、あいつと同じぐらいのところには行ったかななんて思うと、やっぱり、はじめを落としてはいけなかったんですねぇ。まぁ、今回あまり練習ができてなくて、これぐらいやれたんで、練習しっかりやって来たらどうなんだろうと思うと、ちょっと楽しみです。また頑張ります」



 スプリント決勝は地元のジェイソン・ケニーとオーストラリアのシェーン・パーキンス。勝ち上がりの走りを見て、シェーン・パーキンスはかなり仕上がっているように見えたが、 ケニーの出来も素晴らしく、観客の大声援にも押されて2本連取。2本目はゴール直前でパーキンスに絡まれ、 落車しながら、ゴールするシーンもあったが、上り調子のヤングスターにとって幸先のよいシーズンスタートとなった。
2年前はジュニアで走っていたのに、ケニーは今ではイギリスを代表する選手にまで成長
2年前はジュニアで走っていたのに、ケニーは今ではイギリスを代表する選手にまで成長



>>back

COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved.