 |
|
かわって今度は盛一大のスクラッチ。
序盤から、香港のホー・ティン・クォクが積極的に逃げを繰り出すが、先頭はめまぐるしく変わっている。
残り50周、盛が動いた。スペインのトニ・タウラルルやアルゼンチンのアンゲル・ダリオ・コラなどとともに逃げを開始。3周も逃げたころ、クォクがその逃げを追って集団に連結。6人で先頭後退を繰り返しながら、メイン集団を追いかける。
残り45周、逃げ集団は差が縮まらないように見えたメイン集団をじりじりと追い詰め始める。
残り42周でついにラップ達成。さらにロシアのアレクセイ・マルコフや韓国のスン・ジャエ・ジャンのふたりがメイン集団を抜け出し、盛のいる先頭集団を追っていたがこちらもほどなくラップ。昨日「残り10周で後ろにいたら、今日の盛はダメだと思ってください」と言っていた盛は早い段階でアドバンテージを奪い、ダメではないことを示した。
残り34周、前方を見ると、先ほどラップを達成したクォクがさらなるラップを狙ってオーストラリアのクリストファー・サットン、ウクライナのセルゲイ・ラグティなどとともに逃げ体制。
残り32周、一緒に逃げそうなライダーを探して、モーションをかける盛。しかしあまりよいライダーがついて来ず、集団に戻る。
残り29周、逃げ集団がラップ。クォクはここで2ラップとなり単独トップとなっている。
残り25周では展開は一本棒。盛はやや後方に陣取っている。多くのライダーが横にらみで単調な展開がつづいていた残り13周、業を煮やしたように盛が一本棒の外をじりじり上がっていく。残り7周には先頭に立つもずっと前にはいられず徐々に後退。
残り2周ごろから、このときを待っていたとばかりにライダーたちが動きはじめ残り1周ではものすごいスプリントとなる。盛もこれに加わるが、先ほどの逃げ誘発アクションでかなり脚をつかっており、上位には絡めずに、ダンゴ状態のなかをゴール通過。8位となった。優勝は2ラップしていた香港のクォク。 |
スクラッチは、道中の駆け引きも かなり大きな要素
|
盛のコメント
「香港にやられちゃいましたね。終盤は香港が2ラップしているんで、皆スプリントに備えてた感じですね。でも、なんとか動かさないといけないと思ってやってみたんですけど、誰も来ませんでした。誰か行かないと・・・と思って自分で行ったんですが、監督には“なんで待たないんだ”と言われちゃうんだろうなぁ」確かに、スプリントに備えて脚をためていれば、もう少し上の着になった可能性はある。
しかし、常に自分でレースをつくろうとする盛の積極性は、素晴らしく、過去この積極性がプラスに働いたことも多い。
「ひとつふたつ上の着をとりに行くより、自分で何かを起こしたい」と言いたげな盛の走りに、走りのエンターティナーとしてのプライドを感じるのは私だけだろうか。 |
|
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved. |
 |
|
|